11月22日 「“アウトサイダー” 社会の周辺から問う私たちの現在」 (ベルブホール)
●Time Table● | |
13:00−14:20 14:30−15:53 16:10−17:00 |
眠り姫 おそいひと トーク 七里圭監督 × 柴田剛監督 |
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13:00−14:20 14:30−15:53 16:10−17:00 |
眠り姫 おそいひと トーク 七里圭監督 × 柴田剛監督 |
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| プログラム一覧 | プログラム日程 |
眠り姫 |
2007年/charm point製作・配給/1時間20分 |
監督・脚本・撮影=七里圭 原作=山本直樹 企画=越川道夫 撮影=高橋哲也 出演=つぐみ、西島秀俊(声のみ)、山本浩司(声のみ) |
[ストーリー] |
中学校の非常勤講師をしている青地(つぐみ)は、この頃何かが変だと感じている。いくら寝ても寝不足気味で学校へ行くのが億劫だ。ずっと付き合っている彼氏に対する愛情はもはやおぼろげ。気だるい毎日。繰り返し見る記憶とも妄想ともつかぬ奇妙な夢。日毎に現実への違和感が増していく……。 |
[コメント] |
何気ない日常の風景から人が抜け落ちている。主人公の青地が過ごす世界には、ほとんど人が姿を見せない。異様だ。人の声や音は聞こえるのに。奇妙だ。人が見えないのに人の気配は濃密に感じられる。 家と職場とを往復する単調な毎日の繰り返しのうちに、自分と自分との間にぽっかりと空いてしまった隙間。その隙間を満たしていくぼんやりとした不安。誰しもがふとした瞬間に感じることがあるだろう、こんな意識の動きに独創的な方法で形を与えたのが、この作品だ。人の具体的な姿は消えて、抽象的な人の気配だけが漂っている。誰もいない電車内、吸いかけのたばこ、源泉の見えない人の声や音。夢か現実か境界の曖昧な世界は、光と影が淡くうつろい、そこはかとなく美しい。暗闇から朝日がゆっくりと染み出して、枝振りの細やかな冬樹のシルエットが静かに現れる冒頭の場面には思わず息をのむ。 劇場の闇と映画の光が観客と作品との境界を曖昧にするという映画の原理がこの作品を一層面白くしている。 (友) |
おそいひと |
2004年/シマフィルム製作・配給/1時間23分 |
監督=柴田剛 製作=志摩敏樹 原案=仲悟志 撮影=高倉雅昭、竹内敦 音楽=world's end girlfriend、バミューダ★バガボンド 出演=住田雅清、とりいまり、堀田直蔵、白井純子 |
[ストーリー] |
重度身体障害者の住田は、介護者のサポートを受けて暮らしている。電動車椅子で移動し、ボイスマシーンで会話を交わす。ガシャポンとビールが好きで、介護者タケとつるむ平穏な毎日を送る。そんな彼のもとに、介護を経験したいという女子大生・敦子が現れたことからさまざまな感情が絡み合い、衝撃の結末へと突き進んでいく……。 |
[コメント] |
「住田さんって普通に生まれたかった?」 「コ ロ ス ゾ」 障害者である住田の等身大の姿を映し出す本作は、新しく介護者となった敦子とのこんなやり取りから急展開する。“私たち”と“彼等”、時には“普通”という言葉で自身と障害者の距離感を誤魔化し、傍観者という立場に留まっているすべての人に突き刺さる言葉だ。 映画を通して住田の日常に寄り添おうとするなか、もう一つのカメラが住田に向けられた残酷なまでに無邪気な視線の存在を明るみにしていく。住田にカメラを向けるのは、敦子の友人彩。好奇心と少しの恐怖心を持って住田を隠し撮りする彼女には、正直苛立ちに近い感情を抱いた。だが、血飛沫を全身に浴びた異常な姿の住田を遠巻きに眺める隣人たちがその距離感とともに、静かに、ゆっくりと映し出されていくラストシーン。そこで観客席から住田を眺めていた自分の視点が、傍観者の域さえも出ていなかった現実を突きつけられた……。 (早) |
●ゲストの紹介 |
七里 圭 監督(Shichiri Kei) 1967年生まれ。早大卒。高橋洋らがいたシネマ研究会に所属し、在学中から映画の現場で働き始める。約十年間、廣木隆一、鎮西尚一、西山洋一らの助監督を経験し、監督及び脚本家となる。2004年、山本直樹原作の『のんきな姉さん』、短編『夢で逢えたら』で、劇場映画デビュー。その後、室内楽団の生演奏付き映像の演出や、美術館製作のアート映画『ホッテントットエプロン-スケッチ』(06年)など異色の作品を発表。映画最新作としては渡辺淳一原作の『マリッジリング』がある。 |
柴田 剛 監督(Shibata Tsuyoshi) 1975年生まれ、横浜出身。中学時代から、8mm映画を撮り始める。 大阪芸術大学映像学科在学中、熊切和嘉監督作品『鬼畜大宴会』(97年)、山下敦弘監督作品『腐る女』(97年)の製作に協力。また、高岡茂監督作品『ベイビー・クリシュナ』(98年)の助監督を務める。 99年、16mmによる長編映画『NN-891102』を監督。『おそいひと』は長編第2作目。最新作には今秋公開された『青空ポンチ』がある。 |
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