明日への元気を与えてくれる・夢をみせてくれる活力溢れる<いきのいい>作品・監督・俳優を、映画ファンの立場から感謝をこめて表彰します。映画賞前年の10月から当年9月に一般劇場で公開された作品及び監督・キャスト・スタッフを対象として、TAMA映画フォーラム実行委員(市民ボランティア)の合議により選考が行われます。

TAMA映画賞受賞一覧


第8回TAMA映画賞

2016年
最優秀作品賞
『オーバー・フェンス』
山下敦弘監督、及びスタッフ・キャスト一同
『団地』
阪本順治監督、及びスタッフ・キャスト一同
特別賞
真利子哲也監督&柳楽優弥、及びスタッフ・キャスト一同
鈴木卓爾監督、及びスタッフ・キャスト一同
最優秀男優賞
三浦友和
オダギリジョー
最優秀女優賞
小泉今日子
蒼井 優
最優秀新進監督賞
前田司郎監督
小泉徳宏監督
最優秀新進男優賞
若葉竜也
村上虹郎
最優秀新進女優賞
松岡茉優
小松菜奈

第7回TAMA映画賞

2015年
最優秀作品賞
『海街diary』
是枝裕和監督、及びスタッフ・キャスト一同
『きみはいい子』
呉美保監督、及びスタッフ・キャスト一同
特別賞
塚本晋也監督、及びスタッフ・キャスト一同
最優秀男優賞
永瀬正敏
綾野剛
最優秀女優賞
樹木希林
綾瀬はるか
最優秀新進監督賞
岨手由貴子監督
松居大悟監督
最優秀新進男優賞
中島歩
野村周平
最優秀新進女優賞
広瀬すず
杉咲花

第6回TAMA映画賞

2014年
最優秀作品賞
『野のなななのか』
大林宣彦監督、及びスタッフ・キャスト一同
『ぼくたちの家族』
石井裕也監督、及びスタッフ・キャスト一同
最優秀男優賞
妻夫木聡
大泉洋
最優秀女優賞
二階堂ふみ
池脇千鶴
最優秀新進監督賞
劇団ひとり監督
坂本あゆみ監督
最優秀新進男優賞
菅田将暉
太賀
最優秀新進女優賞
能年玲奈
門脇麦
特別賞
蔦哲一朗監督、及びスタッフ・キャスト一同

第5回TAMA映画賞

2013年
最優秀作品賞
『さよなら渓谷』
大森立嗣監督、及びスタッフ・キャスト一同
『横道世之介』
沖田修一監督、及びスタッフ・キャスト一同
特別賞
原恵一監督、及びスタッフ・キャスト一同
大根仁監督、及びスタッフ・キャスト一同
最優秀男優賞
松田龍平
最優秀女優賞
真木よう子
吉高由里子
最優秀新進監督賞
中野量太監督
白石和彌監督
最優秀新進男優賞
星野源
池松壮亮
最優秀新進女優賞
黒木華
刈谷友衣子

第4回TAMA映画賞

2012年
最優秀作品賞
『この空の花 -長岡花火物語
大林宣彦監督、及びスタッフ・キャスト一同
『桐島、部活やめるってよ』
吉田大八監督、及びスタッフ・キャスト一同
特別賞
塚本晋也監督&Cocco
入江悠監督、及びスタッフ・キャスト一同
最優秀男優賞
役所広司
最優秀女優賞
樹木希林
宮﨑あおい
最優秀新進監督賞
ヤン・ヨンヒ監督
沖田修一監督
最優秀新進男優賞
神木隆之介
満島真之介
最優秀新進女優賞
前田敦子
橋本愛

第3回TAMA映画賞

2011年
最優秀作品賞
『一枚のハガキ』
新藤兼人監督、及びスタッフ・キャスト一同
『奇跡』
是枝裕和監督、及びスタッフ・キャスト一同
特別賞
故・原田芳雄さん、阪本順治監督、及びスタッフ・キャスト一同
岸田繁(くるり)
最優秀男優賞
光石研
最優秀女優賞
永作博美
小西真奈美
最優秀新進監督賞
深田晃司監督
前田弘二監督
最優秀新進男優賞
古舘寛治
染谷将太
最優秀新進女優賞
井上真央
二階堂ふみ

