ドラえもんのび太の日本誕生 |
1989年/シンエイ動画、小学館、テレビ朝日/1時間42分 |
監督=芝山努 原作・脚本=藤子・F・不二雄 作画監督=富永貞義 音楽=菊池俊輔 声の出演=大山のぶ代、小原乃梨子、たてかべ和也 |
[ストーリー] |
日常に嫌気がさしたのび太は家出を決意し、空き地や裏山に住もうとするが土地の持ち主に追い出されてしまう。ジャイアン、スネ夫、しずかたちも些細な悩みから今の生活から抜け出したいと、のび太と一緒にドラえもんに泣きついてくる。そこでドラえもんは大昔の世界へとのび太たちを連れていく。7万年前の日本に来たのび太たちはそこで各々の役割を決め、自分たちの理想的な国を創ろうとする。しかし、そこでは魔術師と称する謎の男が人を強制労働させ、支配していた。のび太たちは自分たちの先祖にあたるその人たちを救うべく、戦いに挑む。 |
[コメント] |
つまり、ご飯だと思う。海外旅行に行って異国の、憧れの料理をたらふく食っても、結局、「日本の飯がいい、ご飯が食いたい」となる。毎日、日常に当たり前のように存在し、普段はそれに有り難さを感じることなど微塵もなく、しかし、一旦それがもう無くなってしまう……というときになると行列など何のそのー! と買いに並びまくる。それが<ご飯>、それが<ドラえもん>である。のび太はしずちゃん(漫画ではしずかではなくしずちゃん)と結婚するわけだが、その二人の結婚前夜を描いた「のび太の結婚前夜」というエピソードが一番好きだ。結婚前夜しずちゃんはお父さんに突然、自分はお父さんに何もしてあげられていないからお嫁にいくのをやめると言いだす。お父さんはそんなしずちゃんを「のび太くんのことを信じてついていきなさい」と宥め諭す。「のび太くんは人の喜びも悲しみもわかる青年だ」とも。これは<ドラえもん>の世界の精神をよく表わしている良い台詞である。こう感じるのも今だからなのだが、幼いときから素敵な物語を贈ってくれた方にはめちゃくちゃ感謝したい。これからもよろしく。 (暢) |
学校の怪談2 |
1996年/東宝、サンダンス・カンパニー/1時間43分 |
監督=平山秀幸 原作=常光徹、日本民話の会 脚本=奥寺佐渡子 撮影=柴崎幸三 SFXプロデューサー=中子真治 美術=中澤克巳 出演=野村宏伸、西田尚美、岸田今日子、米倉斉加年 |
[ストーリー] |
「4月4日午後4時44分、この学校では……。」和尚さん(米倉)の怪談話におびえる子どもたち。春休みを利用して、東京から塾の生徒たちがお寺に合宿に来ていた。子どもたちが地元の小学生たちと季節はずれの<きもだめし>を行なっている頃、怪しげな若いお坊さん(野村)が現われお寺の屏風を盗み、和尚さんの話していた廃校になったあの学校に逃げ込んだ。そして、子どもたちも一人一人何かに誘われるように学校に閉じこめられ、そのなかの一人が大時計を止めてしまった。今日は4月4日。大時計が指した時刻は4時44分……。 |
[コメント] |
去年の夏に公開され、大ヒットを飛ばした『学枚の怪談』がパワーアップして帰ってきた。今回もさまざまな<お化け>たちが現われて、子どもたちを怖がらせるのだ。(でも、劇場に来ていたチビッコはお化けが出る度に喜んでいたけどね。)平山秀幸監督以下前回と同じスタッフが、今回もSFX等を駆使して楽しませてくれる。こういった「作り物」の映画がもっと日本映画に増えてくれないと、いつまでも他国のレベルに追いついていかない、と思う。そのためにもこのシリーズと『ガメラ』にはもっと続いて欲しいです、ホントに。などと勝手なことを考えて観ていたら、ちゃーんと映画の最後に『学校の怪談3』の予告が出てきました。さすがは東宝さん、ぬかりがありません。しかも聞くところによると次回作の監督は『ガメラ』の金子修介監督だというではありませんか。(やっぱり<G3>って略すのか?)今から来年の夏が待ち遠しくって仕方がありません。ああ、今の小学生がうらやましい。 (鬼) |
