11月24日(月・祝)パルテノン多摩 小ホール 第1部
ENGLISH VINGLISH
シャシ(シュリデヴィ)は2人の子供と忙しいビジネスマンの夫のために尽くす、ごく普通の主婦。そんな彼女の悩みは家族のなかで、自分だけ英語ができないこと。ことあるごとに家族にからかわれ、傷つき不満の毎日だった。そんなある日、彼女はニューヨークで英語学校に通うことになり、新しい第一歩を踏み出す。
派手なアクション、ダンスのインド映画のイメージを覆した、感動エンターテインメント作品。“英語ができない”……英語圏以外の人は、一度は悩んだことがあるのではないだろうか。主役のシャシもそのうちの一人。彼女は普通の主婦として幸せな生活を送っていたが、“英語ができない”だけなのに、自分に自信がもてなくなってしまう。そんな繊細な気持ちを大女優シュリデヴィが上手く表現している。だが、そんな彼女にもニューヨークで英語学校に通うという転機が訪れる。
苦手なことを払拭すべく新しいことに挑戦する彼女だが、がんばらなくても、家族を大切にする、お菓子作りの達人などの彼女らしい良さを持っていて、その大切さに気が付き始める。だれもが本来持っている“自分らしさ”に気が付けば、自分に自信が持てて、自分のことがもっと好きになれるかもしれない。そんな気持ちにさせてくれる作品だ。(中井)
MISS GRANNY
口が悪くて頑固な70歳のオ・マルスン(ナ・ムニ)。そんな彼女の自慢は、女手一つで大学教授にまで育てた上げた息子だった。マルスンは、ある日写真館で写真を撮影すると20歳に若返ってしまう。マルスンはオ・ドゥリ(シム・ウンギョン)と名乗って別人としての生活を始める。歌の好きなマルスンは実の孫のバンドでボーカルとして活躍するが……。
タイムトラベルや本作のような若返りを扱った映画では、世代間のカルチャーギャップから生じる笑いと、どのような理由及び方法で元の時代や年齢に戻るかが重要なカギとなる。
そういう意味では決して斬新なストーリー展開を見せる作品ではない。が、本作はベタだけど繰り返されるギャグシーンや親子愛、家族愛までを含めた幅広く丁寧な作りであるがゆえに、観るものを魅了する力を持っている。
主人公オ・ドゥリを演じたイモトアヤコ似のシム・ウンギョンは、見た目は20歳だけど中身は70歳という役柄を好演していて、最初は非常におばさん臭く見えるが、物語が進むにつれてどんどん魅力的に輝いてくる(ちなみに次作では“のだめ”を演じるらしい)。
唐突なストーリー展開や細かい設定などは突っ込みどころがいっぱいだが、最後のシャレたオチまで含めて笑って泣ける愛すべき作品だ。(吉)
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