第2回TAMA映画賞

2010年
最優秀作品賞
『告白』
中島哲也監督、及びスタッフ・キャスト一同
『さんかく』
吉田恵輔監督、及びスタッフ・キャスト一同
特別賞
若松孝二監督
最優秀男優賞
堤真一
最優秀女優賞
寺島しのぶ
最優秀新進監督賞
川口浩史監督
山本寛監督
最優秀新進男優賞
大西信満
金田哲
最優秀新進女優賞
安藤サクラ
忽那汐里

第1回TAMA映画賞

2009年
最優秀作品賞
『ディア・ドクター』
西川美和監督、及びスタッフ・キャスト一同
『ウルトラミラクルラブストーリー』
横浜聡子監督、及びスタッフ・キャスト一同
特別賞
八千草薫
木村大作監督
最優秀新進監督賞
深川栄洋監督
北川悦吏子監督
最優秀新進男優賞
高良健吾
渡辺大知
最優秀新進女優賞
満島ひかり
金澤美穂

TAMA映画賞受賞詳細

第8回(2016年)


最優秀作品賞

-本年度最も活力溢れる作品の監督、及びスタッフ・キャストに対し表彰-

『オーバー・フェンス』
山下敦弘監督、及びスタッフ・キャスト一同

心に痛みを抱え、未来に望みを持てずにいる人々の悲哀がそれぞれの迷いに寄り添いながら描かれ、彼らが自らの殻を破って新たな道を歩んでいくさまは、雲の切れ間から差す光のように観客に希望を与えた。

『団地』
阪本順治監督、及びスタッフ・キャスト一同

団地という小宇宙における市井の人々の生活をコミカルに描く一方、天から見下ろした世界観で家族の情愛を描き、見事な演技のアンサンブルで両者を融合させて、慈愛に溢れる心に響くドラマを誕生させた。

特別賞

-映画ファンを魅了した事象に対し表彰-

現代社会に画然と存在する暴力を善悪を超えてストレートに描き出した『ディストラクション・ベイビーズ』の衝撃に対して
真利子哲也監督&柳楽優弥、及びスタッフ・キャスト一同

常軌を逸した主人公の理由なき暴力は、人間が潜在的に持つ暴力への渇望やみなぎる魂の叫びを鮮烈に浮かび上がらせ、戦慄と共にその本質が何であるかを観客に強く投げかけた。

『ジョギング渡り鳥』における映画の新たな可能性を切り開く自由で豊かな創造性に対して
鈴木卓爾監督、及びスタッフ・キャスト一同

新しい映画を共に探求するスタッフ・キャストそれぞれの眼差しの交錯が、登場人物の孤独ひいてはそれをみつめる観客の孤独をも優しく包み込み、かつてない驚きと喜びに溢れた映画体験をもたらした。

最優秀男優賞

-本年度最も心に残った男優を表彰-

三浦友和
『葛城事件』『64 -ロクヨン-』

『葛城事件』において、孤立無縁の自分のありさまに目をつむり、屈折した愛情で家族を支配するモンスターのような父親でありながら、家族の小さな幸せを願う心根の優しい一面をものぞかせる奥行きの深い演技で、その存在を観客の脳裏に深く刻んだ。

オダギリジョー
『オーバー・フェンス』『FOUJITA』

『オーバー・フェンス』において、内面に欠落を抱えた男が、心に傷を持つ人々や自分自身と向き合うことで、新たに人生を切り開いていく姿を演じきった。歳を重ねたことで、豊かな表現力に磨きがかかり、人生の苦さをにじませる役柄に血を通わせた。

最優秀女優賞

-本年度最も心に残った女優を表彰-

小泉今日子
『ふきげんな過去』

小泉今日子として生きてきた時間のすべてが役柄を演じるうえで厚みとなり、非日常的な不思議な世界のなかで忘れがたい存在感を残した。年齢を重ねた美しさと何ものからも自由である強さは女性にとっての希望である。

蒼井 優
『オーバー・フェンス』『岸辺の旅』『家族はつらいよ』

『オーバー・フェンス』において、傷つきながらも他者との繋がりを渇望し、愛を希求し続ける女性の姿を大胆かつ危うげに演じ、その豊かな表情と奔放でしなやかな動きは見る者すべてを夢中にさせた。

