●挨拶●
第19回映画祭TAMA CINEMA FORUMを迎えます。
19年という歳月は、非常に長い時間であります。それとともにあっという間に過ぎた時間でもあります。1991年に生まれた子が小・中・高校を経て大学生になる歳月。社会的にもさまざまの変化があった20世紀から21世紀への時間。そのなかで普通の市民が集まってこの映画祭とともに育ち、世界の変動、経済の荒波にもまれながら生きてきた時間でもあります。ボランティアとして集まってきた学生、教師、サラリーマン、主婦……さまざまの階層や年齢の人が毎年、壁にぶつかりながら、生き、育ってきた映画祭です。
今年はメイン会場であったやまばとホールが使用できなくなり会場の減少という物理的制約のなかで、色々な分野における変化に富む多くの作品を、できるだけ紹介しようと努めました。その運営がうまくいくかどうかはわかりません。今後持続できるかどうかの問いを背負いながら、手さぐりで作ってきたのが今年の映画祭です。
新人監督発掘という「TAMA NEW WAVEコンペティション」に引き続き本年から、「TAMA映画賞」を発表いたします。観客の立場から、日本映画とどう関わっていくのか。上映する場を提供し、制作に携わった人びととの交流のなかから、映画という娯楽を、文化として認識していくなかで新しい文化の創造に参加できないかという思いがあります。
私たちの映画祭は、国の芸術文化振興基金、多摩市、多摩市教育委員会、多摩市文化振興財団をはじめ、多くの企業からの協賛、協力をいただいております。忘れてならないことは、多くの市民からのサポートによって支えられているということです。経済的な面や労力の提供などいろいろな形で出来上がっているのです。そして何よりも、皆さんが観客として参加してくださることで私たちの映画祭は成立します。この1年、準備に明け暮れた実行委員会の委員の活動にも目を注いでください。若さと活気に満ちています。ボランティアといいながらもそのエネルギーは、メールやインターネット上でもあふれています。日常の活動のなかでも、手作りの映画祭のにおいがいっぱいです。
変化しながら持続する。19年という時の積み重ねに、若い委員たちのエネルギーを生かしたい。そのなかで映像文化を育てていく。
それが私たちの願いです。
TAMA映画フォーラム実行委員会
委員長 水野信利
●祝辞●
多摩丘陵に映える紅葉もひときわ色を増してきました。富士の山を望むこの緑の郷“多摩”の秋の風物詩、TAMA CINEMA FORUMがやってきました。第19回目の開催を、心からお祝い申し上げます。
市民映画祭として全国に誇れるTAMA CINEMA FORUM は、街に想いを馳せ、こよなく映画を愛する実行委員会の皆さんを中心に、企業・関係団体の皆さんの協力を得て、企画から運営まで一貫して作り上げられています。水野実行委員長はじめ、関係者各位の熱意とご尽力に深く敬意を表するとともに、毎年、会場に足を運んでくださる多くの参加者の皆さんに、心から感謝を申し上げます。
本映画祭では、子どもから大人まで楽しめる旬の話題作は勿論のこと、ドキュメンタリーや海外の映画祭で賞賛された作品、劇場公開前の注目作品など、幅広く取り上げて上映されています。映画を「作る人」「出演する人」「観る人」が一体となって、映画が与えてくれる感動を味わうことができる、それが映画祭ならではの楽しさです。どうぞ今年も映画三昧のひと時をお過ごしいただきたいと思います。
また、この映画祭の特色のひとつである若手映像作家の発掘・育成を目的とした「TAMA NEW WAVEコンペティション」が10回目を迎えました。ここでノミネートされた作家の作品が、国内外の他の映画祭へ出品されグランプリを受賞するなど高い評価を受け、劇場公開といったメジャーデビューを果たした若手作家も輩出しています。本コンペティションには毎年全国から多数の作品が応募されており、若手作家からは大きな期待が寄せられています。
さらに今年から、明日への元気と夢を与えてくれる、活力溢れる新鮮な作品・監督・俳優を、映画ファンの立場から感謝をこめて表彰する「TAMA映画賞」が設立されました。
このような“多摩市発”の映像文化発信源として、飛躍を続けるTAMA CINEMA FORUMが、映画を愛する方々の感動の場となることを願い、さらなる発展を遂げられますことを期待しています。
多摩市長 渡辺幸子
◆主催・お問合せ◆
TAMA映画フォーラム実行委員会 / 財団法人多摩市文化振興財団 〒206-0025 多摩市永山1-5 多摩市立永山公民館内 事務局 TEL 080-5450-7204(直通) TEL: 042-337-6661 FAX: 042-337-6003 |