ガメラ2/レギオン襲来 |
1996年/大映、日本テレビ放送網、博報堂、富士通、日本出版販売/1時間39分 |
監督=金子修介 脚本=伊藤和典 撮影=戸澤潤一 特技監督=樋口真嗣 音楽=大谷幸 出演=永島敏行、水野美紀、吹越満、藤谷文子 |
[ストーリー] |
宇宙から飛来した謎の生命体、レギオンは同じく飛来した巨大草体と共生しながら爆発的に繁殖していく。レギオンの活動源はシリコン。情報通信網を支える半導体や光ファイバーの主原料であることから札幌、仙台、東京と情報過密都市が標的とされ日本崩壊の恐怖が現実のものに……。 |
[コメント] |
前作で言えば、例えば映画前半、ギャオスが人のいる島まで飛んでいくのを、鳥類学者の長峰らがヘリで追うところ。ヘリの操縦者になんとかギャオスまで追い付けないかと懇願する長峰を刑事の大迫はとんでもないと取り合おうとしないとき、「(島まで)行きます……」とただ一言を言って、ヘリを猛スピードで飛ばす操縦者。例えば木曽山中でギャオスに救われた子供が、傷付き飛び去っていくガメラに送る無言の視線。例えば勾玉握って「ガメラの心がわかる」と言っている浅黄……等々、この怪獣という最も荒唐無稽で現実と程遠いはずの映画の世界の諸々のディティールが、どんな他の物語よりも真実味があり、愛しく、信じるに値する。だってそうだろ、浅黄は「ガメラはきっとまた来るよ」と最後で言っていて本当にこの夏、来たんだから。こりゃ間違いない本物だ。 (暢) |
ジュマンジ JUMANJI |
1995年/アメリカ/インタースコープ・コミニュケーションズ、タイトラー・フィルム/ソニー・ピクチヤーズ配給/1時間44分 |
監督=ジョー・ジョンストン 脚色=ジョナサン・ヘンズリー 撮影=トーマス・アッカーマン 音楽=ジェームズ・ホーナー 出演=ロビン・ウイリアムズ、ポニー・ハント |
[ストーリー] |
むかしむかし、暗い閣の森の中を2人の少年が大きな木箱を運んでいた。少年たちは深い穴を掘り木箱を埋めた。100年後、森には工場が建っており、拡張工事で地下深くを掘っていた。工場主の息子であったアラン(R・ウイリアムズ)はそこで奇妙な太鼓の音を聴いた。そこを掘ってみると大きな古い木箱が出てきた。木箱の中にあったのは、なんとボードゲームだった。喜び勇んで家にゲームを持ち帰るアラン。しかしそのボードゲーム<ジュマンジ>は普通のゲームではなかったのだ……。 |
[コメント] |
ロビン・ウイリアムズは今までにも『トイズ』とか『フック』など、どちらかといえばSFX主体の映画に数多く出ている。こういう映画はスターが出ると、顔が「ギャラのため」と言ってる俳優が多いのだが、ロビンは本当に楽しそうにやってくれる。偉いぞ、ロビン!(ちなみにロビンの映画デビュー作は『ポパイ』実写版だ。特殊メイクでポパイの顔をしたロビンはすごいぞ。しかも監督はロバート・アルトマン!)この作品で話題になったのは、なんといってもILMがCGで作り出した動物たちの数々だ。サイや象なんかホント本物に見えます。SFXもここまで来たか、という感じです。このボードゲーム<ジュマンジ>のレプリカなんてのは発売されなかったのかな、もしあるなら一度やってみたい気がします。サイとかライオンが襲ってくるのはちょっと嫌ですけど。最後に一つ問題を。ロビンが砂地獄に沈んでいった時に、次の番の子どもがダイスを振ったら砂が止まったのはなぜでしょう? 解った方は教えてちょうだい。 (鬼) |