最優秀新進監督賞

-本年度最も飛躍した監督、もしくは顕著な活躍をした新人監督を表彰-

前田司郎監督
『ふきげんな過去』

少女にとって想像の域を出ない平凡な日常に苛立つ日々のなか、それを壊していく爆弾のような母との交流を経て、想像よりも面白い日常に気づき未来が拓けていく、唯一無二のひと夏の空気を切り取った。

小泉徳宏監督
『ちはやふる -上の句-』『ちはやふる -下の句-』

「ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは」の歌にある眩い紅葉と煌めく水面の如く輝く登場人物の青春を描き、その輝きで作品のすみずみまで色鮮やかに染め上げた。

最優秀新進男優賞

-本年度最も飛躍した男優、もしくは顕著な活躍をした新人男優を表彰-

若葉竜也
『葛城事件』

支配的な父の元で心を歪ませていく少年の姿と、事件を起こした後の面会で目が据わりふてくされた自暴自棄の態を、実在する人物と見紛うまでに真に迫って演じ、観客を圧倒した。

村上虹郎
『ディストラクション・ベイビーズ』『夏美のホタル』『さようなら』

思春期の危うい空気感を醸し出しながらいつも遠くをみつめている、不安と希望をあわせ持つ若者像をセンシティブに創りだす姿は、日本映画の新たな地平を切り拓いていく大きな期待を抱かせた。

最優秀新進女優賞

-本年度最も飛躍した男優、もしくは顕著な活躍をした新人女優を表彰-

松岡茉優
『ちはやふる -下の句-』『猫なんかよんでもこない。』

若くして役柄やシーンの魅力を掌握できる力は群を抜き、『ちはやふる』ではかるたクィーンとして主人公・千早とのライバル関係を際立たせることにより、青春映画としての躍動感を一気に加速させた。

小松菜奈
『ディストラクション・ベイビーズ』『黒崎くんの言いなりになんてならない』『バクマン。』『ヒーローマニア -生活-』

白いキャンパスが何色にも染められるように、多彩な役柄を色鮮やかに演じた。吸い込まれそうな奥深い瞳は観客を魅了するとともに、将来の活躍を期待させる魅力に満ちている。

第7回(2015年)


最優秀作品賞

-本年度最も活力溢れる作品の監督、及びスタッフ・キャストに対し表彰-

『海街diary』
是枝裕和監督、及びスタッフ・キャスト一同

家族や友人との別れや死によって新たな関係が築かれていく時の移ろいを、四姉妹と街の人々の日々の営みをとおして描き、 人生がほろにがくも素晴らしいことを深く響かせてくれた。

『きみはいい子』
呉美保監督、及びスタッフ・キャスト一同

現代に生きる痛みと微細な心の震えを多面的に描くことで登場人物に寄り添い、彼らが他者との関わりを通して閉塞した日常に小さな光を見いだすさまは、等身大の救いとなる一歩前に踏み出す力を観客に与えてくれた。

特別賞

-映画ファンを魅了した事象に対し表彰-

高い志と使命感で制作され、戦争とは何かを新しい形で後世に伝えた『野火』に対して
塚本晋也監督、及びスタッフ・キャスト一同

戦場で極限状態に置かれた人間の、本能と理性のせめぎ合いを臨場感あふれる表現で描き出し、戦争体験のない観客にも真の恐怖や痛みを追体験させた。平和を誠実に希求しながら生きる礎(いしじ)として幅広い世代に強く深く永く刻まれる作品となった。

最優秀男優賞

-本年度最も心に残った男優を表彰-

永瀬正敏
『あん』『KANO~1931海の向こうの甲子園~』

役柄を心と体で受け止め、まさにそこに生活している人として演じきった。民族・病苦・差別などの壁を乗り越えて互いに敬意を払って生きていく姿の美しさを身をもって観客に示した。

綾野剛
『新宿スワン』『ピース オブ ケイク』『天空の蜂』『ソレダケ / that’s it』『S-最後の警官- 奪還RECOVERY OF OUR FUTURE』

どの役柄にも常に全力投球することで、重さと軽さのバランスを的確にコントロールし、時に屈託のない笑顔をのぞかせ、時に研ぎ澄まされた狂気も感じさせる幅広い表現力と魅力をたたえた俳優へと飛躍した。

