11月29日 「これが私の生きる道」 (パルテノン多摩小ホール)
●Time Table● | |
11:20−13:21 13:55−16:12 16:25−17:00 17:15−19:11 |
百万円と苦虫女 人のセックスを笑うな トーク 井口奈己監督、忍成修吾氏 グーグーだって猫である |
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百万円と苦虫女 人のセックスを笑うな トーク 井口奈己監督、忍成修吾氏 グーグーだって猫である |
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| プログラム一覧 | プログラム日程 |
百万円と苦虫女 |
2008年/日活、ポニーキャニオン、イトーカンパニー、WOWOW、電通、幻冬舎、エキスプレス製作/日活配給/2時間1分 |
監督・脚本=タナダユキ 撮影=安田圭 美術=古積弘二 音楽=櫻井映子、平野航 主題歌=原田郁子 出演=蒼井優、森山未來、ピエール瀧、竹財輝之助、齋藤隆成、佐々木すみ江 |
© 2008「百万円と苦虫女」製作委員会 |
[ストーリー] |
バイト生活を送る鈴子(蒼井)は、ひょんな事から警察のお世話になる。実家に居づらくなった鈴子は家を出て、百万円貯めては各地を転々と移り住む生活を始める。海の家、山の桃畑……さまざまな人たちと出会い、温かさにも触れるが、その関係から逃げていく。 そんな鈴子は、やってきた郊外の街でアルバイト先の先輩、大学生の中島(森山)に恋をする……。 |
[コメント] |
日本映画を担う実力派女優として期待が集まる蒼井優の3年ぶりの映画主演作。人付き合いが苦手で、不器用な鈴子の揺れ動く心情を豊かな表現力で見事に演じている。本作を手掛けたのは、『さくらん』の脚本や『赤い文化住宅の初子』などで注目を集める女流監督・タナダユキ。女性ならではの視点で、女の子の強さと弱さを描き、地味だけど憎めないヒロイン像を作り上げている。 さまざまな人との出会い、そして、恋愛。このごく普通のような出来事も不器用なヒロイン・鈴子にとっては、当たり前ではない大きな出来事であり、壁である。他者から逃げ回るような姉と、そんな姉を離れていても心のよりどころにする弟。切り離せない血のつながり。この弟の存在こそが鈴子に踏み出す力を与え、成長へと導いていたのではないだろうか。 帰れる場所があるから、旅立てる。苦くも小さな希望が響く作品だった。 (北) |
人のセックスを笑うな |
2007年/ハピネット、東京テアトル、WOWOW製作/東京テアトル配給/2時間17分 |
監督=井口奈己 原作=山崎ナオコーラ 脚本=本調有香・井口奈己 撮影=鈴木昭彦 美術監督=木村威夫 音楽=HAKASE-SUN 出演=永作博美、松山ケンイチ、蒼井優、忍成修吾、あがた森魚、温水洋一 |
© 2008『人のセックスを笑うな』製作委員会 |
[ストーリー] |
ある日、終電を逃して徒歩で帰宅中のユリ(永作)を、たまたま通りがかったみるめ(松山)、えんちゃん(蒼井)、堂本(忍成)が自分たちの車に乗せる。数日後、みるめたちの通う美術学校でみるめはユリにばったり会う。ユリは最近赴任してきた非常勤講師だった。自由奔放なユリとみるめはたちまち恋に落ちるのだが……。 |
[コメント] |
前作『犬猫』(35mm版)では、女の子同士の友情を、新鮮なキャスティングとアドリブを生かした演出、表現豊かな映像で描き、商業映画デビュー作にして大絶賛された井口奈己監督。本作は、前作にも増して俳優の新鮮な演技が生かされ、ありきたりな恋愛映画とは一線を画した傑作となった。 ユリを演じる永作博美は、まさに自由奔放という言葉が似合うけだるさの漂ういい女を嫌味なく魅力的に演じている。そのユリに翻弄されるみるめを、本作が初めての恋愛映画となる松山ケンイチが、素であるかのような自然な演技で好演。脇を固める蒼井優と忍成修吾も素晴らしく、この2人の存在がストーリーに広がりをもたらしている。 また、本作はエンディングでフィッシュマンズの名曲「MY LIFE」をMariMariが歌うという奇跡も産み出した。曲中の「今にわかるんだ こんな時が幸せっていう怪物だって」というフレーズは、恋愛真っ只中にある幸せとその幸せを失った後の喪失感を描いた本作そのものを表しているかのようで、幕が下りた後も切なさを倍増させられる。必見(必聴)! (奈) |
グーグーだって猫である |
2008年/アスミック・エース エンタテインメント、IMJエンタテインメント、住友商事、WOWOW、角川書店、ミュージック・オン・ティーヴィ、CJ Entertainment、シネマ・インヴェストメント製作/アスミック・エース配給/1時間56分 |
監督・脚本=犬童一心 原作=大島弓子 撮影=蔦井孝洋 音楽=細野晴臣 出演=小泉今日子、上野樹里、加瀬亮、大島美幸、村上和子、黒沢かずこ、林直次郎 |
© 2008『グーグーだって猫である』フィルム・コミッティ |
[ストーリー] |
人気漫画家の麻子(小泉)は愛猫サバの死をきっかけに新作が書けなくなってしまう。アシスタントのナオミ(上野)たちに心配される麻子だったが、ペットショップで見つけた子猫、グーグーとの出会いにより、元気を取り戻してゆく。心機一転グーグーを迎え新しい生活を始めた麻子だったが、ある日思いがけぬ事実を知らされる。 |
[コメント] |
ペットが可愛くて癒された。あの人に会って嬉しかった。他人にとってはたいしたことではないかもしれないけれど、これって十分に素敵なことですよね。『グーグーだって猫である』はこのような日常がちょっぴり幸せになる瞬間が散りばめられた作品です。 この映画の上手なところは日常とファンタジーの間を行き来する巧みなバランス感覚でしょう。日常に密着しすぎて湿りっぽい話になるでもない、ファンタジー側に寄りすぎて夢世界の話になるでもない、その絶妙な匙加減が、現実に起こり得るちょっとしたファンタジー、つまり日常がちょっぴり幸せになる瞬間を浮かび上がらせています。 舞台となっている吉祥寺の風景も見逃せません。夢にあふれる若者と仕事サボり中のサラリーマンが自然に同居する井の頭公園といい、普通は会えない、でも会えたらちょっぴり嬉しくなる楳図かずおさんといい、吉祥寺ってファンタジーの宝庫なんですね。散歩したくなっちゃいました。 (洋) |
●ゲストの紹介 |
井口 奈己 監督(Iguchi Nami) 1967年生まれ、東京都出身。初の自主映画作品『犬猫(8mm)』でPFFアワード2001の企画賞を受賞。04年、『犬猫』を商業映画としてリメイクし、トリノ国際映画祭で審査員特別賞などに輝く。08年1月に公開された『人のセックスを笑うな』は大ヒットを博し、現在特典映像を多数収録したDVDが絶賛発売中! |
忍成 修吾 氏(Oshinari Shugo) 1981年生まれ、千葉県出身。99年に『GTO』(鈴木雅之監督)で映画デビュー。2001年の『リリイ・シュシュのすべて』(岩井俊二監督)で注目を浴び、以降『バトルロワイアル2〜鎮魂歌』(03年・深作欣二・健太監督)、『ローレライ』(05年・樋口真嗣監督)、『北の零年』(05年・行定勲監督)など数多くの映画に出演。井口奈己監督作品には『犬猫』(04年)に次いで2度目の出演。この他、テレビドラマ、CMでも活躍中。 |
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