第29回映画祭TAMA CINEMA FORUM

プログラム紹介

【D-2】逆輸入型新進気鋭監督 長久允×奥山大史

12/1[日] ヴィータホール

チケット料金

一般
前売:1,200円 / 当日:1,400円
子ども(4歳~小学生)
前売:800円 / 当日:900円

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Tokyo 2001/10/21 22:32-22:41

  • 2018年/閉会宣言製作・配給/12分
  • 監督・脚本・撮影=奥山大史
  • プロデューサー=吉野匡志
  • アニメーション=加賀遼也
  • 出演=大竹しのぶ、篠田諒、小貫加恵

そうして私たちはプールに金魚を、

  • 2016年/MOON CINEMA PROJECT製作/コトプロダクション配給/27分
  • 監督・脚本=長久允
  • プロデューサー=田中雄之、横山治己
  • 撮影=武田浩明
  • 美術=栗林由紀子
  • 音楽=丸橋光太郎
  • 編集=稲本真帆、金子雄亮
  • 出演=湯川ひな、松山莉奈、菊地玲那、西本まりん、山中崇、黒田大輔

僕はイエス様が嫌い

  • 2019年/閉会宣言製作/ショウゲート配給/76分
  • 監督・脚本・撮影・編集=奥山大史
  • プロデューサー=古野匡志
  • 美術=藤本楓
  • 出演=佐藤結良、大熊理樹、チャド・マレーン、木引優子、ただのあっ子、二瓶鮫一、秋山建一、大迫一平、北山雅康、佐伯日菜子

ストーリー

祖母と暮らすため、東京から雪の降る地方の小学校に転校することになった小学生のユラ(佐藤)。そこはミッション系の学校で礼拝の習慣があったが、ユラは慣れないその習慣に戸惑いを覚えていた。そんなある時、お祈りをするユラの目の前に小さなイエス様(チャド)が現れる。

コメント

幻想的な雪国のなか子供たち(と、イエス様)がのびのびと動き回るこの作品には、幼いころの私たちが確かに抱いていた「神様って本当にいるの?」という疑問や、主人公・ユラをはじめとする子供たちの繊細な感情の動きが映し出されている。私は本作品の鑑賞中、神様とかサンタクロースとかおばけとか、実存するのかわからない存在に思いを馳せたかつての自分を思い出し、懐かしい気持ちになった。

人は、なんらかの信仰があるからこそ毎日きちんと生きていけるのだと思う。それは誰かにとっては宗教であり、または家族や友人などの身近な人々である。あるいは仕事や芸術など、その対象は実に多種多様だ。そして不慣れな環境で生活を始めたユラにとって、イエス様は彼の心を支える重要な存在であった。『僕はイエス様が嫌い』というタイトルは、神の存在を信じられなくなるような出来事が起こっても祈ることをやめられないユラの心の叫びなのではないか。(バ)

WE ARE LITTLE ZOMBIES

  • 2019年/“WE ARE LITTLE ZOMBIES” FILM PARTNERS製作/日活配給/120分
  • 監督・脚本=長久允
  • プロデューサー=山西太平、高橋信一、横山治己、長谷川晴彦
  • 撮影=武田浩明
  • 美術=栗林由紀子
  • 音楽=LOVE SPREAD
  • 編集=稲本真帆
  • 出演=二宮慶多、水野哲志、奥村門土、中島セナ、佐々木蔵之介、工藤夕貴、池松壮亮、初音映莉子、村上淳、西田尚美、佐野史郎、菊地凛子、永瀬正敏

ストーリー

火葬場で出会った中学生のヒカリ(二宮)、イシ(水野)、タケムラ(奥村)、イクコ(中島)の4人は、両親を亡くしても泣けなかった。彼らは心を取り戻すために、それぞれの家を巡り、バンドを結成する。ゴミ捨て場で撮影した映像が社会現象となり、一躍有名になる4人だが、思わぬ運命に巻き込まれる。

コメント

火葬場でヒカリは語る「ボクは泣いたことがない」。昭和の時代に井上陽水は中森明菜に「私は泣いたことがない」と歌わせた。長久監督の描く令和のキッズのセリフにはいったいどのような意味が込められているのだろう。

「エモいって古っ!ダサッ」。エモが古いと言われる今、両親を亡くした子供は何になるのか。感情を亡くしたまま、斎場で動き出し、リトルゾンビーズになるのだろうか。旧約聖書のヨブ記では、自分の子供を神にささげたヨブが信仰を試され煉獄をめぐる。自分の両親が天に昇るのを見届けたリトルゾンビーズは懐かしの8ビットRPGに擬した現世をめぐる。何を求めて?現世には「おお、死んでしまうとは何事だ!」と言って復活させてくれる王様も、戦う前に「世界の半分を分けてやろう」と持ち掛けてくるラスボスもいない。草むらから飛び出てくるピカチュウもいない。いるのはせいぜい誰かをはめようと考えて無責任にネットで騒ぐ浮世雀くらい。

だけど、エモって本当にもう古いのかな。それって自然なのかな。(友)

ゲスト紹介

長久 允 監督

Nagahisa Makoto

1984年生まれ、東京都出身。広告代理店にてCMプランナーとして働く傍ら、映画、MVなどを監督。2017年、脚本・監督を務めた『そうして私たちはプールに金魚を、』が第33回サンダンス映画祭ショートフィルム部門にて日本人史上初めてグランプリを受賞。そして本年、第35回サンダンス映画祭審査員特別賞を受賞した長編映画デビュー作『WE ARE LITTLE ZOMBIES』を6月に公開。第32回東京国際映画祭のJapan Nowのプログラムに選出されるなど国内外の注目を集めている。

奥山 大史 監督

Okuyama Hiroshi

1996年生まれ、東京都出身。青山学院大学卒業。在学中に監督した短編映画『Tokyo 2001/10/21 22:32 ~ 22:41』(2018年、主演:大竹しのぶ)が第23回釜山国際映画祭に出品。監督・脚本・撮影・編集を行った初長編作品『僕はイエス様が嫌い』(19年)がサンセバスチャン国際映画祭において最優秀新人監督賞を史上最年少で受賞すると共にストックホルム国際映画祭・ダブリン国際映画祭で最優秀撮影賞を受賞する。

プログラム一覧

成田凌氏、今泉力哉監督、木村和平氏(写真家)
前田敦子氏、黒沢清監督
河村光庸プロデューサー 松崎健夫氏(映画評論家)※ビデオメッセージあり(シム・ウンギョン氏、藤井道人監督)
山戸結希監督、志磨遼平氏(ドレスコーズ)
横尾初喜監督、井浦新氏
鈴木卓爾監督、あがた森魚氏(ミュージシャン)、井浦新氏、大森元気氏
鈴木洋平監督、柳英里紗氏、杉原永純氏(元YCAMキュレーター、映画キュレーター、プロデューサー)
アンジャリ<八尋美樹>氏(インド楽しいこと案内人)
佐藤零郎監督、渥美喜子氏(gojo/映画ライター・シネ砦集団代表)
中原仁氏(音楽プロデューサー)
石井達也監督、根矢涼香氏、松崎健夫氏(映画評論家)
寺尾紗穂氏(音楽家・文筆家、「原発労働者」著者)
丸山昇一氏(脚本家)
杉田協士監督、宮崎大祐監督
団地団
坂本浩一監督、山本千尋氏
今泉力哉監督、北條誠人氏(ユーロスペース支配人)
長久允監督、奥山大史監督
宇賀那健一監督、山口明氏(デザイナー)