最優秀女優賞

-本年度最も心に残った女優を表彰-

樹木希林
『あん』『駆込み女と駆出し男』『海街diary』

作品に添いながら、どの役においてもふさわしい輝きを放ち、ふくよかさとおかしみと希望とを私たちに感じさせてくれた。そして、どのような状況に置かれていても、この世に生き、存在することの素晴らしさを伝えてくれた。

綾瀬はるか
『海街diary』

鎌倉の日本家屋に住む四姉妹の家族の長としての凛とした佇まいや立ち居振る舞いの美しさは昭和の女優の面影を漂わせ、身近な人の死を受け入れることによって自己を内面から変える女性の成長を演じきった。

最優秀新進監督賞

-本年度最も飛躍した監督、もしくは顕著な活躍をした新人監督を表彰-

岨手由貴子監督
『グッド・ストライプス』

結婚を目前にした男女の日常を独創的な視点で切り取ることで、完璧ではない人生の愛おしさを描き出し、ドラマチックでない日々のなかに幸せな瞬間があることを気付かせてくれた。

松居大悟監督
『私たちのハァハァ』『ワンダフルワールドエンド』

「今」という瞬間を夢中で駆け巡る10代の少女たちの姿を、身勝手さや儚さを交えながら等身大の目線で描き、瑞々しくも骨太な青春映画を誕生させた。

最優秀新進男優賞

-本年度最も飛躍した男優、もしくは顕著な活躍をした新人男優を表彰-

中島歩
『グッド・ストライプス』

結婚という人生の大きな節目を前にした青年が、逡巡しながらも少しずつ歩みを前に進めていくなかで見せる表情の移り変わりや佇まいに目を見張った。今後、ますます深く役柄を掘り下げ、豊かな表現力を磨いていくに違いない。

野村周平
『愛を積むひと』『日々ロック』『ビリギャル』『台風のノルダ』

内面の葛藤や周囲へのいらだちを抱えた少年期のトンネルを抜け青年へと成長していく姿を真摯に演じた。そのひたむきさは観客に強い印象を残した。

最優秀新進女優賞

-本年度最も飛躍した男優、もしくは顕著な活躍をした新人女優を表彰-

広瀬すず
『海街diary』『バケモノの子』

桜並木のトンネルを自転車で駆け抜けるシーンの爽快感、おでこをあげてドリブルするサッカーシーンの躍動感、少女のかけがえのない輝きをスクリーンに表現した存在感は、映画女優としての未来を感じさせた。

杉咲花
『トイレのピエタ』『愛を積むひと』『繕い裁つ人』

『トイレのピエタ』において、余命幾許もない青年にストレートな言葉を投げつけながら無鉄砲に思えるほど全身全霊で生の素晴らしさを伝えようとする少女の姿に胸を強く打たれた。 

第6回(2014年)


最優秀作品賞

-本年度最も活力溢れる作品の監督、及びスタッフ・キャストに対し表彰-

『野のなななのか』
大林宣彦監督、及びスタッフ・キャスト一同

3.11以後、社会が軋みをたてて揺れ動くなか、戦争とそれに翻弄された人々を通して、平和への強い願いと時空を超えた美しい愛の物語をスクリーンに刻み込むような手法で描き、確固とした決意をもって未来への道を示したことに敬意を表して。

『ぼくたちの家族』
石井裕也監督、及びスタッフ・キャスト一同

一見、平穏で幸せそうな家庭に内在する不協和音や愛だけでは解決し得ない問題など、想像だにしなかった現実の苦さに直面し、それでもなお家族がそれを乗り越えていくなかで生まれた強い絆が、暗闇の中の希望として強く胸に響いた。

最優秀男優賞

-本年度最も心に残った男優を表彰-

妻夫木聡
『ぼくたちの家族』『清須会議』『ジャッジ!』『小さいおうち』『渇き。』『STAND BY ME ドラえもん』『舞妓はレディ』

『ぼくたちの家族』において、この家族の長男のごとく周囲の登場人物の役割・存在を受け止め、それを際立たせ輝かせるとともに、困難に愚直に立ち向かいながら成長していく姿を体温を持って演じ、作品に厚みを与えた。

