11月27日 「父さん、ありがとう」 (やまばとホール)
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11:30ー13:40 14:20ー15:59 16:20ー18:11 |
ビッグ・フィッシュ みなさん、さようなら 父、帰る |
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ビッグ・フィッシュ みなさん、さようなら 父、帰る |
ビッグ・フィッシュ BIG FISH |
2003年/アメリカ/ソニー・ピクチャーズ配給/2時間5分 |
監督=ティム・バートン 原作=ダニエル・ウォレス 脚本=ジョン・オーガスト 撮影=フィリップ・ルースロ 音楽=ダニー・エルフマン 出演=ユアン・マクレガー、アルバート・フィニー、ビリー・クラダップ、ジェシカ・ラング、ヘレナ・ボナム=カーター |
[ストーリー] |
新聞記者ウィル・ブルーム(B・クラダップ)は、父エドワード(A・フィニー)の語るお伽噺のような人生の話に反発し父と長い間わかり合えずにいる。「善人でも悪人でもいい、本当の父さんを見せてーー。」残された僅かな時間、ウィルは父の真実を探し求めたーー。 |
[コメント] |
「小さな池の大きな魚にはなりたくない。」 ティム・バートン監督がユアン・マクレガー、名優アルバート・フィニーを迎えて贈る最高のファンタジー。魔女との出会い、サンドラとの恋、巨人の親友や楽園スペクターでの滞在、そして息子誕生の日のビッグ・フィッシュとの運命的な遭遇……。エドワードの語る不思議なエピソードが天才ティム・バートンの手によりすばらしく美しい映像となって映し出されてゆく。けれども、本当の父を知りたいウィルは、新聞記者の立場からまことに職業的なやり方=事実の追求により父の過去を探ってゆく。そのなかで父の話のすべてが嘘ではないことを知り、ようやく彼の物語に耳をかたむけ始めるウィル。父の真実を知ったとき、息子は幻のビッグ・フィッシュに出会うーー。 溢れるほどの愛情と温もりに彩られた本作は、観終わったあと必ず愛しい人に会いたくなる、そんな心豊かな作品です。ぜひ、ご鑑賞ください。 (園) |
みなさん、さようなら LES INVASIONS BARBARES |
2003年/カナダ・フランス/コムストック配給/1時間39分 |
監督・脚本=ドゥニ・アルカン 撮影=ギイ・デュフォー 音楽=ピエール・アヴィア 出演=レミー・ジラール、ステファン・ルソー、マリ=ジョゼ・クローズ、マリナ・ハンズ、ドロテ・ベリマン |
[ストーリー] |
ロンドンのやり手証券ディーラー、セバスチャン(S・ルソー)は、長い間冷戦状態にあった父レミ(R・ジラール)が重病だと知らされ、モントリオールに帰郷する。当初は複雑な思いを抱いていた彼だったが、父が末期ガンであることを知ると、これまでの埋め合わせとして、父に“幸せな最期”を贈ることを決意する。 |
[コメント] |
邦題からは想像しにくいが、シリアスな題材をユーモアとペーソスたっぷりに描いた、笑って泣けるヒューマン・コメディ。第76回アカデミー賞外国語映画賞他、数々の映画賞を受賞した。 ドゥニ・アルカン監督は17年前に『アメリカ帝国の滅亡』(1986年、カナダ、アカデミー賞外国語映画賞ノミネート)という作品の監督・脚本を務めており、本作はその続編と位置付けられている。そのため、本作にも前作の出演者がこぞって出演を果たしており、息の合った演技を見せる。息子セバスチャン役のステファン・ルソーはカナダ国内で「お笑い界のブラッド・ピット」と呼ばれている人気コメディアン。また、重要な役どころを演じたナタリー役のマリ=ジョゼ・クローズは、本作で見事にカンヌ映画祭の主演女優賞を獲得しており、次回作(十数年後?)ではナタリーを主人公にした映画が製作されるだろうという噂がまことしやかに囁かれているらしい。 (藤) |
父、帰る VOZVRASHCHENIYE |
2003年/ロシア/アスミック・エース配給/1時間51分 |
監督=アンドレイ・ズビャギンツェフ 脚本=ウラジーミル・モイセエンコ、アレクサンドル・ノヴォトツキー 撮影=ミハイル・クリチマン 音楽=アンドレイ・デルガチョフ 出演=ウラジーミル・ガーリン、イワン・ドブロヌラヴォフ、コンスタンチン・ラヴロネンコ、ナタリヤ・ヴドヴィナ |
[ストーリー] |
母とささやかに暮らしていた2人の兄弟のもとに、家を出ていた父が12年ぶりに帰ってきた。「どうして今ごろ帰ってきたんだ」「今まで何をしていたんだ」写真でしか見覚えのない父の突然の出現に、兄弟の思いは揺れる。翌朝、父は何の説明もせず、2人を湖への小旅行に連れ出す。それは父子水入らずの、初めての旅だった。 |
[コメント] |
父子の交流と対立を通じて、観客に父親の存在を問いかける、静謐かつエモーショナルなヒューマン・ドラマ。昨年のヴェネチア国際映画祭で、アンドレイ・ズビャギンツェフ監督は初監督作でグランプリを受賞するという史上初の快挙を達成した(同時に新人監督賞も受賞)。 物語は見知らぬ父の出現に伴う謎を突きつけたまま動き始め、観客は少年たちと同様に疑問を抱えたまま物語に引きずり込まれていく。ミステリアスで緊張感漂う語り口はサスペンスフルな父子の心理的葛藤をあぶり出し、元のシナリオから余分な要素をことごとく排したというシナリオは強い問い掛けを観客に残す。父の存在とはーー。家族の絆とはーー。父の残像を持つ兄と持たない弟の対比にも注目。 後日談だが、兄アンドレイを演じたウラジーミル少年は撮影終了後、ロケ地であるラドガ湖で溺死している。友人と遊びに行ったときの不慮の事故だったとか。わずか16歳の命であった。 (藤) |