江戸時代、貧しい生活のもと、人々は年貢や参勤交代、義理と人情に挟まれながら、それでも一生懸命生きていた。日本映画放送株式会社の協力で、時代劇専門チャンネルのオリジナル作品(『鬼平外伝 老盗流転』)を上映します。
かって盗賊・桑飼の弥右衛門一味に属する2人の盗賊、黒塚の駒吉と水鶏の松蔵。仲間を離れ他人として生きることにした。そして35年後、駒吉は徳兵衛(橋爪)と名を変え深川で女房・おもん(若村)と小間物屋・井筒屋を切り盛りしていた。ある日松蔵(國村)と偶然再会したが、松蔵が妙な話を口にするのだ……。
本作品は、時代劇専門チャンネルが本格時代劇の制作を始めた、鬼平外伝シリーズの4作目の作品です。
今回も前作に引き続き、ベテラン俳優2人(橋爪功・國村隼)と若村麻由美の出演で、江戸の町の小さな事件が、池波正太郎の世界で躍動します。人の心の闇や人生の非情さ、誰を信じていいのか解らない不安。黒塚の駒吉と水鶏の松蔵が掘割のところで約束したことが、35年後の再会で、また、思い起こされてきます。信じあえる人を持つことが、いかに大変で、時には命を懸けることになろうとは。2人の心には人には言えない、重く悲しい、しかしそれは、あの若き日の決断の時から解っていたことでした。掘割のシーンは、琵琶湖のほとりの、近江八幡市の八幡堀で撮影されたそうです。付近には、古い建物や城跡もあり、ぜひ一度は行ってみたいと思っています。
最後にもう一度2人が行き交う場面で、思わず大きなため息が出てしまいました。(岸)
享保20年、磐城国・湯長谷藩は1年の江戸への参勤から久々の故郷に帰ってきた。ところがすぐさま「5日以内に再び参勤せよ」と命じられる。江戸までは通常8日かかり、5日以内の参勤交代は不可能だった。時間がない、カネがない、人もいない、おまけに道中を阻もうとする者がいるなか、果たして5日以内に参勤できるのか?!
時代モノが得意ではなく、恥ずかしながら参勤交代というものが何なのかも忘れてしまっていたが(学校で習ったはず)何の問題もなかった!細かい知識なんてなくても最初から最後まで誰もが存分に楽しめる、テンポの良さが光るポップな時代劇なのである。何と言ったってタイトルに「超」がつくのだから。
藩や民を守るため藩士たちが奇想天外な作戦で参勤交代を成功させようと奮闘するさまは痛快で、ほろりとする人情も織り込まれていてもちろん殺陣もある。映画館を出た後、スキップしたくなるような爽快感に満ちたことを覚えている。
お人好しの愛すべき藩主・内藤政醇(佐々木蔵之介)、無茶ぶりされる知恵者の家老・相馬兼嗣(西村雅彦)、リーダー格の藩士・荒木源八郎(寺脇康文)をはじめ、キャラクターがたいへん愉快なのも魅力のひとつ。家老・相馬兼嗣への無茶ぶりっぷりがもうたまらない。とてもじゃないが笑いなしでは観られなかった。だってあんな姿に……!(麻)
365日、時代劇だけをお送りする日本で唯一のチャンネルとして、スカパー!や全国ケーブルテレビなどで絶賛放送中。平日は「暴れん坊将軍」「遠山の金さん」「必殺」シリーズ、大河ドラマなどの人気時代劇を連日放送、週末は「鬼平犯科帳」「剣客商売」の『池波正太郎劇場』に加え、「桃太郎侍」「大岡越前」、国民的アニメ「まんが日本昔ばなし」を放送中。さらに、最新時代劇情報をお届けする「時代劇ニュース オニワバン!」や、今秋よりオリジナル時代劇「藤沢周平 新ドラマシリーズ」も放送スタート!また、全作品100%字幕放送しており、耳の不自由な方や高齢で耳が聞こえづらくなった方々にもお楽しみ頂けます。
ご視聴方法等の詳細は日本映画放送お客様窓口0570-200-262(10時~18時・年中無休)まで。