11月22日 「おすぎの特選映画シアター」 (やまばとホール)
●Time Table● | |
10:50−11:00 11:00−13:07 13:30−14:50 15:10−17:03 17:25−19:19 |
オープニング グッド・ウィル・ハンティング おすぎのシネマレクチュア ビヨンド・サイレンス チェイシング・エイミー |
●Time Table● | |
10:50−11:00 11:00−13:07 13:30−14:50 15:10−17:03 17:25−19:19 |
オープニング グッド・ウィル・ハンティング おすぎのシネマレクチュア ビヨンド・サイレンス チェイシング・エイミー |
グッド・ウィル・ハンティング GOOD WILL HUNTING |
1997年/アメリカ/ローレンス・ベンダー・プロ/松竹富士配給/2時間7分 |
監督=ガス・ヴァン・サント 脚本=マット・デイモン、ベン・アフレック 撮影=ジャン=イヴ・エスコフィエ 音楽=ダニー・エルフマン 美術=メリッサ・スチュアート 編集=ピエトロ・スカリア 出演=ロビン・ウィリアムズ、マット・デイモン、ベン・アフレック |
[ストーリー] |
ウィル・ハンティング(M・デイモン)はたびたび警察の厄介になる問題児。家庭に恵まれず、心の内に深い孤独を抱えている。そんな青年が、ある日仮釈放職業プログラムの一環として用務員の職についていたMIT(マサチューセッツ工科大学)で在籍していた数学教授のランボーにその類稀なる才能を見出され、人生の転機を迎える。繊細な自分を守るあまり、心の底では愛を渇望しながらも周囲に対して反抗的な態度をとり続けるウィル。 ランボーの紹介でセラピストのショーン(R・ウィリアムス)と知り合う。「君が自分の人生を語らないのは、それが怖いのかもしれないな」ウィルの胸にショーンの言葉がゆっくりしみこんでいく……。 |
[コメント] |
この映画は友情に充ちている。はじまりは、マット・デイモンがハーバード大学の授業のために書いた40ページの戯曲。それを読んだ幼なじみのベン・アフレック(チャッキー役)が話に乗り、その後彼らはシーンをひとつひとつ演じながら2年の歳月をかけて脚本を完成させた。そして二人の長年の友情は、「97年最大の収穫」と絶賛を浴びた本作の脚本でアカデミー賞を受賞し、映画史に刻まれるものとなった。 まだ自分の生き方を見つけられずにいる若者と、最愛の妻と死別し絶望に苛まれる中年セラピスト。癒されない孤独と喪失感を抱えた者同士は互いに言葉を交わすことで、生きることに臆病になっている自分自身に気づく。本当の自分と対峙することで二人は過去に別れを告げ、自分の力で明日へ向かって最初の一歩を踏みだす。人と人との出会いは斯くも素晴らしきものなり。 (京) |
ビヨンド・サイレンス JENSEITS DER STILLE / BEYOND SILENCE |
1996年/ドイツ/クラウセン、ウォッケ・フィルム、ロキシー、フィルムGMBH、COKG/パンドラ配給/1時間53分 |
監督・脚本=カロリーヌ・リンク 脚本=ベス・ゼルリン 撮影=ギャルノット・ロル 音楽=ニキ・ライザー 美術=スーザン・ビーリング 編集=パトリツィア・ロンメル 出演=シルヴィー・テステュー、ハウィー・シーゴ、エマニュエル・ラボリー |
[ストーリー] |
聾唖の両親を持つ少女ステラは、幼い頃から両親を助け家庭を切り盛りしていた。ある日一本のクラリネットと出会い、ララは音楽の素晴らしさに目覚め、音楽家への道を歩み始めるが・・・。 |
チェイシング・エイミー CHASING AMY |
1997年/アメリカ/スコット・モージェ/エース・ピクチャーズ配給/1時間54分 |
監督・脚本・編集=ケヴィン・スミス 撮影=ディヴィッド・クライン 音楽=ディヴィッド・ビルナー 美術=ロバート・"ラットフェイス"・ホルツマン 編集=スコット・モージェ 出演=ジェイソン・リー、ベン・アフレック、ジョーイ・ローレン・アダムズ |
[ストーリー] |
親友バンキー(J・リー)と漫画家コンビを組んでいるホールデン(B・アフレック)はコミックマーケットで出会った同業者アリッサ(J・L・アダムス)に一目惚れ。が、彼女はレズだった。デートを重ね親密度を増していくものの、彼女の意外な過去を知り愕然とする。一方、バンキーは仕事そっちのけで不埒なアリッサと交際するホールデンに不満。男同士の友情も壊れ始めた。困惑するホールデンは漫画のモデルになった男から昔の恋人エイミーの話を聞かされ、新しい三人の関係を提案するのだが……。 |
[コメント] |
惚れた相手が実はレズだった、軽そうだが実は奥深い話だった、というように蓋を開ける前と後で、“印象”と“実際”のギャップを感じたことはないか。「思い込み」とか「先入観」が自分の世界を狭める、と感じたことはないか。 自由奔放なアリッサの生き方が語りかける、「それじゃ人生つまらない」と。 出会って、興味を持って、信じてこそ理解できる事柄が世の中少なくない。だから、偏見持ったり差別してたら人生は大損。そうして出会いの可能性(チャンス)を減らすことのないように、と。男って? 女って? いったい何なのか? その答えのヒントがこの映画にはある。恋愛を通して生き方を模索し、未来を切り開いていくストーリーは単なる恋愛ドラマ&コメディに終わらない。表現や会話は少し大胆で過激だが、描写はとても繊細でおしゃれ。リアルな男女関係や人物像が若者の共感を呼び、口コミで話題になった傑作である。 監督K・スミスはインディペンデント映画界の注目株。J・L・アダムスやJ・リーも同様。B・アフレックは『グッド・ウィル・ハンティング』で脚光を浴びた新星。いずれもブレイク寸前の才人たち、今後が期待される。 (阪) |