ご挨拶

●挨拶●

 第15回映画祭 TAMA CINEMA FORUM が始まります。この15回という数字に本当に感慨無量のものがあります。市の呼びかけで始まった映画祭でしたが、これを継続するかどうかの岐路にさしかかったときのことや、資力も支えてくれるネットワークもないなかで続けていこうとしたいきさつは、過去の思い出のなかに埋没しております。地域の発展、日本映画の活性化などを口にしながら、現実には何をしたら良いかわからなかった私たちですが、次々と生じる種々の悪条件を、とにもかくにも乗り越えてきた関係者や、この映画祭を支えてくれた人々にあらためて感謝の意を表します。行政や国の支援を得ることができるようになり、ボランティアとして参加してくれた人、実行委員として参加してくれた人々の総和が、15年という思いもかけぬ長い年月にわたる活動を実現してくれたのです。「感動が継続を生む」これはある委員の言葉ですが、この感動をバネとして1年近くの長期戦を戦い抜いていくのがこの映画祭です。お金を集め、企画を練る。そしてこの企画の実現を目指すプロセスのなかで、魅力あるプログラムが作り上げられ、それが観客を呼び込む。多くの人に映画の魅力を訴え、映画のよさ、楽しさを発見する契機となる。作る人、伝える人、観る人をまきこんで映画祭は成立します。多くの人の共感を得ることで継続することができました。刻々と変わる経済事情や社会情勢の変化を受け止めざるをえない状況にある私たちです。資金もマンパワーも不足している日々ですが、なんとか頑張って、多摩からの発信を続けたいと思っております。一人でも多くの方の参加を願っております。
 最後になりますが、この厳しい環境のなかで私たちの映画祭を支えてくださっている文化庁、多摩市当局、多摩市教育委員会、多摩市文化振興財団、そして種々の形で援助をしてくださった企業の皆様に心からの感謝の念を申し上げます。

TAMA映画フォーラム実行委員会
委員長 水野信利

●祝辞●

 “第15回映画祭 TAMA CINEMA FORUM”の開催を、心からお祝い申し上げます。多摩の丘陵が美しい紅葉に彩られるころ始まるこの映画祭も、15年目を迎え、多摩市の風物詩といえる存在となりました。今年も多彩な作品を提供し、訪れる映画ファンを楽しませてくださることと思います。この映画祭では、市民の皆さんによって、映画祭の構成から上映映画の選定、借受交渉、当日の運営までの一切が担われています。「映画をとおした新たなまちづくり」をめざして、人の輪を広げ、着実に活動を積み重ねてこられた実行委員会の皆様の熱意とご尽力に、改めて深く敬意を表します。
 また、この映画祭は、市民主体の映画祭として全国一の規模を誇っております。映画祭の企画のひとつ、若手映像作家の発掘と育成を支える「TAMA NEW WAVE」も第6回目を迎えました。応募作品も年々増加し、新たな映像の出現を期待する方と新人映像作家との掛け橋として着実に発展しており、映画祭の理念である「日本映画の活性化」に大いに寄与されていると思います。
 ご支援してくださる企業・関係団体のご協力、そして会場に足を運ばれる市民の皆さんの応援があってこそ15年間継続してきたものと存じ、感謝申し上げます。
 映画を愛する多くの方々がこの場に集い、語り合い、輪が広がることを願うとともに、“TAMA CINEMA FORUM”が多摩市から全国に発信される映像文化発信源であり続けることを期待申し上げます。

多摩市長 渡辺幸子