11月23日 「大人のための恋愛講座」 (やまばとホール)
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11:00−13:03 13:50−15:59 16:20−18:07 |
愛についてのキンゼイ・レポート(R15) いつか読書する日 エターナル・サンシャイン |
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11:00−13:03 13:50−15:59 16:20−18:07 |
愛についてのキンゼイ・レポート(R15) いつか読書する日 エターナル・サンシャイン |
愛についてのキンゼイ・レポート Kinsey |
2005年/アメリカ、ドイツ/松竹配給/1時間58分 |
監督・脚本=ビル・コンドン 撮影=フレデリック・エルムス 音楽=カーター・バーウェル 出演=リーアム・ニーソン、ローラ・リニー、クリス・オドネル、ティモシー・ハットン 、ジョン・リスゴー |
[ストーリー] |
学生たちの要望で結婚講座を開いていたインディアナ大学の動物学の助教授キンゼイ(L・ニーソン)は性に関する多岐にわたる質問に答えられず、いかにセックスという分野が未開拓かを思い知る。そして、助手のマーティン(P・サースガード)などを引き連れ、性体験についてのインタビューの旅を実施し、その調査結果をまとめた「キンゼイ・レポート男性版」を出版するが……。 |
[コメント] |
性研究の第一人者として功績をあげたアルフレッド・キンゼイの生涯をたどった実話のストーリー。もともと性に関することなんて、人前で話すのも臆してしまったりします。なおさら、この映画で描かれている20世紀初期の保守的なアメリカではタブー視される傾向さえあり、そんな当時に、キンゼイは「結婚前にセックスをしたことがありますか?」「同性愛の経験はありますか?」など、インタビューで大胆な質問をぶつけていくさまは見ていて痛快! そして、一見、一種の変人紹介で終わりそうなテーマを取り扱っているのだが、しっかりとこの映画は夫婦間の愛という究極のテーマにも取り組んでいます。本作でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされたローラ・リニー演じる妻・クララが、終盤マスコミにバッシングされ、傷ついたキンゼイを心優しく支える様は感動を覚えます。ぜひ、夫婦やカップルに観て欲しい作品です。 (得) |
いつか読書する日 |
2005年/パラダイス・カフェ、パグポイント・ジャパン製作/スローラーナー配給/2時間7分 |
監督=緒方明 脚本=青木研次 撮影=笠松則通 音楽=池辺晋一郎 出演=田中裕子、岸部一徳、仁科亜季子、渡辺美佐子、上田耕一、香川照之 |
[ストーリー] |
坂の多い町で毎朝牛乳配達を続けている美奈子(田中)は、50歳になっても独身を通していた。美奈子は高校時代のある事件を境に気まずい関係になった同級生・槐多(岸部)のことをずっと想い続けていた。一方、槐多は病床につく妻・容子(仁科)をかいがいしく看病しているが、飲めもしない牛乳を取り続けている。二人の心に秘めた想いを知った容子は、自分亡き後、二人が一緒になればと願い始める。 |
[コメント] |
今の時代、仕事や目の前の生活に追われてとかく余裕のない時間を過ごしている。そんな生活を送っているうちに、“人を想う気持ち”がいつしか忘れられていって色褪せていってしまうというのもなんだか寂しい気もする。この映画は、それが生きていくうえでいかに人間の根源的なエネルギーとなっているかを思い起こさせてくれる。 美奈子を演じる田中裕子が素晴らしい。少女時代からの想いを持ち続けることによってみずみずしい感性を失わず、女学生の面影を残した愛らしい魅力が美奈子に備わっている。そして長いこと想い続けた二人の恋愛が成就した直後にあっけなく終焉を迎えると、美奈子の表情が急に50歳のおばさんのそれに見えてしまうのも演技のマジックだ。 観客に希望を与えてくれるのは、美奈子が「よしっ」との掛け声と共に凛とした表情で牛乳配達を再開することだ。恋愛はいつか終わりがくるが、人を想い続ける力はいつまでも失われないことを認識させてくれる。 (淳) |
エターナル・サンシャイン Eternal Sunshine of the Spotless Mind |
2004年/アメリカ/ギャガ コミュニケーションズ配給/1時間47分 |
監督=ミシェル・ゴンドリー 脚本=チャーリー・カウフマン 音楽=ジョン・ブライオン 出演=ジム・キャリー、ケイト・ウィンスレット、キルステン・ダンスト、マーク・ラファロ、イライジャ・ウッド |
[ストーリー] |
恋人同士だったジョエル(J・キャリー)とクレメンタイン(K・ウィンスレット)は、バレンタイン直前に別れてしまう。そんなジョエルのもとに手紙が届く。「クレメンタインは、貴方の記憶をすべて消しました」仲直りを考えていたジョエルだが、記憶を消されたことにショックを受け、クラーク医院の門を叩く。自分も彼女の記憶を消し去るためにーー。 |
[コメント] |
誰でも一度ぐらいは失恋の痛みに耐えるぐらいなら、いっそのことすべて忘れてしまいたいと思ったことがあるのでは? そんなことが本当に可能だったら……。そんな発想から生まれたロマンティックで切ないラブストーリーです。二人が喧嘩別れした時から出会った時へと時間軸が逆回転していく、ちょっと複雑でなんとも巧妙なストーリー展開。こんな変わった脚本を手がけたのは『マルコビッチの穴』のチャーリー・カフマン。なんとこの脚本に3年も費やしたと言うだけあって、完成度が高く見応え十分だと思います。それに加えて監督はビョークやケミカルブラザーズなど数多くの海外アーティストのPVを手がけてきたミシェル・ゴンドリー。彼の映像センスは凄く良いです。それを観ているだけでも面白く、カフマンの緻密に練られた脚本を極上のエンタテインメントに仕上げています。ストーリーだけなく映像表現にも注目して欲しい。そんな作品です。私のイチ押し作品です。 (塚) |