大泉洋
『青天の霹靂』『清須会議』

『青天の霹靂』では屈折した性格でありながらも誰もが親しみを覚える主人公を、『清須会議』では天下人の野望を抱く天性のひとたらし秀吉を演じきり、幅のある役柄のなかで人情喜劇を演じる当代きってのコメディ俳優へと階段を駆け上がった。

最優秀女優賞

-本年度最も心に残った女優を表彰-

二階堂ふみ
『私の男』『ほとりの朔子』『渇き。』『四十九日のレシピ』

ある時は瑞々しい少女、ある時は危うげで魅惑的な女性へと変貌し、女性の持つさまざまな側面を表現する自在な演技力とスクリーンでの存在感に圧倒させられた。

池脇千鶴
『そこのみにて光輝く』『潔く柔く』『くじけないで』『神様のカルテ2』

『そこのみにて光輝く』において、自分のおかれた環境から生じる絶望感や倦怠感を背中で物言うように発散させながらも、時として無性に甘くそして優しい、情愛の深い女性像を見事に体現した。

最優秀新進監督賞

-本年度最も飛躍した監督、もしくは顕著な活躍をした新人監督を表彰-

劇団ひとり監督
『青天の霹靂』

お笑い芸人出身ならではの笑いをはさみつつ、大泉洋がノーカットで披露したマジックの鮮やかさなど、画面の隅々までこだわる監督のあくなき探求が、誰もが感情移入できるウェルメイドの人情劇を誕生させた。次回作を観たいと思わせる魅力に溢れている。

坂本あゆみ監督
『FORMA』

誰もが起こし得る些細な罪悪や人間の性を描き出す繊細な表現力と、独創的な手法で想像力をかき立て観客を惹き付ける手腕は、世界に通じる力強い作家性を感じさせる。

最優秀新進男優賞

-本年度最も飛躍した男優、もしくは顕著な活躍をした新人男優を表彰-

菅田将暉
『そこのみにて光輝く』『男子高校生の日常』『陽だまりの彼女』『闇金ウシジマくん Part2』

どの役を演じるときも、生い立ちや生活感、長所・短所や生き様までも丸ごと飲み込んだように全身全霊で立ち向かい、鮮烈に演じきる実力と勢いに目を見張らされた。

太賀
『ほとりの朔子』『男子高校生の日常』『人狼ゲーム』『MONSTERZ モンスターズ』『私の男』『スイートプールサイド』

内面から役を作りこむことにより役の振れ幅をきめ細かく演じ分け、周囲の俳優と化学反応を起こしながら作品の空気感を醸成できる資質は、若くして名優の佇まいを感じさせる。

最優秀新進女優賞

-本年度最も飛躍した男優、もしくは顕著な活躍をした新人女優を表彰-

能年玲奈
『ホットロード』

純粋さ、切なさ、切実さといった少女の心情を黒い瞳の奥の輝きで表現し、80年代の古典的なラブストーリーを現代に甦らせた圧倒的な存在感は、新たな時代の映画女優誕生を感じさせる。

門脇麦
『愛の渦』『闇金ウシジマくん Part2』

おとなしくおどおどしている女性像が相応しいのかと思いきや、一転してみせる肝の据わった攻めの演技が鮮やかで、これまでにないタイプの女優としてどのようなスタイルを構築していくのか今後の活躍が楽しみでならない。

特別賞

-映画ファンを魅了した事象に対し表彰-

『祖谷物語 ~おくのひと~』において、四季折々の祖谷の大自然に真っ向から挑み、重厚な人間ドラマを構築させた映画にかける情熱に対して
蔦哲一朗監督、及びスタッフ・キャスト一同

日本三大秘境といわれる祖谷の厳しい大自然のなかで営む生活を、1年間かけて撮影したその情熱と真に迫る映像の迫力は、都会の便利な生活に慣れきってしまった現代人に、人間としての生き方を考え直す機会を与えてくれた。

第5回(2013年)


最優秀作品賞

-本年度最も活力溢れる作品の監督、及びスタッフ・キャストに対し表彰-

『さよなら渓谷』
大森立嗣監督、及びスタッフ・キャスト一同

極限の愛の形・人間関係のなかで、人間の持つ繊細さと力強さ、愛と憎しみ、罪と赦し、そして再生と希望を、スクリーンの中で言葉と沈黙と痛みをもって鮮烈に表現した。

『横道世之介』
沖田修一監督、及びスタッフ・キャスト一同

何気ない日常のできごとや些細な記憶、人間の優しさや愛おしさを心地良いテンポでユーモラスに描き、「世之介」に出会えたことで、自分もまた、誰かの人生に関わって生きているということの素晴らしさに気付かせてくれた。

