11月30日 「戸田奈津子の特選映画シアター」 (やまばとホール)
●Time Table● | |
10:30−12:51 13:30−15:15 15:40−17:44 18:00−19:00 |
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン メイド・イン・マンハッタン 運命の女 戸田奈津子のシネマレクチュア |
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10:30−12:51 13:30−15:15 15:40−17:44 18:00−19:00 |
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン メイド・イン・マンハッタン 運命の女 戸田奈津子のシネマレクチュア |
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン CATCH ME IF YOU CAN |
2002年/アメリカ/UIP配給/2時間21分 |
監督=スティーブン・スピルバーグ 脚本=ジェフ・ネイサンソン 撮影=ヤヌス・カミンスキー 音楽=ジョン・ウィリアムス 出演=レオナルド・ディカプリオ、トム・ハンクス、クリストファー・ウォーケン、マーティン・シーン、ナタリー・パイ、エイミー・アダムス、ジェニファー・ガーナー |
[ストーリー] |
裕福な家庭に育ったフランク・アバグネィル・Jr(L・ディカプリオ)は、尊敬する父と美しい母に囲まれた幸せな高校生だった。が、父の事業の失敗で母は権力者に走り離婚。ひとりマンハッタンに出て、パイロットに成りすまし小切手の偽造を始め、医者、弁護士と、合衆国中を股にかけ、次々に巧妙に職業もこなし金も溢れるほど手に入れる。だが、追ってくるFBI捜査官カール(T・ハンクス)に、クリスマスには必ず電話をかけるのだった……彼の孤独を唯一知るカールとの、「愛ある」チェイスが始まった! |
[コメント] |
とにかく、久々にディカプリオが可愛い! 高校生役も初々しいし、パイロットの制服なんか、はまりすぎてキャーッ!っていう感じ。美人を山ほど引き連れた様子も、彼らしい。だけど、実は切ない場面もちらほら。母性本能をくすぐられる。それを、母性ならぬ父性で見抜いたトム・ハンクスの演技は、さすがです。トムがいるから軽い乗りのこの作品も、締まっている。追って、追って、逃げて、逃げて。これって、究極の愛の形? スピルバーグにしては、ちょっと手を抜いたかな? と思える作品ですが、文句なしに面白い。楽しんでください。 (夏) |
メイド・イン・マンハッタン MAID IN MANHATTAN |
2003年/アメリカ/UIP配給/1時間45分 |
監督=ウェイン・ワン 脚本=ケビン・ウェイド 撮影=カール・ウォルター・リンデンローブ 音楽=アラン・シルベストリ 出演=ジェニファー・ロペス、レイフ・ファインズ、ナターシャ・リチャードソン、スタンリー・トゥッチ |
[ストーリー] |
運命の出逢いは、いつも思いがけないときにやってくる。未来の大統領と噂される上院議員候補のクリス(R・ファインズ)が、純白のスーツに身を包んだマリサ(J・ロペス)と出逢ったのは、遊説中に宿泊したマンハッタンの五つ星ホテルのスイートルームだった。マリサの聡明さと美しさに、たちまち夢中になるクリス。けれども、彼は知らなかった。彼女が、このホテルで働く客室係であることを……。 |
[コメント] |
客室係のマネージャーに昇進するチャンスと、素敵な男性との出逢い。人生の転機と呼べる出来事に同時にぶつかったシングル・マザーのマリサが、悩み、時にはいらだち、とまどいながらもポジティブに自分を変えていく姿は、国を問わず、すべての女性の切なる思いと重なり、勇気をくれます。 クリスは端正な美貌に貴族的な物腰、そのうえ政界のサラブレッドでスマートで誠実。優しさ光る王子様と、マリサは1人息子を愛し、仕事に誇りを持ち、上司や仲間の信頼も厚い現代のシンデレラ。周囲のハートウォーミングな励ましもまた、心にグッとくるラブ・ストーリーです! (岡) |
運命の女 UNFAITHFUL |
2002年/アメリカ/20世紀FOX配給/2時間4分 |
監督=エイドリアン・ライン 脚本=アルヴィン・サージェント、ウィリアム・ブロイルズ・Jr 撮影=ピーター・ビジウ 音楽=ジャン・A・P・カズマレック 出演=リチャード・ギア、ダイアン・レイン、オリヴィエ・マルティネス |
[ストーリー] |
エイドリアン監督独特なタッチによるサスペンスドラマ。不倫を題材にした母の女として、母としての格闘。分かっているけど辞められない、脚をすくわれていく主人公を目前に、見るものに油断の隙を与えない。『危険な情事』を手がけたエイドリアン監督の送るヒューマン・サスペンスドラマの秀作。 |
[コメント] |
平穏な家族におきた妻の不倫、家族の危機。ごくありふれたストーリーが監督の腕で輝き始める。エイドリアン監督得意なEROTIC描写。視覚的・心理的両者において際どい! すべてにおいてギリギリの線でストーリーを展開させている所、観る者に油断の隙を与えない。観客の欲望に対する先見の明、場面の使い方は確信犯といえる。妻として、母として、女として格闘していく波乱劇。自分なら……と思うまもなく主人公の心理描写に吸い込まれていく。不倫、それは蟻地獄だろう。 (め) |
●ゲストの紹介 |
戸田 奈津子(とだ なつこ)氏 東京都出身。幼くして父親が戦死。映画好きの母親と勤め帰りに待ち合わせて色々な映画を観るうちに映画の日本語字幕に興味を持ち、翻訳の仕事をしたいと思うようになった。 津田塾大学英文科に進んでから、日本語字幕の第一人者である清水俊二氏に手紙を書いたが、いい返事はない。しかし、清水氏に最初に言われた言葉で、「映画字幕は翻訳にあらず。日頃から、全ての物事に興味を持ち、雑学博士となれ」は、今でも映画字幕作業の基本としている。 大学を卒業後、生命保険会社の秘書となるが、映画字幕の翻訳の夢が捨て切れず、1年で退社。翻訳のアルバイトを続けるうちに、清水氏の紹介で映画関係の翻訳、通訳の仕事が回ってきた。そして1970年『小さな約束』で翻訳家デビュー。以後『地獄の黙示録』『E.T.』『フィールド・オブ・ドリームズ』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『A.I.』など数々のヒット映画を手がける。特選映画シアターで上映する3作品も翻訳作品である。主な著書に「男と女のスリリング」(集英社)「字幕の中に人生」(白水社)がある。 |