アクション&パニック

11月25日 「アクション&パニック」 (パルテノン多摩大ホール)

●Time Table●
11:00−13:06
14:00−16:15
16:35−18:26
18:50−20:47
M:i:III
日本沈没
ユナイテッド93
LIMIT OF LOVE 海猿

M:i:III
Mission: Impossible III
2006年/アメリカ/UIP映画配給/2時間6分
 
監督・脚本=J・J・エイブラムス
脚本=ロベルト・オーチ、アレックス・カーツマン
製作=トム・クルーズ、ポーラ・ワグナー
音楽=マイケル・ジアッキーノ
出演=トム・クルーズ、フィリップ・シーモア・ホフマン、ヴィング・レイムス、ローレンス・フィッシュバーン
 
M:i:III
 
[ストーリー]
 米国のスパイ組織IMFのエージェントであるイーサン・ハント(T・クルーズ)は、現場を退き教官としての仕事をしながら婚約者と幸福な生活を送っていた。そんな彼の元に、かつての教え子であるリンジーが捕らえられたという知らせが届く。迷いながらも救出作戦に参加したイーサンは、仲間たちとチームワークを発揮してリンジーの救出を果たすが……。
 
[コメント]
 シリーズものというのはどうしても新鮮味が薄れて、前作を超えることがなかなかできない。しかし、本作はシリーズ中、最もバランスの良い作品となっている。第1作ではスパイものらしく知略に満ちた作品で、第2作はアクション要素の強い作品となっていた。本作はその二つの作品の良いところを上手く使っている。息もつかせぬスピード感あるストーリーは健在で、シリーズ最高と言える出来栄えだった。
 監督はテレビドラマ『エイリアス』『LOST』などを手がけ、全米で絶大な支持を得た若手のJ・J・エイブラムスが起用された。シリーズ3作目という難しい作品を、新鮮味を失わずに見事に作り上げている。主演のトム・クルーズは、動きにまったく衰えを感じさせず素晴らしい演技をみせている。シリーズ前作を受け付けなかった人もきっと楽しめるので、先入観なしに観てほしい。 (賢)

日本沈没
2006年/『日本沈没』製作委員会製作/東宝配給/2時間15分
 
監督=樋口真嗣
原作=小松左京
脚本=加藤正人
音楽=岩代太郎
出演=草なぎ剛、柴咲コウ、豊川悦司、及川光博、佐藤江梨子、福田麻由子、石坂浩二、ピエール瀧
 
日本沈没
© 2006 映画「日本沈没」製作委員会
 
[ストーリー]
 地殻変動により、日本列島が1年後に沈んでしまうという調査結果が出された。当初は調査結果を信用していなかった政府も、その兆候を示す天変地異が日本各地で続出したことによって、諸外国に自国難民の受け入れを要請する。一方、深海潜水艇パイロットの小野寺俊夫(草なぎ)は、好意を寄せるハイパーレスキュー隊員の阿部玲子(柴咲)らを守るため、地球科学の田所博士(豊川)と共に、ある作戦を決行する。
 
[コメント]
 原作は何度も映像化されている小松左京著「日本沈没」。本作の『日本沈没』は恋愛要素を強め、最新のVFX技術を駆使したパニック映画だ。見所である日本が沈没していく映像は大迫力で、リアリティのある映像によって、災害を前にした人々がいかに無力であるかを描いている。
 監督は『ローレライ』(2005年)などを手がけ、特撮技術を得意とする樋口真嗣監督。樋口真嗣監督自身、1973年に公開された映画『日本沈没』の大ファンらしく、本作にも力が入っている。得意分野である特撮は文句の言いようがないほど素晴らしい。一つ一つのシーンに迫力と鬼気迫るものを感じさせた。是非、大画面で大迫力の『日本沈没』を堪能してください。 (賢)

ユナイテッド93
United 93
2006年/アメリカ/UIP映画配給/1時間51分
 
監督・脚本=ポール・グリーングラス
製作総指揮=ライザ・チェイシン、デブラ・ヘイワード
音楽=ジョン・パウエル
出演=ハリド・アブダラ、ポリー・アダムス、オパル・アラディン、ルイス・アルサマリ
 
ユナイテッド93
 
[ストーリー]
 2001年9月11日。朝の空港ラッシュを抜けようやく飛び立ったユナイテッド93便は、まだこれから起こる歴史的事件の一幕を知らなかった。9.11テロ事件の犠牲となったユナイテッド93便が離陸から墜落するまでを追った衝撃的なドラマ。
 
[コメント]
 ニューヨーク貿易センタービル崩壊の事件から今年で5年。人々の心には今でもあの大惨事が脳裏に焼きつき、「9.11」と聞けば、当時のことを思い出す。戦後に起こった大惨事のひとつと言っても過言ではないだろう。あの事件は我々に平凡な日常生活にも多くの危険や歪みが潜んでいることを教えてくれた。
 監督はイングランド出身。2004年には『ボーンスプレマシー』の監督を務め大ヒットしている。02年には北アイルランドでの事件を、ドキュメンタリー・タッチで描いた作品『ブラディ・サンデー』(未公開)を発表し、ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞している。
 感情的な精神を一切映像に見せず、そこに起こった事実だけを無機質に並べて真実だけを人々に伝えようとする姿勢は、我々にあの事件をいかに理解すべきかを語りかける。窮地に立たされた時の人間の真の強さをこの映画から学んだ。 (池)

LIMIT OF LOVE 海猿
2005年/フジテレビジョン、ROBOT、ポニーキャニオン、東宝、小学館、FNS27社製作/東宝配給/1時間57分
 
監督=羽住英一郎
製作総指揮=亀山千広
脚本=福田靖
音楽=佐藤直紀
出演=伊藤英明、加藤あい、佐藤隆太、大塚寧々、吹越満
 
LIMIT OF LOVE 海猿
© 2006 フジテレビジョン・ROBOT・ポニーキャニオン・東宝・小学館・FNS27社
 
[ストーリー]
 潜水士として成長した仙崎(伊藤)は、ある日、鹿児島沖で乗員・乗客620名を乗せた大型フェリー船座礁の一報を受ける。仙崎が駆けつけた船内には車が積まれており、引火すれば大惨事は免れない。加えて、その船には仙崎の恋人である環菜(加藤)も偶然乗り合わせていた。果たして仙崎は乗客全員を無事に救出することができるのか?
 
[コメント]
 人命救助のエキスパートである潜水士を目指す若者の友情や挫折、恋愛をさわやかに表現した青春ドラマシリーズの劇場版2作目。1作目の公開は2004年の映画『海猿』で、その後テレビドラマ化されている。
 大型フェリーの座礁という普段の生活では体験することのほとんどない状況がテーマになっているが、突然やってくる危機は決して他人事ではない。少しずつ狂いだした歯車は幸せを夢見ていた日常から一転して、いつしか人々を絶体絶命の窮地に追い込ませていく……。そんな時、こんなはずではなかったと嘆いても何も解決はしない。自分を信じ、決して諦めないことできっと道は開けるのだという信念。
 普段の生活では気付くことの無い、愛する人を、家族を想う強い気持ち。部下への絶対的な信頼、そして決して壊れることの無い友情が、スクリーンの前で観る人の心をうつ。 (池)