野球狂伝説

11月29日 「野球狂伝説」 (ベルブホール)

●Time Table●
13:00−14:27
14:45−16:10
16:25−17:58
地獄甲子園
ドカベン(実写版)
野球狂の詩(実写版)

地獄甲子園
2002年/メディア・スーツ、クロックスワークス、スープレックス製作/クロックワークス配給/1時間27分
 
監督=山口雄大
原作=漫☆画太郎
脚本=桐山勲、山口雄大
脚本協力=漫☆画太郎、石井輝男、北村龍平、高津隆一
撮影=古谷巧
音楽=矢野大介
編集=掛須秀一
出演=坂口拓、伊藤淳史、谷進士、蛭子能収、小西博之、永田耕一
 
地獄甲子園
 
[ストーリー]
 野球十兵衛(坂口)の転校先である星道高校野球部は、甲子園への出場が期待されていた。ところが、初戦でルール無用の野球で知られる外道高校と対戦することになってしまい、選手全員が死んでしまう。生き返った十兵衛は補欠選手メガネ(伊藤)やその母親、メカとなって甦ったゴリ主将らを集めてチームを再編する。
 そして、彼らは外道高校との再試合に挑むが……。
 
[コメント]
 昨年のワールド・カップイヤーには素晴らしきサッカー映画『少林サッカー』が公開され、そして阪神タイガースが18年振りに優勝した今年には素晴らしき野球映画『地獄甲子園』が公開された。やはり、世の中のできごとには色々と因果関係があるのだ。
 それにしてもこの映画はバカバカしさを超えて素晴らしきバカバカしさになっている。この素晴らしさは山口監督やスタッフ、出演者の力が結集して実現できたものであろうが、それ以上に素晴らしいのは、やはり原作の漫☆画太郎先生だ(ちなみに正確には☆の中にFの字が入ります)。
 漫☆画太郎先生ありがとう、素晴らしい映画の原作を作ってくれて……。
 最後に「はうあ!!!」。 (治)

ドカベン
1977年/東映製作・配給/1時間25分
 
監督=鈴木則文
原作=水島新司
脚本=掛礼昌裕
撮影=出先哲也
美術=藤田博
音楽=菊池俊輔
編集=田中修
出演=橋本三智弘、高品正弘、永島敏行、マッハ文朱、佐藤蛾次郎、水島新司
 
ドカベン
 
[ストーリー]
 神奈川県の明訓高校に転校してきた山田太郎(橋本)はクラスメートのバンカラで、葉っぱをくわえた岩鬼と柔道部に入部することになるが……。県大会で太郎が対決することになった相手は、太郎にとっていわくつきの人であった。
 
[コメント]
 国民的マンガ『ドカベン』を映画化したが、あまり話を省略せず、そのまま第1巻からの内容のため野球シーンがあまりない……。マンガ世界を大切にしつつ原作を忠実に再現したため、リアリティは結構無視。しかしそれがこの映画の面白さにつながっている。気合の入った特撮と気合の入った出演陣のなりきりぶり。
 しびれます! ひきこまれます! 最近いたる所で「トンデモ映画」として紹介されている本作品だけあって見所満載。オープニングに注目! (衣)

野球狂の詩
1977年/日活製作・配給/1時間33分
 
監督=加藤彰
原作=水島新司
脚本=大工原正泰、熊谷禄朗
撮影=前田米造
美術=川船夏夫
音楽=高沢信
編集=井上治
出演=木之内みどり、小池朝雄、桑山正一、谷啓、野村克也
 
野球狂の詩
 
[ストーリー]
 引退を撤回したメッツの大投手・岩田鉄五郎(小池)は、スカウトの尻間が見つけてきた武蔵野高校女子野球部の水原勇気(木之内)をドラフト第1位で指名。しかし、野球協約で女子はプロ野球の選手になれない。そんななか、鉄五郎と尻間と監督の五利は勇気をやっとの思いで口説き落とし、オープン戦で南海の野村と対決させる。
 
[コメント]
 水島新司原作のマンガの実写版である。当時、大学受験のため浪人をしていた頃であり、その勉強の合間に映画館へ足を運んだ記憶がある。興味はアイドル木之内みどりの野球をする姿、というより話題でもあったお風呂のシーンにあったのかもしれない。まあ、ストーリーよりなにより登場人物のキャスティングが見事であり、岩田役の小池朝雄、尻間役の谷啓、メッツの代表役の藤岡重慶、コミッショナー役の高木均、武藤役の鶴田忍、そして大阪アパッチの玄馬役の丹古母鬼馬二。まったくよく考えたものである。
 しかし、肝心の野球の場面はプレー姿、球場の雰囲気ともにまったく草野球なみである。しかしあの野村克也・現シダックス監督も南海ホークスの野村選手本人役で出演しているし、まあマンガよりもマンガっぽいドリームボールや出演者の姿を楽しむことで満足しよう。 (上)