11月25日 「戦後傑作時代劇選 Vol.2」 (やまばとホール)
●Time Table● | |
13:30ー16:21 16:40ー18:22 |
風林火山 次郎長三国志 |
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風林火山 次郎長三国志 |
風林火山 |
1969年/三船プロダクション製作/東宝配給/2時間46分 |
監督=稲垣浩 脚色=橋本忍、国弘威雄 撮影=山田一夫 音楽=佐藤勝 出演=三船敏郎、中村錦之助、石原裕次郎、佐久間良子、中村勘九郎、月形龍之介、緒形拳、志村喬 |
[コメント] |
井上靖の原作小説をベテラン脚本家、橋本忍と国弘威雄が脚色、稲垣浩監督が豪華な時代絵巻として完成した作品。稲垣監督は1920年代後半から活躍を始めた監督で、千恵プロ時代に、片岡千恵蔵、監督の伊丹万作などとともに明朗時代劇とよばれる作風をつくりあげ、映画史に一時代を画したことで知られている。さて、当時の大スターが共演しているこの作品の背景には以下のような事情がある。1950年代後半に頂点に達した戦後の日本映画に陰りが見え始めると、意欲的な監督、スタッフたちは次々に独立プロを設立し映画製作の一翼を担いはじめた。同じく黄金時代に活躍した大スターたちも自分たちのプロダクションを興して活路を見いだしていく。中村錦之助、石原裕次郎、勝新太郎、そして三船敏郎らがその代表的な例である。史上名高い武田信玄と上杉謙信の川中島の戦いをクライマックスに、三船、中村、石原という従来の映画会社の枠を越えたスターの共演が話題を呼んだ大作である。「キネマ旬報」ベストテン第9位。 |
次郎長三国志 |
1963年/東映(京都撮影所)製作/東映配給/1時間42分 |
監督・脚本=マキノ雅弘 脚本=山内鉄也 撮影=三木滋人 音楽=鈴木静一 出演=鶴田浩二、松方弘樹、佐久間良子、山城新伍、大木実、田中春男、津川雅彦、長門裕之 |
[コメント] |
講談や浪曲など大衆芸能の世界で広く知られている幕末の博徒、遠州清水港の次郎長とその子分たちの活躍を描いた痛快時代劇。監督のマキノ雅弘は1952年から54年にかけて『次郎長三国志』(東宝)9部作を作っており、次郎長ものの決定版との評価が高い。東映のこの作品はそのリメイク版にあたり、4部作として製作されている。1920年代半ばに監督デビューしたベテラン、マキノ監督にとっては手慣れた素材であり、流れるような巧みな演出で男意気の世界を作り出している。東映が時代劇から任侠映画へと比重を移しつつあった時期でもあり、次郎長=鶴田浩二、大政=大木実、法印大五郎=田中春男、関東綱五郎=松方弘樹、桶屋の鬼吉=山城新伍、増川仙右衛門=津川雅彦、森の石松=長門裕之という布陣は、そのまま大正時代劇ともいえる任侠映画の中核をなしていく。 |