上映作品

二階堂ふみ特集

11月23日(日)パルテノン多摩 小ホール 第2部

15:00-17:05
ほとりの朔子
17:20-19:29
私の男
19:40-20:20
トーク
ゲスト:二階堂ふみ氏、太賀氏

チケット料金

  • 一般 前売:1,200円 / 当日:1,400円
  • 子ども(4歳~小学生)前売:800円 / 当日:900円

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ほとりの朔子

  • 2013年/日本・アメリカ/和エンタテイメント配給/2時間5分
  • 監督・脚本・編集・コプロデュース=深田晃司
  • 製作総指揮=小野光輔、足立誠、宮田三清、奥山和由
  • 製作=杉野希妃
  • 撮影=根岸憲一
  • 音楽=徐 敬太
  • 出演=二階堂ふみ、鶴田真由、太賀、古舘寛治、杉野希妃、大竹直、小篠恵奈、想田和弘

ストーリー

大学浪人中の朔子(二階堂)は、インドネシア地域研究学者である叔母の海希江(鶴田)の誘いで、海と山のほとりの避暑地を訪れる。そこで海希江の幼なじみの兎吉(古舘)とその娘の辰子(杉野)と、兎吉の甥で福島から避難してきている孝史(太賀)と出会う。子供と大人のほとりにいる朔子が、大人たちのなかで人生の複雑さを少しだけ垣間みる夏物語。

コメント

かき氷がイチゴ味なのかブルーハワイ味なのか、朔子が大人なのか子供なのか、血が繋がっているのか他人なのか、兎吉の運営するホテルがビジネスホテルなのかラブホテルなのか、外国は近いのか遠いのか、孝史が笑っているのか泣いているのか。

数々のわかりやすさを巧妙にすり抜けて、即興なのか台本通りなのかわからない演出とともに、きわめて曖昧に複雑に人々の営みを多義的に描く。一方で、海希江が朔子に「人も国も同じ」と穏やかな海辺を歩きながら他者について話し、人間関係と国際関係の共通性を暗喩する。

東京からの避暑と福島からの避難が出会い、駆け落ちのように飛び出し、最後に行き着いた先が、山奥のカフェで観たパントマイムとそれに魅入る人種も異なるさまざまな人々の姿だった。偶然居合わせた他者たちが、一つのものをそれぞれの形で切実に共有しているようにみえた。

それはまるで、そうではないこの世界のなかで、こうであってもいいと願う、祈りのようなシーンだった。(半)

私の男

※この作品は15歳未満の方のご鑑賞はできません

  • 2013年/「私の男」製作委員会製作/日活配給/2時間9分
  • 監督=熊切和嘉
  • 原作=桜庭一樹
  • 脚本=宇治田隆史
  • 撮影=近藤龍人
  • 音楽=ジム・オルーク
  • 出演=浅野忠信、二階堂ふみ、高良健吾、藤竜也、モロ師岡、河井青葉、山田望叶、太賀

ストーリー

奥尻島を襲った大地震による津波で家族を亡くし、10歳で孤児となった少女・花(山田・二階堂)は、遠縁の男・淳悟(浅野)に引き取られる。ともに孤独な2人は北海道紋別の平穏な田舎町で暮らしていたが、ある日、流氷の上で起こった殺人事件が報じられる。そのニュースを聞いた2人は、逃げるように町を後にするが……。

コメント

作家・桜庭一樹による直木賞受賞作の映画化。第36回モスクワ国際映画祭コンペティション部門で最優秀作品賞と最優秀男優賞を受賞している。

禁断の愛がテーマと先入観を持って観た作品だったが、花と淳悟にとってはそれの何がいけないのかとでも言うようなほど、二人の愛し合いかたに罪の意識は消える。花と淳悟からは空虚さと艶やかさが素晴らしく美しいバランスで醸し出されており、その崇高さから、作品のなかの登場人物と一緒に私も二人から遠ざけられ、しかしその世界からは離れられないような閉塞感が残り、観終えたあとも現実世界になかなか戻れなかった。

この作品で、二階堂ふみは花という一人の女性を演じながらもさまざまな顔を見せる。高校の同級生と無邪気にはしゃいでいるかと思えば、淳悟の恋人・小町(河井)には不敵な笑みを見せ、少女と女の表情を行き来する。すべての表情に説得力があり、彼女の底知れぬ才能を感じさせる大作である。(細)

トーク

ゲスト:二階堂ふみ氏、太賀氏

二階堂 ふみ 氏
Nikaido Fumi

1994年生まれ、沖縄県出身。2009年『ガマの油』で映画デビュー。11年『劇場版 神聖かまってちゃん/ロックンロールは鳴り止まないっ』で初主演。12年『ヒミズ』でヴェネチア国際映画祭最優秀新人賞受賞。以降、TVドラマや映画に出演。13年『脳男』『地獄でなぜ悪い』『四十九日のレシピ』でブルーリボン賞助演女優賞などを受賞。14年『ほとりの朔子』『私の男』『渇き。』などに出演。最新作は『日々ロック』。

太賀 氏
Taiga

1993年生まれ、東京都出身。2007年『フリージア』で映画デビュー。『那須少年記』(08年)で初主演。『孤高のメス』(10年)『アントキノイノチ』(11年)『桐島、部活やめるってよ』(12年)『男子高校生の日常』『人狼ゲーム』(13年)に出演。朝の連続ドラマ小説「あまちゃん」(13年)でも活躍した。本年は『ほとりの朔子』『MONSTERZ モンスターズ』『私の男』『スイートプールサイド』など多数出演した。

プログラムレポート

『ほとりの朔子』(深田晃司監督)と『私の男』(熊切和嘉監督)の上映後、両作品で共演された二階堂ふみさんと、太賀さんとトークが行われました。

トークが始まると満員のホールで緊張してしまったのか太賀さんが固い表情を見せていると、ふみさんが間一髪「緊張してんじゃねーよ」と軽くパンチして太賀さんの緊張をほぐし、場を和ませました。会場のお客さんは、そのやりとりに二人の仲の良さを感じたのではないでしょうか。

トークでは、共演した作品の撮影中のエピソードや、共通の友人である染谷将太さんの話、第3回TAMA映画賞で『歓待』の深田晃司監督と初めて会ったことが『ほとりの朔子』が生まれるきっかけだったことなど色々と話しました。

また、これからの希望として、「深田監督の最新作に出演したい」、「海外の監督だったらキム・ギドクの作品に出演したい」、「二人で映画を観に行くならグザヴィエ・ドランがいい」などを話しました。

トークの後には、二階堂ふみさんの第6回TAMA映画賞最優秀女優賞の授賞式を執り行ない、本年度最も心に残った女優として表彰しました。最後にふみさんと太賀さんのレアな2ショット撮影で幕を閉じました。

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