第1部 戦後のコメディアン大集合! Vol.2
第2部 TAMA NEW WAVE ある視点 -- ハートフル・ナイト --

11月26日 (ベルブホール)

●Time Table●
第1部
11:00−12:31
13:20−14:48
第2部
16:00−17:12
17:25−17:55
18:10−19:30
19:45−21:03

吹けば飛ぶよな男だが
あゝ軍歌

上京物語〜A Farewell to A Missing Cat〜
金魚
うつせみ
くらしの手帖

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吹けば飛ぶよな男だが
1968年/松竹製作・配給/1時間31分
 
監督・脚本=山田洋次
脚本=森崎東
撮影=高羽哲夫
照明=戸井田泰国
音楽=山本直純
出演=なべおさみ、緑魔子、犬塚弘、芦屋小雁、佐藤蛾次郎、ミヤコ蝶々
 
吹けば飛ぶよな男だが
 
[解説]
 大阪の街を舞台に、やくざの幹部に憧れるチンピラと九州から出てきた家出娘の恋模様を描いた山田洋次監督の秀作コメディ。最初チンピラの三郎は家出娘花子をだまして金を稼ごうとするが、善意のかたまりのような花子の無垢さに打たれ、やがて心のつながりを感じてゆく。当時、若手コメディアンの成長株であったなべおさみと、一風変わった存在感を放つ女優緑魔子が不器用な「連帯」で結ばれた二人を好演したほか、ミヤコ蝶々、犬塚弘といった助演組、さらには小沢昭一による活弁調の解説もこの作品に独特の彩りを添えている。山田監督は、この作品に込めたのは「アホなチンピラ」のおかしさであると後に述べたが、その一方でほろ苦い結末の描き方も魅力となっている。脚本はほとんど森崎東が執筆しているが、社会の決まり事から外れた世界で生きる人々への共感は、後の「フーテンの寅」像にもつながるだろう。「キネマ旬報」ベストテン第10位。

あゝ軍歌
1970年/松竹製作・配給/1時間28分
 
監督・脚本=前田陽一
脚本=満友敬司
撮影=加藤正幸
照明=佐久間丈彦
音楽=大森盛太郎
出演=フランキー堺、財津一郎、倍賞千恵子、北林谷栄、大村崑
 
あゝ軍歌
 
[解説]
 戦争中、精神障害の真似をしてわざと野戦病院に入り、死を逃れた二人の男は、その後、戦没者をまつる神社へ遺族を案内する怪しげな観光ガイドとして暮らしていた。その男たちのもとへお婆さん、未亡人、少女、ヒッピー風の男が次々と迷い込んでくる奇妙な生活を描いたこの作品は、1960年代以降の松竹喜劇を支えた前田陽一監督の代表作である。そこに息づく屈折した批判精神には師匠の渋谷実監督の影響も垣間見える。その作風について、主演のフランキー堺は、「旅行シリーズ」の瀬川昌治監督の「軽喜劇」に対する、前田作品の「重喜劇性」と説明して敬意を表した。劇中の所々に軍歌が挿入されて作品のリズムを築いているが、この映画で「歌」が作品の血肉となっているように、前田監督は歌謡映画にも定評があり、『進め! ジャガーズ敵前上陸』(68年)などのヒット作を送り出した。

上京物語〜A Farewell to A Missing Cat〜
2008年/HD/1時間12分
 
監督・脚本=松崎香南子
撮影=下沢和寛
照明=岩下和裕
録音=鈴木昭彦
楽曲提供=石橋英子
出演=恒吉梨絵、望月章男、小野まりえ、藤真美穂、内田量子、下江昌也、松岡俊介、鈴木卓爾
 
上京物語
 
[作品紹介]
 行方不明の姉・由羽を捜しに上京した珠恵。同級生の徳子の元に居候し、何でも屋で働く姉の元恋人・善を訪ねるが、みつかる気配はない。一方、善は客のみひろから猫探しを頼まれるが、うまくいかない。
 みつからない姉、みつからない猫。珠恵の、ほんの短い上京物語。
 
松崎 香南子(まつざき かなこ)監督

 1982年生まれ、福岡県出身。高校在学中より実験映画製作を始め、早稲田大学入学後、商業映画の製作現場に美術・装飾助手として参加。卒業後、助監督に。『上京物語』は初の長編作品。コツコツコツコツ脚本を書く日々。
 
