皆に大人気のコナンとしんちゃんが今年もやってきました。笑いあり、涙あり、映画ならではの迫力をお楽しみください。
人気アニメ「クレヨンしんちゃん」劇場版第23弾。今作は、野原一家が春日部からメキシコへ引っ越すところから始まる。お馴染みのご近所さんや春日部防衛隊の仲間との別れは、子どもたちだけでなく「クレしん」を経て生きる大人たちをも切ない気持ちにさせられる。メキシコ、サボテン、ぶっとんだ設定だが、どこへ行っても“野原一家”である安心感を際立たせている。異国の地でも周りに人が集まり、自分たちの場所を作っていく姿に、私もこんなふうに生きたいなぁと思わされた。土地に固執する町長、スマホを手放せない女子高生、仮病を使って逃げるプロレスラー、そして春日部を離れた野原一家。せわしない毎日を生きるなかで、一人ひとりにとって大事なことや手放し難いものがある。それらのなかには意地やプライドも含まれるかもしれない。しかし人生には、本当に大切なものを守るために、誰かのために、それらを手放す勇気を持つときが来る。そんなとき、この作品を観れば野原一家が背中を押してくれるだろう。(内音)
マンハッタンのオークションで、かつてゴッホが2番目に描き、日本で焼失したと言われる「ひまわり」の模写が出品された。鈴木財閥の相談役・鈴木次郎吉が3億円で落札しゴッホの「ひまわり」を7つすべて集めて日本で「日本に憧れたひまわり展」の開催を宣言し、毛利小五郎をはじめとする「ひまわり」を守るための7人のサムライを紹介する。その時、怪盗キッドが姿を現し、オークション会場を撹乱する。宝石しか盗まず人を傷つけない、これまでとは違うキッドのやり方に違和感を覚えるコナン。
警備にあたるコナンたちはキッドから「ひまわり」を守れるのか、いつもとは違うキッドに一体何があったのか。
本作はシリーズ最高興行収入を達成した人気作です。普段は少ししか出てこないキッドが存分に楽しめ、キッドファンにはたまらない作品です。また、いつもは紳士のキッドがダークヒーローとなり、普段とは違う魅力が画面から伝わってきます。
芸術の秋に至極のアートミステリーをお楽しみください。(黒暢)