第1部 戦後のコメディアン大集合! Vol.1
第2部 TAMA NEW WAVE ある視点 -- ドキュメンタリー・ナイト --

11月25日 (ベルブホール)

●Time Table●
第1部
11:00−12:50
13:40−15:14
第2部
16:00−16:38
16:50−18:08
18:20−19:18
19:30−21:07

おかしな奴
喜劇・大安旅行

愛と、生きる
ベオグラード1999
合縁奇縁 他生之縁 ここは、山根四号組
ブライアンと仲間たち パーラメント・スクエアSW1

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おかしな奴
1963年/東映製作・配給/1時間50分
 
監督=沢島忠
脚本=鈴木尚之
撮影=藤井静
照明=原田政信
音楽=佐藤勝
出演=渥美清、三田佳子、南田洋子、加藤嘉、清川虹子、佐藤慶、田中邦衛
 
おかしな奴
 
[解説]
 自ら「珍顔」を名乗り、戦後の落語界で爆発的な人気を誇った風変わりな落語家、三遊亭歌笑(1917〜50年)の短い人生を描いた東映作品。歌笑を演じた渥美清にとって、この映画は『拝啓天皇陛下様』(63年)やアフリカを舞台にした『ブワナ・トシの歌』(65年)と並んで「寅さん」以前の代表作と言えるだろう。監督の沢島忠は東映のなかでも新しい世代に属し、中村錦之助(後に萬屋錦之介)主演の時代劇「一心太助シリーズ」(58〜63年)など、フットワークの軽い演出で知られる。実在の歌笑はナンセンスな笑いを得意としたことで知られたが、沢島監督はあえてこの落語家の生涯を、滑稽な笑いばかりでなく、夫婦愛を軸にそこはかとない哀しみを込めて描いている。やがて名作『飢餓海峡』(64年)を執筆することになる脚本家鈴木尚之や、数々の黒澤明作品に音楽を提供した作曲家佐藤勝など、スタッフ陣の豪華さでも注目に値するだろう。

喜劇・大安旅行
1968年/松竹製作・配給/1時間34分
 
監督=瀬川昌治
脚本=舟橋和郎
撮影=高羽哲夫
照明=戸井田康国
音楽=木下忠司
出演=フランキー堺、伴淳三郎、新珠三千代、生田悦子、笠置シヅ子、倍賞千恵子、左とん平、牧伸二
 
 喜劇・大安旅行
 
[解説]
 新婚カップルのあふれる和歌山県の紀勢本線沿線を舞台に、蒸気機関車の機関士と専務車掌という「鉄道一筋」の父子の恋愛騒動を描いた松竹喜劇「旅行シリーズ」(1968〜72年)の第1作。この作品がヒットするや、松竹のドル箱シリーズとして全国の鉄道沿線でロケーションが行われた。ここでは伴淳三郎とフランキー堺が父子を、相手役となる料理屋の母娘を笠置シヅ子と新珠三千代が演じ、恋心や人情、嫉妬といった感情が入り交じるさまが、土地の風物も折り込みながら鮮やかに描写されている。60年代以降の日本の喜劇映画を代表する瀬川昌治監督は、アクの強いコメディアンたちの多様な持ち味を伸ばすことに優れ、多くの喜劇人を印象的にスクリーンに登場させている。瀬川監督は「旅行シリーズ」の前にも東映で渥美清主演の「列車シリーズ」(67〜68年)をヒットさせており、いずれも当時の国鉄が全面的に協力している。

愛と、生きる
2008年/8mm、一部ビデオ/38分
 
監督・撮影・音楽・編集=石田未来
指導=原一男・小林佐智子
 
愛と、生きる
 
[作品紹介]
 両親と10年以上連絡をとっていない父とその息子の僕。2008年夏、僕たちは千葉行きの電車に乗っていた。
 
石田 未来(いしだ みく)監督

 1986年生まれ、東京都出身。大阪芸術大学卒業。ジャッキー・チェンに憧れ本気のカンフー映画を撮るため大阪芸術大学入学。同志が見つからず、挫折。4年生時に原一男監督に出会う。現在、同監督に師事しながら「人は愛するということ」をテーマにドキュメンタリーを数本制作中。続編『愛と、歩く』が待機。
 ブログ「石田未来の風俗と夜」 http://d.hatena.ne.jp/ishidamiku/
 
