ノンストップアクションスペシャル

11月26日 「ノンストップアクションスペシャル」 (パルテノン多摩大ホール)

ダイ・ハード3
DIE HARD WITH A VENGEANCE
1995年/アメリカ/アンドリユー・G・ヴアイナ・プロ/20世紀FOX配給/2時間8分
 
監督=ジョン・マクティアナン
脚本=ジョナサン・ヘンスレー
撮影=ピーター・メンジーズ
音楽=マイケル・ケイメン
出演=ブルース・ウイリス、ジェレミー・アイアンズ、サミュェル・L・ジャクソン
 
[ストーリー]
 早朝のマンハツタン。5番街の高級デパートが爆破された。サイモン(J・アイアンズ)という男から犯行声明が届く。彼が”ゲームの相手”に指名したのは刑事ジョン・マックレーン(B・ウイルス)。最初のゲームは“オレは黒人がキライだ”と書かれた看板をハーレムで背負うこと。次のゲームは地下鉄の爆破。30分以内にウォール・ストリート駅に行かなければならない。ハーレムで助けられた家電修理屋ゼウス(S・L・ジャクソン)の手を借り、マックレーンはこれをクリア。息をつく間もなく、次は小学校の爆破予告。果たしてサイモンとは何者なのか? そして彼の目的は? その真意は何なのか?
 
[コメント]
 「待つていました、ダイ・ハードマン」といいたくなるような冒頭の爆破から、最後の最後まで爆発シーンのオンパレード。終始息を飲むほど緊張感にあふれている、と言いたいところだが、シリーズも3度目にもなるといつもギリギリのところでマックレーンがかわしてしまうとインプットされていて、いまいちアドレナリンが沸き立たない。第1作を超える続編はない、とシリーズものは言われがちだ。「ダイ・ハード」もその域を超えていないように思う。しかし第1作のJ・マクティアナン監督が舞い戻り、ブロンドにブルーコンタクトで(少し)スティング似のJ・アイアンズ、「パルプ・フィクション」でも共演していたS・L・ジャクソン、そしてPART3になつてギャラも3倍になったのにやつぱり「なぜオレぱっかり?」と言い続けるB・ウイルスの好演。それに元々はシリーズとは関係なく書かれたオリジナルの脚本「Simon Says」。これだけ揃っていて悪いはずもなく、なんだかんだ言つても、見応え十分の作品である。そしてサイモンから出されるなぞかけ。短いシーンだから流してしまうかもしれないが、3Galと5Galの容器で4Galの水を計る方法。このなぞかけの答えを考えているうちに映画は終わってしまうのでした。 (枝)

トゥルーライズ
TURE LIES
1994年/アメリカ/ライトストーム・エンターテイメント/日本ヘラルド映画配給/2時間21分
 
脚本・藍督=ジェームズ・キヤメロン
撮影=ラッセル・カーペンター
音楽=ブラット・フイーデル
出演=アーノルド・シュワルツェネッガー、ジエイミー・リー・カーティス、トム・アーノルド
 
[ストーリー]
 国際機密機閑、オメガー・セクターのスペシャル・エージェント、ハリー・クスカー(A・シユワルツェネッガー)は極秘機関ゆえ、愛する妻ヘレン(J・L・カーティス)と娘にも真実を打ち明けることが出来ない。それ故か、いつしか生活に深い溝を作っていた。そんなある日、核を使うテロ組織を阻止せよとの指令を受ける。テロ組織のリーダー、アジズを追い詰めるハリー。———が、激しい銃撃戦の末、ハリーはアジズを取り逃がしてしまう。度重なる混乱め中、テロ組繊の本拠地に監禁されたハリーとヘレンは、アメリカで核を爆発させる計画を知る。カウントダウンは始まつた。ハリーはアメリカと家族を救うために戦い始める。
 
[コメント]
 とにかく「凄い!」作品である。何が凄いかと言うと作品が「凄い!」と語らない所が「凄い!」(?)アクション大作にありがちな、ここぞという場面を「どうだ!」と言わんばかりに見せつけることは皆無。とてつもない場面をあたり前の如く、いともあっさりと連続させ、時にはそれを笑い飛ばしてみせる贅沢さ。それでいて力強さを失わない監督ジェームズ・キャメロンの太っ腹な演出に脱帽。「ターミネーター」シリーズや「エイリアン2」などでお馴染みのキャメロン。SFアクションを得意とし、派手なアクションはパワフルでビジュアル感覚にも優れ、映像は美しく、繊細なイメージも醸し出す。本作は前作と少し異なりコメディ色が多少強い。終盤、娘を救うべくテロ組織が潜むピルの一室にハリアー・ジェット機ごと乗りつけ、窓ごしににらみを利かせるシュワルツェネッガー、この感覚とタイミング。———鳥肌がたったのは私だけではないだろう…。 (学)

スピード
SPEED
1994年/アメリカ/20世紀FOX配給/1時間55分
 
監督=ヤン・デ・ボン
脚本=プラハム・ヨスト
撮影=アンジェイ・パートコウィアック
音楽=マーク・マンシナ
出演=キアヌ・リーブス、テニス・ホッパー、サンドラ・ブロック
 
[ストーリー]
 ロサンゼルスの高層ピルで、現金強奪を目的とした爆発が起こり、エレベーターが宙吊りになつてしまう。SWAT隊のジャック(K・リープス)と相棒のハリーは現場に急行し、中にいる人々を無事救出するが、犯人のハワード(D・ホッバー)を捕り逃した。後日、ジャックの目前でパスが爆発、さらに別のパスにも爆弾を仕掛けたというハワードからの脅迫電話を受ける。そのパスは時速80Km以下になると爆発する仕組みになつているという。ジャックは乗客を助けるためパスに乗り込み、ハワードとの命がけの戦いが始まる…。
 
[コメント]
 映画を観ていて、後どれくらいで終わるかなと時計を見てしまうことがあるが、この「スピード」に関してはそれに当てはまらない。冒頭の犯人、D・ホッバーの怪しい笑みから、緊張と興奮はハイテンションに上り、それは映画終了まで続く、特に切断された道路を飛び越えるシーンは、その大胆な発想に圧倒される。また、パスの下に潜り込んで爆弾を取り外そうとするシーンのカメラワークに、私たちは画面に釘付けになつてしまうだろう。短髪の似合うK・リーブスはスタントなしでハードアクションをこなしており、カッコイイの一言だ。彼はコメディ、シリアス青春もの、ラブロマンスなどさまぎまなジャンルの映画に出演しているが、この映画でまた一つアクションという幅を広げた。「スピード2」も決定されており、一作目以上のスリルを期待してしまうのは私だけではないだろう。 (裕美)