AMERICAN NEW MOVIE

11月22日 「AMERICAN NEW MOVIE」 (パルテノン多摩小ホール)

●Time Table●
12:00−13:44
14:20−16:22
16:35−18:10
ダージリン急行(短編『ホテル・シュヴァリエ』上映あり)
ノーカントリー(R15)
マイ・ブルーベリー・ナイツ

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ダージリン急行
The Darjeeling Limited
2007年/アメリカ/20世紀フォックス映画配給/1時間31分
 
監督・脚本=ウェス・アンダーソン
脚本=ロマン・コッポラ、ジェイソン・シュワルツマン
撮影=ロバート・イェーマン
音楽=ランドール・ポスター
出演=オーウェン・ウィルソン、エイドリアン・ブロディ、ジェイソン・シュワルツマン、アンジェリカ・ヒューストン、ビル・マーレイ
 
ダージリン急行
 
[ストーリー]
 インド北西部を走るダージリン急行に、長男フランシス(O・ウィルソン)の呼びかけで、次男ピーター(E・ブロディ)と三男ジャック(J・シュワルツマン)がやって来る。父の死をきっかけに絶交していた彼らだが、フランシスはインドの旅を通じて、再び兄弟の結束を高めようとしていた。
 
[コメント]
 その軽妙かつ個性的な映画作りですっかり名匠の域に入りつつあるウェス・アンダーソン監督だが、今回も小気味良いスモールコンボの演奏を聞いているような心地良さですっかり彼の世界に引き込まれてしまった。
 今回はルノワールのインド作品「河」に影響を受けた監督がインドを舞台に3人兄弟の珍道中を描くといったもので、3人兄弟のアンサンブルが見事かつ楽しい。また前々作の「ロイヤルテネンバウムズ」、前作の「ライフアクアティック」しかり彼の作品では選曲が映画のかなり大きなウェイトを占めているが、今回もインドのラガっぽい曲調を主体にフラワーロックがいい感じで混じっていて映画のその何ともいえない雰囲気に大いに貢献している。個人的にはストーンズの曲にやられたなと。
 また同時上映の短編が掛け値なしに素晴らしい(ああナタリー・ポートマン!)のでお見逃しなきよう。 (舟)

ノーカントリー
NO COUNTRY FOR OLD MEN
2007年/アメリカ/パラマウント=ショウゲート配給/2時間2分
 
監督・脚本・編集=ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
撮影=ロジャー・ディーキンス
音楽=カーター・バーウェル
出演=トミー・リー・ジョーンズ、ハビエル・バルデム、ジョシュ・ブローリン、ウッディ・ハレルソン、ケリー・マクドナルド
 
ノーカントリー
© 2007 Paramount Vantage, A PARAMOUNT PICTURES company. All Rights Reserved.
 
[ストーリー]
 メキシコ国境に近い砂漠で、偶然、死体の山に出くわしてしまったルウェリン・モス(J・ブローリン)は、大量のヘロインと現金200万ドルが残されているのを見つける。危険を承知で大金を奪ったモスに、すぐさま追っ手がかかる。必死の逃亡を図るモスを追い詰めて行くのは非情の殺し屋アントン・シガー(B・バルデム)。そしてもう一人、厄介な事件に巻き込まれたモスを救うべく老保安官エド・トム・ベル(T・ジョーンズ)が追跡を始める。
 
[コメント]
 ウェルメイドな“映画のようなもの”がむしろ当たり前に作られているこの2000年代に本物の映画然とした佇まい、“映画とはこうだよね”的カタルシスが満載なこのコーエン兄弟の新作は、一見今までの彼らの作風(『ブラッドシンプル』、『ファーゴ』)をなぞっているようにも見えるのだが、大きく違うのはアメリカを巣食っている病んだ現実を見事にすくってみせているところで、スリラー仕立てにはなっているものの彼ららしい切り口が見事な作品である。個人的には『ゼア・ウイル・ビー・ブラッド』『告発のとき』と並んで今年、アメリカの現在の気分(空気)を描いた傑作として評価したい。 (舟)

マイ・ブルーベリー・ナイツ
My Blueberry Nights
2007年/フランス 香港 中国/アスミック・エース配給/1時間35分
 
監督・脚本=ウォン・カーウァイ
脚本=ローレンス・ブロック
撮影=ダリウス・コンジ
音楽=ライ・クーダー
出演=ノラ・ジョーンズ、ジュード・ロウ、デイヴィッド・ストラザーン、レイチェル・ワイズ、ナタリー・ポートマン
 
マイ・ブルーベリー・ナイツ
© Block 2 PICTURES 2006
 
[ストーリー]
 恋人に捨てられたエリザベス(N・ジョーンズ)は彼のことが忘れられず、彼の行きつけのカフェに乗り込む。そんな彼女を慰めてくれたのは、カフェのオーナーであるジェレミー(J・ロウ)と、甘酸っぱいブルーベリー・パイだった。それからのエリザベスは、夜更けにジェレミーと売れ残りのパイをつつくのが日課になる。しかしそんなある日、彼女は突然ニューヨークから姿を消す。
 
[コメント]
 ウォン・カーウァイがロードムービーを撮る、しかもノラ・ジョーンズで。と聞いたとき、そのドリームチームな顔ぶれにわが耳を疑ったが、いざ蓋を開けてみると確かにノラ・ジョーンズは頑張っているし、雰囲気もいかにもウォン・カーウァイといった感じなのだけれど、肝心の演出がアメリカに寄りすぎ(さながら日本の監督がハリウッドの作品を撮っているような)な気もしてちょっと惜しい作品になっている。が、ノラ・ジョーンズの曲はもちろん良いし、何よりいぶし銀な脇を固めるキャスティンクがシネフィルであるウォン・カーウァイのセンスが感じられて良い。次がどうくるか大いに楽しみである。 (舟)

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