コンペティション

11月18日 「コンペティション」 (ヴィータホール)

●Time Table●
10:30−11:02
11:15−11:46
12:00−12:45
13:20−13:54
14:10−15:14
15:30−16:53
17:10−18:12
18:30−19:42
20:00−20:40
21:00−21:20
迷猫〜MAIGO
盗んだパンをちぎってあげる
君のゆく道は…。
GUNS N' ROSES
羽音
バンザイ人生まっ赤っ赤。
三面夢姿繪
オーライ
監督座談会
授賞式

迷猫〜MAIGO
2000年/32分/16mm
 
監督・脚本=山田英治
撮影=寺井政智
音楽=高木仁
出演=美月、大森南朋、和田緑郎、馬淵英里何
 
迷猫〜MAIGO
 
[作品紹介]
 抑圧された夫婦生活を送っている専業主婦が、夫に内緒で、ペットシッターのアルバイトを始める。ある日、彼女は仕事で全国ツアーに出るというミュージシャンの部屋にいく。彼女はハッとする。彼女が、以前関係のあった男だったからだ。男が旅に出ると、彼女はその部屋に入り、物色し、いろんなことを考える。好きだった男への未練、憎悪、嫉妬……。そして彼女は猫を誘拐しようと決意する……。
 
山田 英治(やまだ えいじ)監督

 1969年千葉県生まれ。93年早稲田大学卒業後会社員を続けるが、99年秋突然映画を撮りたくなり、休職生活へ。その間4本の短編を撮る。現在、2本の短編を撮影中。
 
[メッセージ]
 タイトルにあるように、この映画は、現実に迷い、空想に迷う女性の映画です。私は空想癖のある女性が好きです。どこか現実から遊離してしまっているキャラクター。でもそんな人でも現実となんとか折り合いをつけて頑張って生きている。私はこの映画で、その辺の感じを狙いました。いかがでしょうか?(ちなみに出演している猫が、撮影後、本当に「迷猫」になってしまいました。4週間後に戻ってきましたが……。私が飼っている猫なんです)

盗んだパンをちぎってあげる
1998年/31分/16mm
 
監督・脚本=斉藤玲子
音楽=あらじん
出演=有路有子、桂毅、海沼敦子、田栗昭芳
 
盗んだパンをちぎってあげる
 
[作品紹介]
 アイは学校ですれ違ったミカエリに突然に恋してしまう。告白できないアイは盗んだ物をミカエリに与えることで彼への愛を示そうとする。ある日、ミカエリがゼミ仲間の友子のことを好きなのではは勘ぐったアイ。友子には達也という彼氏がいる、アイは達也と友子を別れさせることが最後のプレゼントになると考えるが……。
 
斉藤 玲子(さいとう れいこ)監督

 1973年生まれ、埼玉県出身。98年ニューシネマワークショップ実践クリエイターコースで学び、実習製作として『盗んだパンをちぎってあげる』を製作。99年会社を退社して押井守監督の『AVALON』に編集助手として参加。「ガールズシネマ」というジャンルを立ち上げるため有路有子とのセルフプロデュースユニット<CINEMACINE>として活動開始。
 
[メッセージ]
 大切な人のために何かしたいけどまるでやり方が分からないってよくあることです。そんな風に見返りのない愛を追いかけた女の子。その不思議ワールドを甘く、色とりどりに作りました。
 想いは伝わる自分から飛び立たせれば!

君のゆく道は…。
2000年/45分/16mm
 
監督=松澤隆志
脚本=松澤隆志、大道優子
撮影=比嘉伸也、根本祐樹、田川祐子
出演=望月弘、高山和隆、ナスカ、鈴木康祐
 
[作品紹介]
 会社をクビになりタクシードライバーを始めたテツオはある日、車椅子の少年アキラと接触事故を起こしてしまう。同じ頃、元同僚で後輩のススムは、社内で風俗まがいの行為をするOLで、風俗嬢のバイトもしているレイコにつきまとった挙げ句、彼女を失神させてしまう。ひょんなコトから一台のタクシーに乗り合わすコトとなった四人。目的も定まらないまま、タクシーは夜の街を走り出す……。
 