特別賞

-映画ファンを魅了した事象に対し表彰-

『はじまりのみち』を通して木下惠介監督のヒューマニズムと信念を真摯な姿勢で現代に甦らせたことに対して
原恵一監督、及びスタッフ・キャスト一同

時代の波に翻弄されながらも、力を尽くして生きていく庶民の生活と、人間の醜さや美しさ、弱さや強さ、そして日本人の心を描いた木下惠介監督の世界観を真摯に表現し、時代を越えた人間愛を現代に甦らせた。

若者を熱狂の坩堝に巻き込んだ『恋の渦』のエンタテインメント性に対して
大根仁監督、及びスタッフ・キャスト一同

チャラチャラしているけれどなんとも憎めないキャラクターを生み出した若き俳優たちの熱演と、恋愛を軸にしたスリリングな脚本、そして目くるめくテンポで描き切った演出によって、堂々たるエンタテインメントを創りあげた。

最優秀男優賞

-本年度最も心に残った男優を表彰-

松田龍平
『舟を編む』『探偵はBARにいる2』『北のカナリアたち』

『舟を編む』において、実直な青年の成長を内に秘めた情熱と共に体現し、言葉の大切さを言葉でないもので見事に表現した。年齢を重ねるごとに深まる魅力と、これからの日本映画界を担う俳優としての輝きに期待する。

最優秀女優賞

-本年度最も心に残った女優を表彰-

真木よう子
『さよなら渓谷』『そして父になる』『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』『つやの夜』

『さよなら渓谷』において、女性としての尊厳を完膚なきまでに叩き壊され、生きることの絶望を味わいながらも、赦し、自己を立て直し、生き抜く生身の女性を繊細かつ深く豊かな表現力と洞察力で演じきった。

吉高由里子
『横道世之介』『真夏の方程式』

『横道世之介』において、お嬢様育ちの天真爛漫な少女から、時を経て愛おしくかけがえのない日々を振り返る成長した姿へと演じ分け、時の重みと若き日の記憶が人生を豊かにしてくれることを鮮やかに体現した。

最優秀新進監督賞

-本年度最も飛躍した監督、もしくは顕著な活躍をした新人監督を表彰-

中野量太監督
『チチを撮りに』

笑いあり、涙ありの小さな家族の物語でありながら、登場人物の明日に向かって生きていこうとする前向きな姿勢が<人生讃歌>として観客に元気と勇気を与えた。

白石和彌監督
『凶悪』

役者の力を最大に引き出し、容赦ない暴力描写と次第に暴かれる真実によって観客を震わせながら、何が悪で何が正義なのか、答えのない問いへのあくなき探究が日本映画に類を見ないバイオレンス作品を誕生させた。

最優秀新進男優賞

-本年度最も飛躍した男優、もしくは顕著な活躍をした新人男優を表彰-

星野源
『箱入り息子の恋』『地獄でなぜ悪い』『聖☆おにいさん』

『箱入り息子の恋』において、抑え込んでいた熱を爆発させる「箱入り男」の不穏な暴走と崩壊を瑞々しく好演した。今後も俳優のみならず声優や映画音楽など幅広く観客を魅了することを確信させてくれた。

池松壮亮
『横道世之介』『上京ものがたり』

『横道世之介』において、まるで作品中の人物としてずっと生きてきたかのように役柄にはまり、鮮やかな印象を残した。作品ごとに異なる魅力を発見できる俳優であり、これからどんな新しい顔を見せてくれるのか期待が高まる一方である。

最優秀新進女優賞

-本年度最も飛躍した男優、もしくは顕著な活躍をした新人女優を表彰-

黒木華
『シャニダールの花』『舟を編む』『草原の椅子』

ゆったりとした時間を感じさせる古風な雰囲気や文学的な気品を漂わせている一方で、時に明確な自己主張を行い、透明感溢れる演技のなかに役柄を際立ただせる魅力を兼ね備えている。

