シベ超祭り in TAMA

11月26日 「シベ超祭り in TAMA」 (パルテノン多摩小ホール)

●Time Table●
11:20−11:55
12:00−13:20
13:35−15:21
15:40−16:30

16:30−17:30
17:40−19:15
19:30−21:24
水野晴郎サイン会&トーク
シベリア超特急
シベリア超特急2
トーク 有村昆監督、西田和昭氏
影の伝説 真田幸村の死闘 特別版
トーク 大槻ケンヂ氏、西田和昭氏、三角大氏、徳秀樹氏
シベリア超特急5
シベリア超特急3

シベリア超特急
1996年/ウイズダム製作・配給/1時間30分
 
監督・原作・脚本=MIKE MIZNO
撮影=安藤庄平
美術=徳田博
美術=黒須康雄
出演=水野晴郎、かたせ梨乃、菊池孝典、アガタ・モレシャン、西田和晃
 
シベリア超特急2
2000年/アルゴピクチャーズ、水野晴郎事務所製作・配給/1時間46分
 
監督・原作=MIKE MIZNO
脚本=北里宇一郎
撮影=鈴木耕一
音楽=JIM DADDY
出演=水野晴郎、淡島千景、草笛光子、寺島しのぶ、加茂さくら、長門裕之、須藤温子
 
シベリア超特急3
2003年/水野晴郎事務所、M&T PICTURES、IMAGICA製作・配給/1時間54分
 
監督・原作・脚本=MIKE MIZNO
脚本=上代務、北里宇一郎
撮影=鈴木耕一
美術=安宅紀史
出演=水野晴郎、三田佳子、宇津井健、田中丈資 、安藤一平、大浦みずき、大塚ちひろ
 
シベリア超特急5
2003年/M&T PICTURES製作・配給/1時間35分
 
監督・原作・脚本=MIKE MIZNO
脚本=上代務、北里宇一郎
撮影=鈴木耕一
美術=安宅紀史
出演=水野晴郎、片岡愛之助、中野良子、岡田眞澄、ニコラス・ペタス、大槻ケンヂ、中村福助、三角大、徳秀樹、西田和昭
 
シベリア超特急
 
[解説]
 『シベ超』はひとつの宗教である。MIKE MIZNO(本名:水野晴郎)という教祖を頂点とした教団である。それが証拠に日本各地で『シベ超祭り』と呼ばれるあやしげな集会を開いているようである。さらに毎回『シベ超グッズ』と呼ばれるものも用意されている。これは凶器準備集合罪にあたる。この集合は昼間開かれることはめったになく、夜な夜なオールナイトという形で開催され、集会に参加した信者は一様に蒼ざめた顔をして会場を後にすることも尋常ではない。また、一度この集会に参加した信者はその後足繁く集会に通うようになると聞く。この集団の思想原理は「戦争はいかん!」というものであるらしい。この考えは将来の日本において非常に危険な思想である。一刻も早く破防法を適用しこの集団を解散に追い込むべきである。さもなくば、来年訪れるというXデー(『シベ超6:完結編』公開)には世界が破滅するのではないかという噂も信者のなかに広まっており、何をしでかすか知れたものではない! ーーというようなことはあるハズない。
 今や歴史の1ページともなってしまったバブル景気。そのバブル景気がはじけたのが1991年である。日本は終戦以来45年にして初ともいえる大きな価値観の喪失の時期を迎えることとなる。それから5年後の96年、映画生誕100年の節目にあたるこの年、日本の映画史に歴史を残すシリーズの第1作が誕生した。『シベリア超特急』である。
 この作品の誕生にはその時代背景がある。日本は戦後50年を経て高度経済成長そしてバブル景気を経験し戦争の傷も歴史も過去のものとなっていった。映画の世界においても日本の企業が米大手製作会社を買収するなど“安かろう悪かろう”“高かろう良かろう”という時代でもあった。しかし、バブルがはじけ、このような幻想も夢もすべてが吹っ飛んだのである。
 96年、映画評論家の水野晴郎は映画生活40年目を迎えていた。水野(MIKE MIZNO)監督はこのような状況のなかに戦後日本の混乱期の姿を重ねて見たのかも知れない。「お金をかけなくてもワクワクするような娯楽性たっぷりの作品を」という理想を掲げて制作されたこの作品は、戦後、自分や日本を勇気づけてくれた映画に対してのオマージュそして当時の日本に対する強いメッセージをもっていた。
 それから9年。その間、『シベ超』シリーズは多くの評論家や映画製作者の予想や思惑を大きく超え、劇場作品(舞台作品を除く)も4本を数えるまでとなった。シリーズ作品は数あれど、これほど強くファンに次回作を熱望されるシリーズは無いといってもいいであろう。『シベ超』のどこがいいのか、という人も少なからずいることは確かである。しかし、四の五の言う前に一度『シベ超祭り』を経験(というよりも体験)してみることお奨めする。あなたの映画人生において大きなドンデン返しになることは間違いないであろう。 (竹内)