松澤 隆志(まつざわ たかし)監督

 1974年宮城県生まれ。駒沢大学中退後、1年間のフリーターの生活を経て日本映画学校に入学。2000年3月に『君のゆく道は…。』を卒業製作として監督し、同校を卒業。
 
[メッセージ]
 今回、TAMA NEW WAVE での上映という機会をいただき、大変嬉しく思っております。
 「君のゆく道は…。」
 君のゆく道は 果てしなく遠い
 だのに何故  歯をくいしばり
 君はゆくのか そんなにしてまで
 この唄の通り、苦難の連続を経て完成した映画です。多くの方に楽しんでいただけることを、スタッフ一同願っています。

GUNS N' ROSES
2000年/34分/16mm
 
監督・撮影・脚本・制作=森克彦
録音=細沼直人
音楽=水野修一
スタッフ=坂美貴子、上麻里、藤井裕子、大目象一、古橋佳代
出演=田中修一、中本敏之、木村文、松田貴志、小沢たかし、三上裕昭、我孫子泉
 
GUNS N' ROSES
 
[作品紹介]
 「兄貴のいうことを聞け!」うだつの上がらないサラリーマン修一、プーの伸治。まったく異なる世界に暮らす2人が巻き込まれる数奇な運命!! 時代にとどめを刺すクロスロードムービー!! 「サラリーマンになれなかった僕の、サラリーマンへ捧げる映画です。」
 
森 克彦(もり かつひこ)監督

 1976年横須賀生まれ。高校時代にアメリカ(アイオワ州)へ一年間留学。96年日本大学芸術学部映画学科撮影コース入学。友人らと共に「映像集団Poo's Works」を結成。『少年ホームラン』(99年、DV)、『GUNS N' ROSES』を監督する。現在、ミュージック・クリップ制作会社で修行中。
 
[メッセージ]
 84年『サボテンブラザーズ』、90年『ビルとテッドの地獄旅行』、そして2000年『ガンズ アンド ローゼス』。バカコメディー映画のマスターピース登場!! 総予算60万円! 現像・森克彦! 16mmなのに8mmのような映像! ヘビーメタルな人生に愛と笑いを捧げます。

羽音
2000年/64分/16mm
 
監督・脚本=早川竜二
製作・脚本・照明=田中諭
撮影・脚本=甲斐公康
音楽=杉本優
出演=畑田晋治、外村道子、岩古悠子、田中栄
 
羽音
 
[作品紹介]
 冬がもうすぐ終わるそんな季節のある日、高校生のツトムは妖精と出会う。妖精と二人きりの世界に入ってしまったツトムは、一人で絵を描き、ますます他者との交わりを避けるようになる。干渉してくる社会との関係を絶って、ツトムは、ひたすら妖精を隠そうする。
 
早川 竜二(はやかわ りゅうじ)監督

 1976年生まれ。愛知県出身。96年に大阪芸術大学映像学科入学後、映画作りを開始。97年に初監督作品として『こんな日もある』(16mm)を製作。その後、16mm、VIDEOで何本かの短編を撮った後、卒業製作として初の長編『羽音』を完成させる。現在は次回作『ファミリーアフェアー』を準備中。
 
[メッセージ]
 私は現実世界のなかに存在している「メルヘン」というものは思想であると考えています。その「メルヘン」と現実との間に生じる歪み、折り合いのつかない世界を描こうとした時、映画『羽音』が生まれました。

バンザイ人生まっ赤っ赤。
2000年/83分/16mm
 
監督・脚本=中野量太
撮影=樋野友三、谷本幸治、村上木綿子、谷詩文
出演=山中康弘、沖ともみ、有山尚宏、古波津英隆
 
[作品紹介]
 高校生の圭太の母は、圭太が5歳の時難解な遺書を残して自らの命を絶っていた。ある日、圭太のクラスにハナが転校してくるが、ハナの兄もまた自殺していた。ハナは圭太を巻き込んで自殺斡旋のチラシを撒いて、自殺する人の心境を調べようとするが、なかなか仕事が舞い込んでこない。そんな折、二人は公園で一風変わった老人、修造と会う。修造は妻ののろけ話をして帰っていくが、翌日二人は修造の遺体を公園で発見する。
 
中野 量太(なかの りょうた)監督

 1973年生まれ、京都府出身。97年京都産業大学卒業後、日本映画学校入学。本作品にて日本映画学校「今村賞」受賞。2000年3月卒業後助監督をしながら、シナリオを執筆。ネット企画集団「プラネット・ラボ」所属。
 
