上映作品

残されたわたしたちは。――終わりと始まりの時間に――

11月23日(日)ベルブホール 第2部

13:00-15:31
わたしたちに許された特別な時間の終わり
<山形国際ドキュメンタリー映画祭上映バージョン>
15:40-16:20
トーク
ゲスト:太田信吾監督(スカイプ)、土屋豊プロデューサー、犬童一心氏(映画監督/CMディレクター)

チケット料金

  • 一般 前売:1,200円 / 当日:1,400円
  • 子ども(4歳~小学生)前売:800円 / 当日:900円

e+(イープラス)チケット情報 / 子ども共通券

わたしたちに許された特別な時間の終わり
<山形国際ドキュメンタリー映画祭上映バージョン>

  • 2013年/MIDNIGHT CALL PRODUCTION製作/ノンデライコ配給/2時間31分
  • 監督・製作・脚本・編集・撮影=太田信吾
  • 共同製作=土屋豊
  • フィクションパート撮影=岸建太朗
  • 音楽=青葉市子
  • 出演=増田壮太、冨永蔵人

ストーリー

10代から才能があると言われ、音楽での成功を夢見ながらも27歳という若さで自殺したミュージシャンの増田壮太。その活動をカメラに収め続けてきた友人・太田信吾監督が、彼の遺言どおりに映画を完成させることを決意。生前の姿を記録した映像と死後の世界を描いたフィクション映像を織りまぜながら、表現とは、自由とは何かを問いかける。

コメント

増田壮太さんが現実と理想の間でもがき苦しむ姿は、どこかで自分と重ねてしまい、胸がえぐられるほど辛かったです。才能が、音楽が、彼を輝かせ、彼を苦しめ、そして死へ。何か別の方法はなかっただろうか……。また同時に、私は増田さんのように全身全霊で生きているか?と考えずにはいられませんでした。かたや彼と一緒にバンドを組んだ冨永蔵人さん。二人の対象的な生き様。世界をどう捉えるかも、選択も、すべては自分次第なのだ。

冒頭の「残された者たちの気持ちを考えずに自殺した」というセリフが強烈に突き刺さり、死は死であっても、死ではないと、妙に実感しました。

この映画を観た直後、言葉にできない感情でいっぱいでした。が、それでも生きる力を掻き立てられる、圧倒的なパワーに、精一杯生きることに向き合っていかなければと思いました。誰もが少なからず葛藤や悩みを抱え生きているからこそ、観て欲しい映画です。本作から多くのメッセージを受け取って下さい。(星)

トーク

ゲスト:太田信吾監督(スカイプ)、土屋豊プロデューサー、犬童一心氏(映画監督/CMディレクター)

太田 信吾 監督
Ohta Shingo

1985年生まれ、長野県出身。早稲田大学の卒業制作作品『卒業』(2009年)がイメージフォーラムフェスティバル2010で優秀賞・観客賞を同時受賞。また09年からは俳優としてチェルフィッチュの活動に参加。10年『三月の5日間』香港公演で初舞台を踏み、以後国内外での公演に出演。舞台と映画を横断して活動中。劇場公開処女作『わたしたちに許された特別な時間の終わり』(13年)は、山形国際ドキュメンタリー映画祭2013アジア千波万波部門に選出。

土屋 豊 プロデューサー
Tsuchiya Yutaka

1966年生まれ。90年頃からビデオアート作品の制作を開始。同時期に、インディペンデント・メディアを使って社会変革を試みるメディア・アクティビズムに関わり始める。主な監督作品に、『新しい神様』(99年)、『PEEP "TV" SHOW』(2003年)、『タリウム少女の毒殺日記』(13年)など。国内はもとより海外映画祭での受賞も多く、国際的な注目を集めている。ビデオアクト・主宰/独立映画鍋・共同代表。

犬童 一心 氏
Inudo Isshin

高校時代から自主映画を制作し『気分を変えて?』(79)がぴあフィルムフェスティバルに入選。『二人が喋ってる。』(95)で日本映画監督協会新人賞、『ジョゼと虎と魚たち』(2003)で第54回芸術選奨文部科学大臣新人賞、『メゾン・ド・ヒミコ』(05)で第56回芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。『のぼうの城』(12)では樋口真嗣監督と共同でメガホンをとり、日本アカデミー賞優秀監督賞を受賞。最新作『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』が11/22より劇場公開予定。

プログラムレポート

11/23映画祭2日目。ベルブホール第2部では「残されたわたしたちは。――終わりと始まりの時間に――」と題しまして、国内外の映画祭で高い評価を受ける『わたしたちに許された特別な時間の終わり~山形国際ドキュメンタリー映画祭バージョン~』を上映しました。本バージョンは、国内で約1年ぶりの上映となりました。

上映後のゲストトークでは、犬童一心監督と、作品の共同プロデュ―サ―の土屋豊さんにお越しいただきました。太田信吾監督は、海外公演の為スカイプでドイツより参加。大きなスクリーンに映しだされる監督の姿、それを囲むお二人のゲストトークは、また一味違った雰囲気でしたが、トークが進むにつれリラックスされたように、制作秘話や、作品に対する思いなど、40分のトーク時間があっという間に感じられるほど、様々な事を語っていただきました。作品をより深く共有できる場となりました。

犬童監督は、この映画の魅力を「うまくいかない事が輝いている映画」という言葉で表現されており、とても印象的でした。トークの途中には、出演者の富永蔵人さんにサプライズでご登場いただき、和やかなムードに包まれました。プログラム終了後のロビーでも、ご来場のお客様と交流もあり大変貴重な時間となりました。

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