個性派アニメーションへの誘い

11月22日 「個性派アニメーションへの誘い」 (ベルブホール)

●Time Table●
14:00−15:00
15:10−15:27
15:45−16:01
16:01−16:06
16:11−16:16
16:16−16:30
16:30−16:44

17:00−17:50
チェブラーシカ
空〜kuu〜
睡蓮の人
オモヒデ
いつでも微笑みを
朱の路
- 特別先行プレビュー -
白の路
トーク 村田朋泰監督

チェブラーシカ
CHEBURASHKA
1969・71・74年/ロシア/配給:チェブラーシカ/1時間4分
 
監督:ロマン・カチャーノフ
原作:エドワード・ウスペンスキー
  『チェブラーシュカとなかまたち』(新読書社)
 
チェブラーシュカ
 
[ストーリー]
 クマのようだし、おサルのようにも見えるけど見たことない不思議で可愛い動物、チェブラーシカ。初めてできた友だちは動物園に勤めるワニのゲーナ。(50歳。でもワニの世界ではまだ若輩者だとか。)アコーディオンと歌が得意で、チェブラーシカとはすぐに親友になりました。また、元KGBのスパイというふれこみもある、怪盗おばあさんのシャパクリャクにいたずらされたりもするのですが、みんなで楽しい毎日を過ごしています。

第1話 こんにちはチェブラーシカ(69)
第2話 ピオネールに入りたい(71)
第3話 チェブラーシカと怪盗おばあさん(74)
 
●プロフィール
ロマン・カチャーノフ監督

 1921年に生まれ、46年に連邦動画スタジオ(ソユーズムリトフィルム)の監督コースに入る。人形アニメーターとしてA・カラノーヴィチと共同で『老人と鶴』を製作し、58年に監督デビューを果す。代表的な作品『手袋』(68)は、犬を飼うことが出来ない女の子が毛糸の手袋で犬の散歩をしていたら、手袋が本当に犬になってしまうというファンタジックなパペットアニメーション。アヌシー国際アニメーションフェスティバルなどさまざまな賞を受賞する。その他にも革命のシンボルを語った『オーロラ』(73)や、81年に撮影された長編SF『第三惑星の秘密』など、長きに渡って活躍。(没年不詳)
 ロシアアニメ界の巨匠として知られる、ユーリ・ノルシュテイン(『霧につつまれたハリネズミ』他)の師にあたる人物で『チェブラーシカ』の制作にはノルシュテインも参加している。

What's“チェブラーシカ”?

 ロシアの国民的なキャラクター。“語源はばったりたおれやさん”という意味のロシア語。学問上正体不明な架空の動物です。おなかがへってオレンジを食べていたらオレンジと一緒に箱詰めされて南の国からロシアにやってきたんです。

空〜kuu〜
2002年/日本/17分
 
監督・脚本・制作=MAYA MAXX
制作=白組
音楽=中塚武(デリカテッセン・ミクスチャー)ほか
 
空〜kuu〜
 
[ストーリー]
 彼の名前は「空」、仕事は「やられ屋」。
 人を愛さず、多くの人を苦しめた王は、「やられ屋」の青年として生まれ変わった。
 他人から何度も殺され、永遠の命と苦しみのなかを生きる彼と、その前にふいに現れた小さな犬。ささやかな幸福。憎しみ。小さな死。そして、ひとを愛すること……。
 テーマは『生と死』。アーティストMAYA MAXXが40年生きてきて、40年なりの生と死についての想いを表現した初オリジナル・アニメーション作品!
 
●プロフィール
MAYA MAXX(まや まっくす)監督

 1961年生。愛媛県出身。早稲田大学教育学部を卒業後独学で絵を描き始める。93年の初個展以来毎年欠かさず開催し、2003年には個展『Lamia Ink.』をN.Yで開催(6.18〜28)。吉本ばななの本の表紙やCHARAのCDジャケット、そしてテレビ出演や講演会など、イラストにとどまらず幅広く活躍中。作品集に『MAYA MAXX MEETS ME』ほか。
 『空〜kuu〜』はMAYA MAXX 初の本格アート・アニメーション作品。

村田朋泰の世界
 
 プログラム『個性派アニメーションへの誘い』を組むにあたって、ある作家の特集なしにはなりたたないと考えた。その作家の名は村田朋泰。今もっとも動向が気になる注目株の若手映像作家である。村田氏が制作したMr.Children「HERO」のPVは多くの方がご覧になったのではないだろうか。今回の特集では新作『白の路』の先行プレビュー上映を中心に、珠玉の5作品を上映。観た後、こころにポッとあたたかい何かを与える村田作品。どこか懐かしい、情感たっぷりな映像美を存分に楽しんでください。
 きっとあなたのこころにも、あたたかいともし火を与えてくれるでしょう。

What's “路シリーズ”?

 “路”シリーズは村田氏が大学時代に制作した『朱の路』、今回先行プレビュー上映する新作『白の路』、そして、現在制作中の『藍の路』へと続く、全5部作となる大作。
 『朱の路』は“路”シリーズ第4部にあたり、主人公のピアニストの成功と苦悩とともにある様々な思いをつづる物語。新作『白の路』はピアニストとして成功したが、同時に何かが失われて、原点を見つける旅にでる……。ピアニストの幼少の頃のエピソードを描いた“路”シリーズ第2部にあたる物語。そして制作中の『藍の路』は、“路”シリーズの第1部になるという。ゆっくりと村田氏個人の時間軸で作り続ける“路”シリーズ。
 今後のゆくえが楽しみである。

上映作品
『睡蓮の人』(2000/16分)
『オモヒデ』(2001/4分30秒)
『いつでも微笑みを』(2002/5分)
『朱の路』(2002/13分20秒)
『白の路』(2003/14分30秒)
 
睡蓮の人 オモヒデ
 
いつでも微笑みを -

●ゲストの紹介
村田 朋泰(むらた ともやす)監督

 1974年7月4日生まれ。2002年東京芸術大学大学院修了。大学在学中に制作した『睡蓮の人』で第5回文化庁メディア芸術アニメーション部門優秀賞受賞。ぴあフィルムフェスティバルで審査員特別賞。同大学院修了制作『朱の路』では第9回広島国際アニメーションフェスティバルで優秀賞を受賞。他数々の賞を受賞している。
 また美術館やギャラリーでの個展開催やMr.Children 「HERO」のPVを手がけるなど、その活動は多岐にわたり各方面より注目を浴びている。
 
メッセージ

 TAMA CINEMA FORUM は今回でもう13回目になるんですね。13回目、初のアニメーション特集をしたいとのお声がかかり参加させていただきました。
 今回トークもさせていただきますが、先に断っておきますが自分はアニメーションという世界で育ってません。ほとんどが独学なので、かなり片寄った制作をしています。だからアニメーションの話しはあまりできません。自分はただ、なにかを表現したかっただけなんです。その形がアニメーションだったというわけです。
 この映画祭を運営している方々も、表現することにこだわり、試行錯誤を経て今日まで続いているんだなと思います。
 やりたいことを貫くのはしんどいこともあります。でもやり遂げたとき、なんとも言えない感動があります。そんな気持ちの人たちといっしょの時間を過ごせることを楽しみにしています。