[メッセージ]
 人はなぜ生まれ、なぜ死ぬのか。なぜ愛するのか。なぜ働くのか。人は愛するということ。
 この映画を観るたびに、両親が僕に向かってそれを語りかけてくれてるような気がして、恥ずかしながらいつも涙してしまいます。

ベオグラード1999
2009年/DV/1時間15分
 
監督・撮影・編集=金子遊
録音・スチル撮影=牧野壽永
撮影助手=忠地裕子
出演=木村三浩、篠原真由美
 
ベオグラード1999
 
[作品紹介]
 2006年11月、元恋人が自殺した。彼女は新右翼一水会へ入り6年間事務局員を勤めた。私は1999年〜2000年にかけて一水会の活動を撮影した。そこに映るのは、全共闘ジュニアの私が新右翼活動家木村三浩に惹きつけられていく過程。舞台は経済封鎖下のイラクから、NATOの空爆直後のユーゴスラビアへと……。
 
金子 遊(かねこ ゆう)監督

 1974年生まれ、神奈川県出身。慶大在学中に『わが埋葬』を「メディアウェイブ・フェスティバル」(ハンガリー)に出品。2008年『ぬばたまの宇宙の闇に』を「イメージフォーラム・フェスティバル」で特別上映。2009年『ベオグラード1999』を「田辺・弁慶映画祭」のコンペティション部門で上映。
 
[メッセージ]
 1999年の国旗・国家が法制化された世相のなか、私たちは戦争や自爆テロといった「世界」に触れられるところにいました。映画は「わが青春の蹉跌」であると同時に、9・11直前の日本の新右翼のドキュメントでもあります。

合縁奇縁 他生之縁 ここは、山根 四号組
2007年/mini-DV/58分
 
監督=青山佳世
出演=渡邉咲子、咲子さんの家族、山根地区の方々
 
合縁奇縁 他生之縁 ここは、山根 四号組
 
[作品紹介]
 渡邉咲子さん70歳。母と一緒に山根(福島県)で育ちました。いつも山根に行くと挨拶だけで、長い間どんな人なのかも知りませんでした。そんな「挨拶だけの人」「ずっとここに住む人」ってどんな人だろうと思い、知りたくなりました。2005年7月から2006年5月まで、葉たばこ作りを通して、自分と渡邉咲子さん、ひとり対ひとりから始まったちょっとずつ広がっていくふれあいのお話です。
 
青山 佳世(あおやま かよ)監督

 大学研究室(2008年)で実験補助として働きながら、2005年より本作品の撮影を始める。本作が初作品。IMAGE FORUM FESTIVAL 2008入選。
 
[メッセージ]
 田舎のよくある風景かもしれません。見たことある日常かもしれません。これって「あった、あった。」「あるよ、ある。」なんて、思って笑って帰ってくれたら、うれしいです。家の周りは畑。そんな東京に住んでます。なんか畑っていい。

ブライアンと仲間たち パーラメント・スクエアSW1
2009年/mini-DV/1時間37分
 
監督・撮影=早川由美子
音楽=YANEKA
出演=Brian Haw
 
ブライアンと仲間たち パーラメント・スクエアSW1
 
[作品紹介]
 ロンドンの国会議事堂前の広場にテントを張り、8年以上も1日も休むことなく反戦活動を続けるブライアン・ホウ。世界中の支持者からメッセージが寄せられ、共にテントを張って抗議活動をするサポーターも現れた。ユーモアあふれる精神で、政府や警察に果敢に対抗する彼らを追ったドキュメンタリー。
 
早川 由美子(はやかわ ゆみこ)監督

 1975年生まれ、東京都出身。公務員、会社員を経て2007年に渡英。ロンドンでジャーナリズムを学ぶ傍ら、独学で映像製作を始める。2009年度日本ジャーナリスト会議・黒田清JCJ新人賞受賞。
 
[メッセージ]
 サッカー、王室、ビートルズ……。本当のイギリスはこれだけじゃない! という気持ちで作りました。観て頂けることを楽しみにしています!

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