<2024.3.3追記>
『すべての夜を思いだす』特別上映会のレポートを公開いたしました。
<2024.2.3追記>
前売券は予定枚数終了となりました。当日券は上映開始直前に空席のある場合に限り販売を行い、その際はTAMA映画フォーラム支援会員の方を優先させていただきます(当日券の販売は確実ではなく、来場されてもご入場いただけない可能性が高いです)。
第26回PFFスカラシップ作品・清原惟監督作『すべての夜を思いだす』。太陽の光が降り注ぎ、公園と団地がどこまでも続くかのような多摩ニュータウンを舞台に、人々の一見平凡に見える日常がいかに尊いものかをあたたかく詩的な眼差しで捉えた本作を、3月2日の劇場公開(渋谷・ユーロスペース)前にロケ地の多摩市で特別先行上映いたします。ベルリン国際映画祭をはじめ世界中の映画祭で上映され高い評価を得ており、2023年には日本公開に先立って北米公開が実現するなど、国内外で注目を浴びている清原惟監督の商業映画デビュー作であり、多摩ニュータウンの団地、歩道橋、公園、商店街など街の中に積もり重なる無数の記憶と誰かの一日が呼応し、そこに暮らす人々が穏やかに緩やかに共振するすばらしい作品です。
<ストーリー>
高度経済成長期と共に開発がはじまった、東京の郊外に位置する街、多摩ニュータウン。入居がはじまってから50年あまりたった今、この街には静かだけれど豊かな時間が流れている。春のある日のこと。誕生日を迎えた知珠(兵藤公美)は、友人から届いた引っ越しハガキを頼りに、ニュータウンの入り組んだ道を歩きはじめる。ガス検針員の早苗(大場みなみ)は、早朝から行方知らずになっている老人を探し、大学生の夏(見上愛)は、亡くなった友人が撮った写真の引き換え券を手に、友人の母に会いに行く。世代の違う3人の女性たちは、それぞれの理由で街を移動するなかで、街の記憶にふれ、知らない誰かのことを思いめぐらせる。
2022年/日本/カラー/116分
監督・脚本:清原惟
出演:兵藤公美、大場みなみ、見上愛、内田紅甘、遊屋慎太郎、奥野匡、能島瑞穂、川隅奈保子、中澤敦子、佐藤駿、滝口悠生、高山玲子、橋本和加子、山田海人、小池波
プロデューサー:天野真弓
ラインプロデューサー:仙田麻子
撮影:飯岡幸子
照明:秋山恵二郎
音響:黄永昌
美術:井上心平
編集:山崎梓
音楽:ジョンのサン&ASUNA
ダンス音楽:mado&supertotes、E.S.V
振付:坂藤加菜
写真:黑田菜月
グラフィックデザイン:石塚俊
制作担当:田中佐知彦、半田雅也
衣裳:田口慧
ヘアメイク:大宅理絵
助監督:登り山智志
監督応援:太田達成
監督助手:岩﨑敢志
製作:PFFパートナーズ(ぴあ、ホリプロ、日活)/一般社団法人PFF
制作プロダクション:エリセカンパニー
配給:一般社団法人PFF
©2022 PFFパートナーズ(ぴあ、ホリプロ、日活)/一般社団法人PFF
上映後のトークでは、清原惟監督と、もしもし(多摩のフリーペーパー)代表取締役の五来恒子氏、小説家・劇作家の中澤日菜子氏、映画批評家の南波克行氏、建築家の横溝惇氏が各々の専門分野や仕事の観点から本作の魅力に迫ります。
1992年東京都生まれ、映画監督・映像作家。4歳まで多摩市で育つ。17歳の時に友人と映画をつくってから今まで、映画や映像をつくりつづけている。監督作『わたしたちの家』(17)、新作『すべての夜を思いだす』(22)がベルリン国際映画祭フォーラム部門をはじめとする国内外の映画祭で上映される。最新作として愛知芸術文化センターオリジナル映像作品として制作した『A Window of Memories』がある。ほかの活動として、土地やひとびとの記憶について、リサーチを元にした映像作品の制作をしている。
1976年東京都生まれ、有限会社もしもし代表取締役。1985年、母の長谷川豊子氏が「奥様もしもし新聞」創刊。2021年に両親より事業継承。「人と人、人とまちを、ホットな心でつなぎたい」との思いで地域密着情報を発信。
1969年東京都生まれ、小説家・劇作家。1988年に不等辺さんかく劇団を旗揚げ。2014年「お父さんと伊藤さん」で小説家デビュー。この作品はタナダユキ監督によって映画化。主演上野樹里、リリー・フランキー、藤竜也。また三作目の「PTAグランパ!」はNHKにより連続ドラマ化された。主演松平健。2017年に1971年から2021年までの“ニュータウン"の姿をみずみずしく描いた連作短編集「ニュータウンクロニクル」刊行。著書に「おまめごとの島」「お願いおむらいす」「働く女子に明日は来る!」「一等星の恋 」などがある。(写真:©国府田利光)
1966年東京都生まれ、映画批評家。著書「宮崎駿 夢と呪いの創造力」(竹書房)、編著「スティーブン・スピルバーグ論」、「トム・クルーズ キャリア、人生、学ぶ力」、訳書「フランシス・フォード・コッポラ映画を語る」(フィルムアート社)、共訳リチャード・シッケル「スピルバーグ その世界と人生」(西村書店)など。キネマ旬報、ユリイカなどに、アメリカ映画を中心に多数寄稿。1997年より多摩市在住。
1983年埼玉県生まれ、建築家。横浜国立大学Y-GSA卒業。2009-2016年飯田善彦建築工房。2017年よりスタジオメガネ主宰。多摩ニュータウンの落合団地商店街にて活動を始め、STOAとしてマチの中にある建築設計事務所のあり方を思考し、プラクティスを続けている。現在、東海大学建築学科非常勤講師、府中市土地利用景観調整審査委員、落合団地商店会副会長としても活動。
東京都多摩市永山1-5 ベルブ永山5F
京王相模原線・京王永山駅、小田急多摩線・小田急永山駅から徒歩約2分