第28回映画祭TAMA CINEMA FORUM

プログラム紹介

【B-5】TCF特選洋画上映

11/23[祝・金] パルテノン多摩小ホール

チケット料金

一般
前売:1,200円 / 当日:1,400円
子ども(4歳~小学生)
前売:800円 / 当日:900円

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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法

  • The Florida Project
  • 2017年/アメリカ/クロックワークス配給/112分
  • 監督・脚本・編集・製作=ショーン・ベイカー
  • 共同脚本・製作=クリス・バーゴッチ
  • 製作=シン=チン・ツォウ
  • 撮影監督=アレクシス・サベ
  • 出演=ウィレム・デフォー、ブルックリン・キンバリー・プリンス、ブリア・ヴィネイト、ヴァレリア・コット、クリストファー・リヴェラ

ストーリー

住む家を失った6歳のムーニー(B・K・プリンス)とシングルマザーのヘイリー(B・ヴィネイト)は、フロリダの安モーテルでその日暮らしの生活を送っていた。貧困という厳しい現実の一方で、モーテルの子どもたちと冒険心に満ちた日々を過ごしていたムーニー。しかし、そんな彼女が軽い気持ちで起こしたある事件が、夢のような日々に重い影を落としていくのだった。

コメント

広がる空の青。ぼうぼうと生える草の緑。世界一のテーマパークの周縁に建てられた安モーテルのピンクや紫。鮮やかな色のなかで、現代アメリカの貧困が描かれている。サブプライムローン問題が根底にあるというが、この映画にはストーリーらしいストーリーはない。誰もが共感するストーリー(型のある大きな物語)ではなく、個々が語る小さな物語であるナラティブが、少女と母親、そしてそれを見守るモーテルの管理人という三者の視点で描かれている。

少女ムーニーの無邪気でえげつないいたずらの数々がまず目を引くが、さらに出色なのはシングルマザーのヘンリーの存在感である。演じるブリア・ヴィネイトは、インスタグラムでマリファナを吸いながら下着で踊っていた写真で数千人のフォロワーを集め、監督にスカウトされた。その演技は自分をむき出しにしているようで熱過ぎず、冷め過ぎない母の愛情を極めて自然に表現している。(理)

君の名前で僕を呼んで

  • Call Me by Your Name
  • 2017年/イタリア、フランス、ブラジル、アメリカ/ファントム・フィルム配給/132分
  • 監督・プロデューサー=ルカ・グァダニーノ
  • 製作=ピーター・スピアーズ
  • 脚色・プロデューサー=ジェームズ・アイヴォリー
  • 撮影監督=サヨムプー・ムックディープロム
  • 衣装デザイン=ジュリア・ピエルサンティ
  • 挿入歌=スフィアン・スティーヴンス
  • 出演=ティモシー・シャラメ、アーミー・ハマー、マイケル・スタールバーグ、アミラ・カサール、エステール・ガレル
12歳未満の方は、保護者の同伴が適当です

ストーリー

1983年、夏。北イタリアのどこかで17歳のエリオ(T・シャラメ)は24歳のオリヴァー(A・ハマー)は出会う。エリオの父の研究を手伝いに来ていたオリヴァーはとても知的で自信に満ち溢れていた。まばゆい夏の光のなかで、2人は惹かれあったり反発しあったりしながらも激しい恋に落ちてゆく。永遠に続くと思われるような日々であったが、夏の終わりとともに、オリヴァーが去る日が近づいてくる。

コメント

北イタリアの美しい自然のなかで、川で泳いだり、読書をしたり、曲を作ったりなどというなんとも優雅で文化的な休暇を過ごしてみたいものである。今年の夏、あの場所を探したが、やはり私の周りでは見つからず、1人虚しく桃を貪っていた。

2人の恋愛は今で言うLGBTの部類に入るのだが、初恋という誰もが経験した思いを映画のなかで彼らと共有することができる、普遍的な恋愛映画である。「痛みを葬るな」と言ったエリオの父の言葉は、忘れたかった数々の記憶に居場所を与えてくれた。

別れの前の旅行での幸せの絶頂にいる2人を見ていると、この後に来る悲しみの大きさがわかってしまい、涙が止まらなくなる。どうか、このまま時が止まりますようにと祈ってしまった。

この作品が初主演映画であり、ハリウッドが今もっとも期待する俳優となったティモシー・シャラメ。きらめく瞳の奥にどんな未来を見据えているのか、彼の今後の活躍にも注目していきたい。(舩)

プログラム一覧

今泉力哉監督、三宅唱監督
東出昌大氏、金原由佳氏(映画ジャーナリスト)
望月衣塑子氏(東京新聞社会部記者)
大九明子監督、菊地健雄監督、白石裕菜企画プロデューサー、八尾香澄プロデューサー
伊藤沙莉氏、渋川清彦氏、飯塚健監督
高橋隆大氏、長尾理世氏、石丸将吾氏、唐鎌将仁氏、飯野舞耶氏、律子氏(以上出演者)、石川貴雄氏(助監督)
清原惟監督、佐々木敦氏(批評家/HEADZ)、長尾理世氏(『ゾンからのメッセージ』出演)、律子氏(『ゾンからのメッセージ』、『わたしたちの家』出演)
ベルトラン・マンディコ監督、エリナ・レーヴェンソン氏(女優)、五所純子氏(文筆家)
有坂塁氏(移動映画館「キノ・イグルー」代表)
原一男監督
遠藤麻衣子監督、夏目深雪氏(批評家、編集者)
村川透監督
団地団
(大山顕氏、佐藤大氏、速水健朗氏、稲田豊史氏、山内マリコ氏)
細川徹監督、三宅弘城氏
菊地健雄監督、片桐はいり氏
カメ止めチーム
中野ダンキチ氏(サメンテイター)、藤田みさ氏(ラジオパーソナリティ)、中野将樹氏(芸術家)ほか
深川麻衣氏、志田彩良氏
枝優花監督、穂志もえか(保紫 萌香)氏、金原由佳氏(映画ジャーナリスト)