嵐のような9歳の女の子ベニー。幼少期、父親から受けた暴力的トラウマ(赤ん坊の時に、おむつを顔に押し付けられた)を十字架のように背負い手の付けようのない暴れん坊になる。里親、グループホーム、特別支援学校、どこに行こうと追い出されてしまう、ベニーの願いはただひとつ。かけがえのない愛、安心できる場所、そう!ただママのもとに帰りたいと願うだけ。居場所がなくなり、解決策もなくなったところに、非暴力トレーナーのミヒャはある提案をする。ベニーを森の中深くの山小屋に連れて行き、3週間の隔離療法を受けさせること…。
ケアホームからケアホームへ、里親から里親へ、「システム・クラッシャー」とは、あまりに乱暴で行く先々で問題を起こし、施設を転々とする制御不能で攻撃的な子供のこと。監督・脚本は、本作が長編デビュー作となるドイツ出身のノラ・フィングシャイト。ホームレスを描いたドキュメンタリーの撮影中、そこで「システム・クラッシャー」と呼ばれる子供がいることを知ったことから映画化。その強烈な演出により第69回べルリン国際映画祭銀熊賞とモルゲンポスト紙審査員賞の2冠を受賞。ドイツ映画賞では作品賞、監督賞、脚本賞、俳優賞、女優賞を含む8部門を獲得、世界各国で37冠(26ノミネート)に輝く。ベニー役にはへレナ・ツェンゲル。全身全霊の演技で力演、ドイツ映画賞主演女優賞を歴代最年少で受賞。(公式サイトより)
監督・脚本:ノラ・フィングシャイト
撮影:ユヌス・ロイ・イメール
音楽:ジョン・ギュルトラー
出演:ヘレナ・ツェンゲル、アルブレヒト・シュッフ、リザ・ハーグマイスター、ガブリエラ=マリア・シュマイデ
原題:Systemsprenger
英題:System Crasher
日本語字幕:上條葉月
後援:ゲーテ・インスティトゥート東京
提供:クレプスキュール フィルム、シネマ サクセション
配給:クレプスキュール フィルム
[2019年/ドイツ/ドイツ語/カラー/125分]
© 2019 kineo Filmproduktion Peter Hartwig, Weydemann Bros. GmbH, Oma Inge Film UG (haftungsbeschränkt), ZDF
上映①の後に堀崎茂氏(NPO法人 東京里山開拓団 代表)を迎えて。上映②の後にウルリケ・クラウトハイム氏(ゲーテ・インスティトゥート東京 文化部 企画コーディネーター)を迎えてトークを行います。
アウトドア・DIY趣味が高じて一人で八王子の荒れた山林の開拓を開始。2009年に児童養護施設の子どもたちとともに開拓者精神を発揮して荒れた山林を開拓するボランティア団体を立上げ。古民家DIYでふるさとの家づくり、都心の空き家DIYで家賃無料の自立応援の家づくりも。環境と福祉の一石二鳥として環境大臣&厚労省からダブル表彰。講演、研修、実践支援にも注力
ライプツィヒ音楽・演劇大学でドラマトゥルギーを学ぶ。ライプツィヒの劇場で働いた後、2003年より1年半、テュービンゲン大学と同志社大学で日本語を学ぶ。卒業後、日本でメディア・アート、映像、舞台芸術など様々な分野のプロジェクトの制作に携わる。2016年よりゲーテ・インスティトゥート東京文化部勤務。同年よりドイツ映画祭「Horizonte」の構成および運営を担当。現在は同インスティトゥートで映画、演劇、美術の企画を担当している。
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