石井監督が紡ぐ幻想的な映像と音楽に、今をときめく俳優陣の演技が映える!第5回TAMA映画賞最優秀新進女優賞受賞の黒木華さんと刈谷友衣子さんの演技は必見!
12月1日(日)ベルブホール 第1部
選ばれた女性の胸にのみ咲く「シャニダールの花」。花の成長をケアする施設を舞台に、植物学者の大瀧(綾野)とセラピストの響子(黒木)は、花を宿した女性たち(刈谷ら)と触れ合いながら、花の成長に誘われるかのように惹かれあう。美しくも危険な魅力を漂わせる「シャニダールの花」が人々を惑わせていく。
女性の胸に咲く花にどんな意味があるのだろうか。
人は花を愛で、日常のなかに花があるだけで幸せにさえ感じる。愛情を込めて、ときには、鎮魂のために、人は花を贈る。花を見た人はその花がまとう感情を見て同調し、きれいだと感じる。花は人の生活に根付いている。
『シャニダールの花』というタイトルは、イラクのシャニダール遺跡に由来する。その花は遺体に献花されたものであるとされ、「人類の“心”が発生した瞬間だと言われている。花と人間の関係性を語る上で象徴的な事件」(石井監督)という説もある。その一方で、作中ではもう1つの恐ろしい説も披露される。その暗示なのか、不気味で生々しい花の接写映像が意味ありげに挿入されている。人に寄り添う花と、恐ろしく不気味な花。花に込められた二面性はラストシーンと相まって観衆につきつけられ、観衆を戸惑わせる。
そんな花に対峙する女性を、第5回TAMA映画賞最優秀新進女優賞の2人、黒木華さんと刈谷友衣子さんがどう演じているのか。こちらも見どころである。(遠)
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