[メッセージ]
 人は一人では生きていけない。自分たった一人で、自分は存在しているんだと考えるほど曖昧なものはない。自分を愛してくれる人、自分を笑ってくれる人がいて初めて自分で自分の存在を実感できるのだと私は思う。でも、どう存在するかは自分自身にかかっている。傷ついて、苦しんで、それでも少し笑って……。この映画を観て、たくさんのことを感じてほしい。登場人物たちのまっ赤な情念が、観る人の心に深く響くことを願っています。

三面夢姿繪
2000年/62分/16mm
 
監督=山崎達璽
脚本=大塚桃子、富永淳一、山崎達璽
撮影=望月里奈
音楽=野崎良太(Jazztronik)
出演=本橋雪江、渋谷育男、光宣、山本清、足立学
制作=A&E films / 日本大学大学院芸術学研究科
配給=A&E films
 
三面夢姿繪
 
[作品紹介]
 時は大正ロマンの頃、スランプに陥ったある3人の画家がいた。洋画界の大御所・藤島武二は、新たな画風を追求するあまり、絵筆を取れずにいる。責め絵師・伊藤晴雨は、江戸から密かに伝わる縛り絵に執着したため、世間から白眼視されている。一世を風靡する抒情派・竹久夢二は、最愛のモデル・彦乃の死に打ちひしがれている。そんな彼らの前に謎のモデルが現れる……。
 
山崎 達璽(やまざき たつじ)監督

 1974年、名古屋市生まれ。小学生の頃から8mmカメラを回し始める。94年、日本大学芸術学部映画学科監督コースに入学。卒業制作『夢二人形』(98・16mm)は、学生映画としては日本初となる「カンヌ国際映画祭」に正式出品され、内外から高い評価を受ける。2000年、大正ロマン三部作の完結篇となる本作を完成させ、芸術学修士号を取得。現在、「A&E films」を新たな拠点に活動している。
 
[メッセージ]
 私はこの作品で、女性解放という時流の力強さや脳天気さを描いたつもりです。当時の女性解放は、女性同士で吉原遊廓へ行ったり、カフェーで酒を飲んだりと、現代の視点ではとても歯がゆいのですが、そこがまた脳天気で底抜けに明るいのです。

オーライ
2000年/72分/16mm
 
監督・脚本=安田真奈
撮影=森達之
音楽=原夕輝
出演=三嶋幸恵、前田晃男、六車奈々、フランキー仲村
 
オーライ
 
[作品紹介]
 人付き合いをソツなくこなし、一人が一番楽だと思っているOL・結。ある日、高校時代の同級生・野木が、結あてのハガキを拾ったと訪ねてきた。汚れてしまって、差出人も読めないハガキ。野木は、差出人探しの探偵ドキュメンタリーを撮ろうと、結を強引に誘い出す。最初はうんざりしていた結も、差出人が旧友の夏乃とわかり、再会を喜ぶ。だが芸術家を目指す夏乃は、ある秘密を抱えていた……。
 
安田 真奈(やすだ まな)監督

 1970年生まれ、奈良県出身。神戸大学映画サークルで8mmを撮り始め、以来10年、メーカーに勤めながら撮り続けている<OL映画監督>。94年、97年、98年と3回のあきる野映画祭グランプリをはじめ、各地コンテスト入賞多数。主な作品に『忘れな草子』(96年、8mm)、『イタメシの純和風』(97年、8mm)、『わっつ・ごーいん・おん?』(92年、8mm)、『ヒトチガイ』(94年、8mm)など。
 
[メッセージ]
 関西でメーカーの会社員をしながら、年1〜2本、映画を撮っています、安田真奈と申します。この作品は、社会人になって人付き合いが薄くなってきたような気がしたことをヒントに、コミュニケーションをテーマに描きました。ハデさや奇抜さはない作品ですが、自分や回りの人に重ねあわせながらじっくりご覧いただけると幸いです。また、よろしければ、TSUTAYA他にてレンタル中の『イタメシの純和風』(98あきる野映画祭グランプリ)もお目通しください。今後とも、ヤスダマナの映画をよろしくお願い申し上げます。