プログラムレポート

ミンシュシュギの国・ニッポン

11月29日(日)ベルブホール
  • 14:30-16:50
    三里塚に生きる
  • 17:00-19:09
    戦場ぬ止み
  • 19:10-19:50
    トーク ゲスト:金平茂紀氏(キャスター)、津田大介氏(ジャーナリスト)、元山仁士郎氏(SEALDs)

お客様には2時間を超える2作品をご鑑賞いただいた後、ゲストのお三方がご登壇。自己紹介を兼ねて、作品の感想を述べていただきながらトーク開始。

20代の元山仁士郎さんは「『三里塚に生きる』は日常生活を描いている。自分たちも、普通に日常生活を送りたいけれど…」と、SEALDs及びSEALDs RYUKYUの中心メンバーとしての感想を述べられました。40代の津田大介さんは「沖縄は2年ぐらい前から気になっていて取材に行っている。2015年は大変なことになると思っていた。三里塚は、東京のすぐ近くで、沖縄で起きていることが起きていると思った。作品を観て、人の心の尊厳まで折ることはできないと思った」とのこと。60代の金平茂紀さんは「入社当時、成田はニュースの中心だった」と40年前を振り返りながら、作品に出てこられる農民の方や写真家の方、また『三里塚』のもう御一方の監督・大津幸四郎さん(2014.11.28没)への思いも述べられました。

2015年、何度も話題になったSEALDsメンバーの若い元山さんのお話を軸としながらトークは進みました。元山さんはSEALDs RYUKYUを立ち上げる前に「ゆんたくるー」という、自分のように若い人たちが話せる機会、いられる場所をつくろう、という活動をされていて、お友達の紹介でアメリカ兵も来られることがあったそうです。沖縄出身の元山さんは、沖縄にいた頃は米軍基地があることがあたりまえだったけれど、進学のため上京した直後に3.11のあの震災が起こり、それがきっかけでいろいろ考え行動するようになったとおっしゃっていて、津田さんがおっしゃった「3.11以降、あの震災に影響されてない表現はない」ということとも重なったように思います。

SEALDsについて金平さんからは「一人称の言葉、自分の言葉でしゃべっている」と、若い彼らの何が多くの人たちを惹きつけたのかが話され、元山さんは「日常生活をフツーに送っている中で、政治参加の仕方はないか、年長者たちのやり方はどこかダサい、ならば自分たちがカッコいいデモをやればいいと思った」とおっしゃり、個々人が自分で考え、行動することを大事にしているとも述べられました。

そもそも、政治とは生活と直結していて、人間は平等・自由を当たり前に求めるもの、そしてそれが政治であると金平さんはおっしゃり、民主主義というもの、2作品についても話は尽きることがありませんでした。

この日はお子さんからご年配の方まで多くのお客様にご来場いただき、ご感想も多くいただきました。長時間のプログラム、皆様、本当にどうもありがとうございました。