突然の監督引退宣言から6年。
最高のラブストーリーとともに、
アキ・カウリスマキが帰ってきた!
<イントロダクション>
2017年、『希望のかなた』のプロモーション中に監督引退宣言をし、世界中のファンを悲嘆に暮れさせたアキ・カウリスマキ。それから6年、監督カウリスマキはあっけらかんと私たちの前に帰ってきた。可笑しみと切実さに満ちた、最高のラブストーリーを連れて。
新作『枯れ葉』の主人公は、孤独さを抱えながら生きる女と男。ヘルシンキの街で、アンサは理不尽な理由から仕事を失い、ホラッパは酒に溺れながらもどうにか工事現場で働いている。ある夜、ふたりはカラオケバーで出会い、互いの名前も知らないまま惹かれ合う。だが、不運な偶然と現実の過酷さが、彼らをささやかな幸福から遠ざける。果たしてふたりは、無事に再会を果たし想いを通じ合わせることができるのか? いくつもの回り道を経て、物語はカウリスマキ流の最高のハッピーエンドにたどりつく。
<アキ・カウリスマキ監督からのメッセージ>
取るに足らないバイオレンス映画を作っては自分の評価を怪しくしてきた私ですが、無意味でバカげた犯罪である戦争の全てに嫌気がさして、ついに人類に未来をもたらすかもしれないテーマ、すなわち愛を求める心、連帯、希望、そして他人や自然といった全ての生きるものと死んだものへの敬意、そんなことを物語として描くことにしました。それこそが語るに足るものだという前提で。
この映画では、我が家の神様、ブレッソン、小津、チャップリンへ、私のいささか小さな帽子を脱いでささやかな敬意を捧げてみました。しかしそれが無残にも失敗したのは全てが私の責任です。
監督・脚本:アキ・カウリスマキ
撮影:ティモ・サルミネン
出演:アルマ・ポウスティ、ユッシ・ヴァタネン、ヤンネ・フーティアイネン、ヌップ・コイヴ
2023年/フィンランド・ドイツ/81分/フィンランド語
原題『KUOLLEET LEHDET』 英語題『FALLEN LEAVES』
配給:ユーロスペース
提供:ユーロスペース、キングレコード
© Sputnik Photo: Malla Hukkanen
第76回 カンヌ国際映画祭 審査員賞
2023年 国際批評家連盟賞 年間グランプリ
上映②の後には藤原帰一氏(政治学者、映画ライター)、上映③の後には有坂塁氏(キノ・イグルー)をお迎えしてトークを行います。
<上映②後:ウクライナの戦争とフィンランド、映画『枯れ葉』の魅力>
順天堂大国際教養学研究科特任教授、映画ライター。1956年生まれ。専攻は国際政治。著書に「戦争の条件」(集英社)、「これは映画だ!」(朝日新聞出版)など。「映画を見る合間に政治学を勉強しています」と語るほどの映画通。新作や古今の名作の見方を豊富な知識を交えて軟らかく紹介している。
<上映③後:「キノ・イグルー」の名づけ親はアキ・カウリスマキ監督 ― 当時のできごとと、大切にしてきた想い>
中学校の同級生・渡辺順也とともに、2003年に移動映画館「キノ・イグルー」を設立。東京を拠点に全国のカフェ、パン屋、酒蔵、美術館、 無人島などで、世界各国の映画を上映する。さらに映画カウンセリング「あなたのために映画をえらびます」や、インスタグラムを使ったプロジェクト「ねおきシネマ」など、自由な発想で映画の楽しさを伝えている。2023年12月には、初となる著書「18歳までに子どもにみせたい映画100」(KADOKAWA)を刊行した。
HP:http://kinoiglu.com / Instagram:@kinoiglu
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