TAMA NEW WAVE ある視点 Vol.2

11月25日 「TAMA NEW WAVE ある視点 Vol.2」 (ベルブホール)

●Time Table●
16:00−16:30
16:45−17:35
17:50−18:23
18:40−20:12
蝶々
ゴミ袋で受け止めて
ダム・ガール
最後の人間

蝶々
2004年/DV/30分
 
監督・脚本=坂本あゆみ
撮影=志田貴之
音楽=高橋勝
出演=山本剛史、大平
 
蝶々
 
[ストーリー]
 毎日、同じような日々をたんたんとすごしている幸雄。ある日、蝶つがいを作業台の下に落としてしまう。とろうと思ったが、あと少し届かずとれない。その日から幸雄のまわりで不思議なことがおこり出す。変わったのは幸雄のまわりなのか、それとも幸雄自身なのか……。
 
坂本 あゆみ(さかもと あゆみ)監督

 1981年 熊本県出身 本作品は1作品目。
 
[メッセージ]
 蝶々をみて 人それぞれ感じ方が違うと思います。それぞれがそれぞれの解釈をして下さい

ゴミ袋で受け止めて
2005年/DV/49分
 
監督・脚本・撮影・音楽=瀬川浩志
出演=森本奈津子、渡辺隆太、桜みかげ、金本健吾、小寺智子
 
ゴミ袋で受け止めて
 
[ストーリー]
 社会人1年生の柏木寿(23)は、彼女の日向真奈美(22)が自分に隠れて浮気しているような気がして仕方ない。今日もそのことを聞いてみるが、真奈美は飄々とそれをかわすばかり。膠着状態の二人だったが、寿が真奈美の浮気の決定的証拠を掴んだことをきっかけに物語は予測不可能な方向へと展開していく…・・・。現実と妄想、サスペンスとラブコメが渾然一体となった究極の人間不信エンターテインメント! 果たして嘘をついているのはどっちだ!?
 
瀬川 浩志(せがわ こうじ)監督

 1979年生まれ、京都府出身。大学卒業後の2002年から本格的に映画制作を開始。これまでに4本のオリジナル作品を制作する。2003年山下敦弘監督『リアリズムの宿』『その男狂棒に突き』にボランティアスタッフとして参加。また2004年より劇団WANDERING PARTYの舞台カメラマンを務める。今年9月から活動の拠点を東京へ移し、現在映画美学校フィクションコース初等科在籍中。
 
[メッセージ]
 この作品は私の「すべての女は実は怪物なのではないか?」という妄想と推論に基づいて作られました。痛烈な女性批判を盛り込んでいるにも関わらず、脚本の段階では女性陣に好評で奇妙な感覚を覚えました。が、出来上がったものはそのような当初の印象をさらに裏切る風変わりなサスペンスドラマになっていました。男の私にとって女性ほど未知で恐ろしいものはありません。しかしだからこそ愛してしまいます。私には映画もきっとそういうものなのかもしれません。

ダム・ガール
2005年/DV/33分
 
監督・脚本=児玉和土
撮影=伊藤学
録音=飯島佳子
助監督=三好麻衣
出演=柳有美、多久間知宏、長田祥一、加藤道子、福田佑一郎、伊藤学
 
ダム・ガール
 
[ストーリー]
 生まれ故郷の村がダムの底に沈んでしまった女の子ミヨコ。そのダム工事で父親を失った彼女は、それ以来水を大切にすることが癖のようになっていた。そしてそのことが枷になってか、ミヨコは男性を性的に受けつけない体になってしまっていた。そのことに耐えきれなくなった同棲中の恋人タロウが別れを告げ、家を出る。それをきっかけにミヨコはダムのように水をためる体になっていくが……。
 
児玉 和土(こだま かずと)監督

 1976年、秋田県生まれ。都内の大学院で映像文化について研究する傍ら、2003年頃より映画製作を始める。映画美学校フィクション高等科修了。これまでの作品に『Untitled』(2003年/調布映画祭入選)など。なお、本作『ダム・ガール』によって、大阪市の映像文化振興事業「シネアスト・オーガニゼーション・大阪エキシビション」の企画制作部門に選ばれ、次回作を製作中。
 
[メッセージ]
 この映画は一種のコメディとして撮られました。しかし、実際にこの映画を観てくださった方から話を伺うと、とてもコメディとは思えなかったと言われることがあります。それどころかシリアスなドラマとして受け取られることもあります。ということは、この映画を撮るにあたって伝えるべきところを間違えたのでしょうか?そうではなく、送り手と受け手の差異を楽しむことが何かを作ることの快楽ではないかと最近思っています。

最後の人間
2004年/DV/1時間32分
 
監督・脚本=岸建太朗
撮影=難波正敬
照明=尾崎千晴、伊藤亮介
録音=笠原晋
音楽=濱岡清吾、岸建太朗
出演=高谷基史、岡優美子、ノゾエ征爾(はえぎわ)、植田祐一(蜜)、磯部美香、鈴真紀史(はえぎわ)、津波恵、生野和人、岡山誠
 
最後の人間
 
[ストーリー]
 ハジマリの会の指導者は、冥王星人と名乗る一人の女性。彼女は物語りが始まる半年前、突然彼らの前から姿を消した。彼女が失踪した理由は誰にも語られなかった。だが残された信者達 は冥王星人の帰りを待っていた……。残された8人の信者達は、自分が「太陽系の惑星からやって来た宇宙人である」と固く信じ、日々。会の最終目標とされる「全人類撲滅一色快適社会」の実現へむけた地味な実践を続けていた……。
 
岸 建太朗(きし けんたろう)監督

 1995年、役者として活動を開始。大人計画、遊園地再生事業団、グリング等の舞台、『恋の門』、『恋する幼虫』などの映画に70本以上出演する。02年より【映像制作実験動物黒子ダイル】を旗揚げし、演劇、自主映画、映画のメイキング映像、劇中映像、PVなどを制作、たまに自作自演もしている。
 
[メッセージ]
 「ダニとバルサン」
 この作品は、昨年の夏、築60年のアパートで撮影しました。だからなのか「ミシ、ミシ」という、床が抜けてしまいそうな鈍い音が止むことはありませんでした。畳には無数のダニが巣食っていました。僕らは毎日バルサンをたきました。一週間経った頃、ようやく痒くなくなりました。すると「ミシ、ミシ」という音もしなくなりました。「あの鈍い音は、ダニ達が僕らを歓迎して踊っていた足踏みだったのではなかろうか」僕は、少し悲しくなりました。