11月24日 「世界の映画祭を席捲した話題作」 (やまばとホール)
●Time Table● | |
11:00−12:42 13:30−15:52 16:10−18:10 |
殯の森(もがりのもり) バベル(PG12) ボルベール<帰郷> |
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11:00−12:42 13:30−15:52 16:10−18:10 |
殯の森(もがりのもり) バベル(PG12) ボルベール<帰郷> |
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| プログラム一覧 | プログラム日程 |
殯の森 |
2007年/組画、celluloid dreams productions、ビジュアルアーツ専門学校大阪製作/組画配給/1時間37分 |
監督・脚本・プロデュース=河瀬直美 撮影=中野英世 美術=磯見俊裕 音楽=茂野雅道 出演=うだしげき、尾野真千子、渡辺真起子、斉藤陽一郎、ますだかなこ |
[ストーリー] |
軽度の認知症患者が介護スタッフと共に暮らすグループホームで、しげき(うだ)は33年前に亡くした妻との思い出を胸に静かな日々を過ごしていた。ある日、新任介護福祉士として真千子(尾野)がグループホームにやってくる。彼女もまた、幼い子どもを亡くすという悲しい過去を背負っていた。始めはぎくしゃくしていた2人だが、少しずつ打ち解けあうようになり、ある日、2人はしげきの妻の墓参りに行くことになる。 |
[コメント] |
河瀬監督の作品と映画祭の関わりと言えば、第5回に新鋭女性監督特集として初期の8mm作品を上映したのが最初だったと思うが、それ以降も作品が発表される度に幾度となく取り上げてきた。ゲストでは何回かお越し頂いたが、それ以上に映画祭として絶えずその動向に注目してきた数少ない映画監督である。 で、新作『殯の森』である。カンヌ受賞という華やかさとは(いい意味で)真逆かつ深遠な河ワールドが広がっていて、俳優ふたりの熱演も手伝って独特な世界を生み出している。個人的には見せたいものをきっちりと撮るシネアストな姿勢が見事だと思う。次回作は(意外にも)長谷川京子主演のラブコメのようだが、そちらも今から仕上がりが楽しみである。 (舟) |
バベル BABEL |
2006年/メキシコ/ギャガ・コミュニケーションズ配給/2時間23分 |
監督・製作=アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ 脚本=ギジェルモ・アリアガ 撮影監督=ロドリゴ・プリエト 音楽=グスターボ・サンタオラヤ 出演=ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、ガエル・ガルシア・ベルナル、役所広司、アドリアナ・バラッザ、菊地凛子 |
[ストーリー] |
モロッコを旅行中のアメリカ人夫婦、現地に住むモロッコ人の家族、日本に住む女子高生とその父、メキシコ人の家政婦とその家族。1つの銃弾によって一見何の関係もない人間関係が微妙に重なり、やがて大きな唸りとなっていく……。 |
[コメント] |
日本では菊地凛子が話題だったが、いつものハリウッド大作とは違う重厚な演技をみせるブラッド・ピットが素晴らしい。
が、何より、この映画を揺るぎない傑作にしているのはアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の確信に満ちた演出力によるもので、一見バラバラになりそうな物語を限りなく“今”というフィルターを通して見事に“1つの愛をめぐる物語”として完成させている。 青山信治の『ユリイカ』やS・ソダーバーグの『トラフィック』など時々その監督の眼差しの高さに唸る時があるが、この『バベル』のイニャリトゥ監督のまさに一点の妥協なき眼差しの高さには久々に感心した。俳優たちの頑張りも納得の今年を代表する一作。 (舟) |
ボルベール<帰郷> VOLVER |
2006年/スペイン/ギャガ・コミュニケーションズ配給/2時間 |
監督・脚本=ペドロ・アルモドバル 撮影=ホセ・ルイス・アルカイネ 作曲=アルベルト・イグレシアス 出演=ペネロペ・クルス、カルメン・マウラ、ロラ・ドゥエニャス、ブランカ・ポルティージョ、ヨアンナ・コバ、チュス・ランプレアヴェ |
[ストーリー] |
母親を火事で失ったライムンダ(P・クルス)は、失業中の夫と15歳の娘パウラ(Y・コバ)のために忙しく働いていた。ライムンダの姉は亡くなった母親が生きているといううわさを耳にした。ある日、ライムンダの留守中に夫がパウラに関係を迫り、パウラは父親を殺害してしまう……。 |
[コメント] |
本作品でカンヌ映画祭の最優秀脚本賞と最優秀女優賞(女優6人で受賞)を受賞し、もはや巨匠と呼んでもおかしくない監督のペドロ・アルモドバルであるが、本作でもその独特の色使いや、猥雑さをも含んだユニークなストーリー展開はやはり刺激的だ。 ストーリー的には、死んだはずの人間が生きていたとか、殺人の隠蔽とか、サスペンスに満ちた内容であるが、実際には家族と友人の絆を描いた心温まるホームドラマ(!?)である。 ラストの余韻をぜひ堪能して頂きたいと思う。 そういえば同時期に公開されたカウリスマキの『街のあかり』でも、「ボルベール」が流れていたのを、ふと、思い出した。 (吉) |
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