[メッセージ]
 迷い猫にさようなら。そうしないと進めないこともある。女は唐突で極端、いいんじゃないかな……。きっといいと思います。

金魚
2009年/DV/29分
 
脚本・監督=岡田茂
撮影=児山隆
録音=砂金慶佑
編集=太田静香
音楽=伊東明日香
出演=鶴ヶ崎笑香、濱田翔
 
金魚
 
[作品紹介]
 明日から夏休み。校庭で半ズボン姿の少年2人が成績表を見せ合っていた。でも眼鏡を掛けた少年はどうも浮かない顔。なぜなら引っ越しの予定が早まり今日の夜に町を出て行かなければならないのだ。それを聞いた大きな目の少年は怒り出す。今晩お祭りに行く約束をしていたからだ。彼は眼鏡の少年に「ここで待っていろ!!」と言い残すと、急いで家に帰り、桃色の浴衣に着替え、また家を飛び出していく。そして再び、彼(彼女)は学校への道をひた走る。自分の浴衣姿を、ひと目だけでも、アイツに見せたいばかりに……。
 
岡田 茂(おかだ しげる)監督

 1975年生まれ、神奈川県出身。自主制作短編『月がとっても青いから』、『某日快晴ワレ告白セリ』などが各映画祭で入賞。映像テクノアカデミア卒業。現在、映像関係の仕事に従事しながら、自主映画製作を中心に活動中。
 
[メッセージ]
 『小さな予感』をテーマに作った短編です。撮影は3日、完成までは4年(諸事情で)という作品です。撮影時に小6だった子役の2人とこの前会った時、高校生になっていてビビりました。

うつせみ
2009年/mini-DV/1時間20分
 
監督=佐藤敬
脚本=阿部鉄兵
撮影=西本昌弘
音楽=的場優
出演=川本貴浩、鈴木未穂、松浪志保、佐野大樹、津田寛治
 
うつせみ
 
[作品紹介]
 母親と息子。いくら年月が経とうとも、いくら忘れてしまったとしても、いくらお金を積もうとも、その関係を無かったことにはできない。そんなお話です。
 
佐藤 敬(さとう たかし)監督

 1985年生まれ、新潟県出身。新潟明訓→東京工芸大卒。中学時代より映像制作を始める。高校、大学と思えばずっと映像を作っている。
 UGintegral: http://www.ugintegral.com/
 
[メッセージ]
 この映画はエンターテインメントではありません。観て下さる人が楽しめるという保証はいたしません。
 ただ、スタッフやキャスト全員が「親」とは何かを本気で考えながら作りました。この映画を観て下さった方が一瞬でも自分の親のことを考えるきっかけになるのであれば、私は幸せです。

くらしの手帖
2009年/mini-DV/1時間18分
 
監督・脚本・撮影=星野顕亮
撮影=三澤正紀
音楽=巻く音(jujumo)、アイヴォリーボート、タイフーン・ミニスターズ
出演=内田雅樹、服部晃大、里中あや、寺岡泉美、飛野悟志、正木蒼ニ
 
くらしの手帖
 
[作品紹介]
 町村は新聞に「コンニチ君」を連載している漫画家。4コマ漫画の中に密かに暗号を忍ばせて、ある人物にメッセージを送ろうとしていた。
 大学同期で同じく漫画家の加茂も4コマ連載「東海道つれづれ日記」を始めることになった。
 それを知った町村は加茂に協力を持ちかけた。2人は大学時代に起こしたやむを得ない事情により、共同である人物を探す必要があったのだ。
 一方、「コンニチ君」の読者、優希子はふとしたことで絵に違和感を覚え、「東海道つれづれ日記」との関連性に気づいていく……。
 
星野 顕亮(ほしの けんすけ)監督

 1975年生まれ、京都府出身。『セカンドライン』FIFF2007優秀賞。『ヘルベチカ ステップス』第8回TAMA NEW WAVE ある視点部門入選、第4回CO2 オープンコンペ部門入選。『タイフーン・ミニスターズ THANK YOU VERY MAXXX』 @nifty NeoM rePublic 2008入選。
 
[メッセージ]
 新聞に忍ばせた暗号、絵画の盗難など古典的探偵小説のような要素を用いて、日常生活の範囲を少しだけ超えたオジサンたちの活劇と友情を描きます。

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