明治十年西南戦争 ―― 日本最後の聖戦に挑んだ男たちがいた。幕末維新を駆け抜けた薩摩の快男児、中村半次郎の波乱万丈の生涯。クロージング特別無料上映にてお届けします。
12月1日(日) パルテノン多摩小ホール 第2部
幕末の京都に新撰組さえ恐れる薩摩の侍がいた。その名を中村半次郎(榎木)、後の桐野利秋。西郷隆盛(田中)との運命の出会いから、めきめき頭角を現した半次郎は、明治の世になると陸軍少将まで登りつめる。明治6年、征韓論に敗れた西郷は下野し、多くの信奉者たちは従った。もちろん半次郎もその1人。明治政府の腐敗ぶりは薩摩の青年たちが爆発したのを止められず、西郷や半次郎は不利を承知で反政府の旗を揚げた。明治10年9月24日男たちは最後の突撃を敢行する。
「時代劇振興を目指す榎木孝明氏」
1989年夏カナダ・カルガリー郊外・角川映画『天と地と』のロケ現場、大草原を銀色の甲冑で身を固めた貴公子が白馬に跨り疾駆してくる。榎木氏演じる上杉謙信の登場であった。正に威光を備え美丈夫な、そしてピュアな精神性と古武士の風格を感じさせる代官様がそこにいた。
そのピュアな精神性を持った榎木氏は、時代劇映画の衰退を憂い「時代劇は日本文化のアイデンティティだ。一度消えてしまっては甦る可能性はなくなってしまう、知と技の集団を継承しなければ」との思いで、自ら企画し『半次郎』を制作した。
「本来日本人は精神性の高い民族だ。たとえ戦に負けても、犠牲を払っても捨てちゃあならんものがある。オイどんが戦う意味は必ずや誰かに届く」と作中で話す半次郎を通し、「日本人の誇りとは何か」と時代劇振興を訴える榎木氏自身がタブって迫ってくる。榎木氏は今、時代劇振興を各方面に働きかけ、振興会を立ち上げて活動している。(浜)
ゲスト:榎木孝明氏 司会:丸山ひでみ氏
1956年生まれ、鹿児島県出身。武蔵野美術大学デザイン科に学ぶ。劇団四季に入団後、81年「オンディーヌ」で初主演。NHK朝の連続テレビ小説「ロマンス」主演でテレビデビュー、その後、映画『雪の断章』(85年)『天と地と』(90年)『HAZAN』(2003年)『桜田門外ノ変』(10年)NHK大河ドラマ「功名が辻」(06年)「篤姫」(08年)など、得意の殺陣を生かした時代劇から現代劇まで映画・テレビ・舞台と多方面で活躍する。アジアを中心に世界各地を旅し、水彩画を描き続ける画家としても知られる。
テレビドラマ「ナッキーはつむじ風」でデビュー。時代劇「水戸黄門」、小林桂樹の娘役を18年間演じた「牟田刑事官事件ファイル」や「特捜最前線」など多数のテレビドラマに出演。舞台では「和宮様御留」「放浪記」など。近年は演劇集団・東京みかん「金子みすゞの世界」「金子みすゞ生誕110年記念公演」、朗読劇「杉並物語」、BSフジ「名作を旅してみれば」など。2013年「金子みすゞを歌う」では歌声も披露。ディナーショー・映画祭・セミナーなどで司会も行う。一般社団法人「日本映画俳優協会」副理事長。
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