80年代の日本映画 Vol.1

11月20日 「80年代の日本映画 Vol.1」 (やまばとホール)

●Time Table●
13:00−14:58
15:15−17:30
転校生(1982年版)
遠雷

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転校生
1982年/日本テレビ放送網、ATG製作・配給/1時間53分
 
監督=大林宣彦
原作=山中恒
脚色=剣持亘
撮影=阪本善尚
音楽=林昌平
出演=尾美としのり、小林聡美、佐藤允、樹木希林、宍戸錠、入江若葉
 
転校生(1982年版)
優秀映画鑑賞推進事業
 
[解説]
 舞台は尾道の中学校。坂と海と光の街だ。夏のある日、ワンパク少年斉藤一夫(尾美)のクラスに一人の転校生(小林)がやってきた。女の子だ。名前は斉藤一美といい、一夫と一字違いだった。一美は一夫と幼稚園の同級生だったと言い近づいてくるが、そんなある日、ふとした弾みで寺の階段から転げ落ちそうになった一美を救おうとして、一夫も一緒に転がり落ちる。気がつくとどうしたことか、一夫は一美に、一美は一夫になっていた。二人は入れ違ってしまったのだった。監督の大林宣彦は8mmや16mmの個人映画作家として、またテレビCMの敏腕ディレクターとして知られていたが、1977年の『HOUSE ハウス』で初めて長篇映画を手がけた。思春期の、少女のなかの少年、少年のなかの少女が重なりあう一瞬のゆらぎを、ファンタジー形式のなかで見事に映像化した作品である。
 この後に製作される『時をかける少女』(83年)、『さびしんぼう』(85年)とともに「尾道三部作」と呼ばれている。「キネマ旬報」ベストテン第3位。

遠雷
1981年/にっかつ撮影所、ニュー・センチュリー・プロデューサーズ、ATG製作・配給/2時間15分
 
監督=根岸吉太郎
原作=立松和平
脚本=荒井晴彦
撮影=安藤庄平
音楽=井上堯之
出演=永島敏行、ジョニー大倉、石田えり、横山リエ
 
遠雷
優秀映画鑑賞推進事業
 
[解説]
 宇都宮でビニールハウスのトマト栽培を職業としている青年とその親友の、明暗分かれる青春を鮮烈に描いた立松和平の同名小説の映画化である。1970年代以降の日本は、この映画でビニールハウスの隣に団地が建つように、各地の都市近郊で風景が変貌し、旧来の「都市と農村」の対立だけでは描けない複雑な社会が形成された。またこの時期の日本映画界は産業としては低迷していたが、そのなかにあって日活撮影所は最も多くの映画を量産し、次々と新しい才能を送り出し続けた。この映画の監督根岸吉太郎と脚本家荒井晴彦はともに日活を経由しており、そうした現代的な風景、またその中で育った多様な価値観で揺れる青年像を描くことで、この作品をリアルな生活感覚あふれる新世代の青春映画に結実させた。主人公の青年はトントン拍子に結婚式を挙げ、その親友は不幸な殺人を犯してしまう。長々と続く幸せな披露宴の最中に親友が罪を告白するという印象的なシーンは原作にはなく、脚本における創作であった。「キネマ旬報」ベストテン第2位。

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