運命に翻弄されて

11月28日 「運命に翻弄されて」 (やまばとホール)

●Time Table●
13:00−15:43
16:00−18:03
ラスト、コーション(R18)
つぐない(PG12)

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ラスト、コーション
色・戒/Lust, Caution
2007年/アメリカ・中国・台湾・香港/ワイズポリシー配給/2時間38分
 
監督=アン・リー
原作=アイリーン・チャン
脚色=ワン・フイリン、ジェイムズ・シェイマス
撮影=ロドリゴ・プリエト
音楽=アレクサンドル・デスプラ
出演=トニー・レオン、タン・ウェイ、ジョアン・チェン、ワン・リーホン
 
ラスト、コーション
© 2007 HAISHANG FILMS/WISEPOLICY
 
[ストーリー]
 1942年、日本占領下の上海。抗日運動に身を投じる美しき女スパイ、ワン(タン・ウェイ)は、敵対する特務機関のリーダー、イー(トニー・レオン)に近づき暗殺の機会を伺っていた……。中国の人気女流作家・張愛玲原作の、時代を越えて愛される、一人の歴史に翻弄された女性の物語。
 
[コメント]
 俳優たちの視線、身体の動き、運ぶ言葉、そして醸し出す空気すべてに全感覚を傾けて映画を観たのはずいぶん久しぶりだった。薄っぺらな言葉のやり取りで互いを繋ぎとめ、安心を得、そして孤独から逃れようとする現在の私たちが、このように全力を持って他者と魂をぶつけ合うことなど果たしてあるのだろうか。言葉による約束や誓いはもちろんない。まして互いに弱みを見せる事など出来るはずがない。それは2人が自分自身に課した戒めだったはずだ。
 この映画のタイトルは、「ラスト=Lust=“欲情”、コーション=Caution=“警告”」という意味合いを持っている。誰が明日の自分を陥れか知れぬ不安のなか、劇中でトニー・レオン扮するイーが口にする。「私はこれまで誰も信じてこなかった。だがおまえの言葉だけは信じよう。」最後、映画があのような結末を迎えたのは、相手に対して心からの優しさと信頼を見せたイーへ、ワンが送ることの出来る唯一の誠意からだったのかもしれない。 (早)

つぐない
Atonement
2007年/イギリス/東宝東和配給/2時間3分
 
監督=ジョー・ライト
脚本=クリストファー・ハンプトン
原作=イアン・マキューアン
撮影=シーマス・マッガーヴェイ
音楽=ダリオ・マリアネッリ
出演=キーラ・ナイトレイ、ジェームズ・マカヴォイ、シーアシャ・ローナン、ヴァネッサ・レッドグレイヴ
 
つぐない
© 2007 Universal Studios. All Rights Reserved.
 
[ストーリー]
 1930年代、戦火が忍び寄るイギリス。政府官僚の長女セシーリア(K・ナイトレイ)は、兄妹のように育てられた使用人の息子、ロビー(J・マカヴォイ)と思いを通わせ合うようになる。しかし、小説家を目指す多感な妹ブライオニーのついたうそが、ロビーに無実の罪を着せ、刑務所送りにしてしまう。
 
[コメント]
 映像化するのは困難といわれた複雑な物語、イアン・マキューアンの「贖罪」を『プライドと偏見』のスタッフ・キャストで見事に映画化された本作は、第64回ヴェネツィア国際映画祭でオープニング作品として上映され、第80回アカデミー賞では、作品賞をはじめ7部門にノミネートされている。
 息を呑むほどに美しい映像描写の数々。英国の田園風景と凄惨な戦場とのドラマチックな対比。印象的な音楽。それらが、緻密に絡み合い、監督の力量をこれでもか、と見せ付けられた。アカデミー作品賞受賞も納得の秀作であった。
 軽い気持ちでついた嘘が、大切な人たちの運命を大きく狂わせてしまう……。という誰にでも起こりがちな事の発端に、自分の幼少の頃についた小さな嘘、嬉々として行っていた意地悪の数々を思い出し、心が締め付けられる思いをしたのは、私だけではありますまい。 (愛)

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