影の伝説 真田幸村の死闘
2005年/有村組製作・配給/30分
 
監督・脚本=有村昆
撮影=吉田武
出演=有村昆、水野晴郎、林家木久蔵、杉作J太郎、西田和昭、西尾祐里、林家ペー
 
影の伝説 真田幸村の死闘
 
[解説]
 若手パーソナリティー、映画コメンテーターとして活躍中の有村昆氏が自主映画制作集団「有村組」を立ち上げ、自ら監督、制作した二作目の作品である。有村監督はこの作品で水野晴郎氏をはじめ『シベ超』でおなじみのキャストを起用。ファンの間では有名なあのシーンを盛り込むなど『シベ超』シリーズへのオマージュをふんだんに盛り込んだ内容に仕上がっているらしい。今回の上映はTCF限定特別エディション版をプレミア上映。有村監督入魂の一作である。 (竹内)

●ゲストの紹介
水野 晴郎(みずの はるお)氏、MIKE MIZNO(まいく みずの)氏

 1931年生まれ。父は軍人。第2次世界大戦中を蒙古、中国ー満州で過ごす。戦後、与えられた民主主義の意味を理解しかねている時、アメリカ映画が本当の民主主義の意味を教えてくれた。24歳でアメリカの映画会社である20世紀フォックスの宣伝マンになる。その後日本ユナイト映画の宣伝総支配人となり、39歳の時NTVの映画番組の解説者に指名され独立、以来映画批評家として立つ。
 ミステリー映画『シベリア超特急』を脚本・監督。映画ファンや知識層の大きな支持を受ける。その他に、独自の風貌を生かし、演技面でも活躍。同作品は、シリーズ化し『シベリア超特急2』『シベリア超特急3』『シベリア超特急4』『シベリア超特急00・7』と続き、現在『シベリア超特急5』を完成。そして、『シベリア超特急6』、『旅路/巨杉物語』と連結予定である。
 
有村 昆(ありむら こん)氏

 1976年マレーシア生まれの東京育ち。年間300本以上の映画を鑑賞し、映画コメンテーターとしてテレビ、ラジオ、雑誌等で活躍中。評論家である水野晴郎氏が『シベリア超特急』を撮ったことに感銘を受け、自らも自主映画制作集団「有村組」を立ち上げ2004年、初の監督・主演作品『王将☆巌流島』を発表。ネットシネマサイトで公開し好評を博す。2005年、『影の伝説 真田幸村の死闘』を制作。水野晴郎、林家木久蔵、杉作J太郎、林家ペーといった異色のキャストを起用し注目を集める。
 
大槻 ケンヂ(おおつき けんぢ)氏

 1966年、東京生まれ。82年ロックバンド「筋肉少女帯」を結成しインディーズよりアルバムデビュー。ライブハウスなどで活動の後、88年アルバム「仏陀L」にてメジャーデビューを果たす。2000年、「筋肉少女帯」を脱退後パンクチーム「特撮」を立ち上げ活動中。また音楽活動以外では、ジャンルを超えた豊富な知識と独特の視線でテレビ・ラジオまで活躍の場を広げ、94年にはSFマガジンに執筆した「くるぐる使い」は日本SF大会日本短編部門「星雲賞」を受賞。吉川英治文学新人賞候補にもなるなど文章家としての活躍もめざましく、そのマルチタレントぶりは世代を超えて受け入れられている。
 
三角 大(みすみ だい)氏

 1970年、熊本生まれ。主な出演に映画『マルタイの女』、『ワル 序章』氷室浩一役、『シベリア超特急5』ロシアの警察官役、TV「はるちゃん6」「離婚弁護士」、舞台「シベリア超特急4」、「シベリア超特急7」、「ジーザス・クライスト・レディオスター」と幅広く活躍する注目度抜群の俳優。
 
徳 秀樹(とく ひでき)氏

 1973年、北海道生まれ。映画監督、金 佑宜主宰の劇団「HOT RORD」で個性あるキャラクターを演じ続け注目を浴び数多くの舞台を経験。主な出演に、映画『キッズ・リターン』、『花より男子』、『シベリア超特急5』憲兵役、TV大河ドラマ「秀吉」「毛利元就」、舞台「シベリア超特急4」、「シベリア超特急7」、「ジーザス・クライスト・レディオスター」「北へ」と多方面で活躍中。
 
西田 和昭(にしだ かずあき)氏

 1958年、大分県佐伯市生まれ。15歳の時に観た『天井桟敷の人々』が忘れられず大学在学中に単身ヨーロッパに渡り、演技の勉強をする。パントマイムの修行中、ロンドンで見た舞台に魅せられ、コントにのめりこんだ。帰国後、コント「ぼんと正月」を結成。84年「お笑いスター誕生」で決勝進出。審査員をしていた水野晴郎と出会う。'96『シベリア超特急』で準主役・佐伯大尉に抜擢され、以降『シベ超』シリーズには無くてはならない存在となっている。