刈谷友衣子
『シャニダールの花』『中学生円山』『鈴木先生』

映画の世界観を的確に把握することで、非現実的なシーンにおいてもリアリティを与えるだけなく、観客のイマジネーションを高める力があり、これから映画界で高い存在感を示す期待を抱かせた。

第4回(2012年)


最優秀作品賞

-本年度最も活力溢れる作品の監督、及びスタッフ・キャストに対し表彰-

『この空の花 -長岡花火物語』
大林宣彦監督、及びスタッフ・キャスト一同

平和を願い、未来への希望を祈る想いとイマジネーションがずっしり詰まったこの作品は、大震災の体験をとおして生き方を見つめ直している私たちに、生きることの意義を改めて喚起し、勇気を与えてくれた。

『桐島、部活やめるってよ』
吉田大八監督、及びスタッフ・キャスト一同

ごく普通の高校生たちの日常生活を、多面的に登場人物・できごとに光を当てることによって、この年代のもつ心の揺らぎを繊細に救い上げて、青春の一瞬のきらめきとほろ苦さを鮮やかに切り取った。

特別賞

-映画ファンを魅了した事象に対し表彰-

ありあまる母性によって自らが破綻していく、『KOTOKO』の壮絶な女性像に対して
塚本晋也監督&Cocco

母親なら誰しも感じたことのある、弱い存在を抱えて世界と向き合わねばならない恐怖を、塚本晋也監督とCoccoの創造力をもってこの上なく美しく痛ましい映像で表現し、生きていくことへの覚悟を示してくれた。

映画界に新風を巻き起こした「SR サイタマノラッパー」シリーズの快進撃に対して
入江悠監督、及びスタッフ・キャスト一同

シリーズをとおして、インディーズ精神はそのままに、出演者、制作者一丸となって本格派エンタテインメント作品へとステップアップしていった快進撃は映画ファンを熱狂させた。

最優秀男優賞

-本年度最も心に残った男優を表彰-

役所広司
『わが母の記』『キツツキと雨』『聯合艦隊司令長官 山本五十六』

自然体の穏やかな演技のなかにしっかりとした自己を感じさせる人物像をつくりあげるだけでなく、画面にいるだけでまわりの俳優がいきいきと見えてくる影響力を発揮して、作品全体を輝かせていた。

最優秀女優賞

-本年度最も心に残った女優を表彰-

樹木希林
『わが母の記』

時に微笑ましく、時に憎たらしく、時に愛おしく。観客誰しもが自分の母親と重ねあわせ、そのありがたさ、温もりを呼び覚ませてくれる、家族の源・太陽のような母親像の造形に感謝して。

宮﨑あおい
『わが母の記』『天地明察』『ツレがうつになりまして。』『おおかみこどもの雨と雪』

『わが母の記』において、父への反発心を持つ無邪気な少女時代から垣間見える“女”の立ち居振る舞いまで、時間の移ろいのなかで貫き通すまっすぐな家族への想いを女性としての成長のなかで演じきった。

最優秀新進監督賞

-本年度最も飛躍した監督、もしくは顕著な活躍をした新人監督を表彰-

ヤン・ヨンヒ監督
『かぞくのくに』

祖国・北朝鮮の政策とそれに翻弄される家族という重いテーマに対し、その狭間で揺れる家族一人ひとりの心情が手に取るようにわかる普遍性あるドラマに仕立てた手腕は見事というほかはない。

沖田修一監督
『キツツキと雨』

成人した息子と父の情景を、キコリと映画監督の交流を通してユーモラスかつ愛情深く包み込んだ作風は、次の作品を早く観たいと思わせる心豊かな温もりが感じられる。

最優秀新進男優賞

-本年度最も飛躍した男優、もしくは顕著な活躍をした新人男優を表彰-

神木隆之介
『桐島、部活やめるってよ』『SPEC 天』

ナイーブさとコミカルさ、危うさと親しみやすさ、無邪気と屈折、絶妙のバランスと間合いで演じ、幅広い役柄を演じ分ける高い将来性を感じさせた。

満島真之介
『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』

三島由紀夫に心酔する若き活動家・森田の純粋なまでの一途な敬慕と頑強な意志を鋭い眼光で体現し、映画初出演にして第一線の映画俳優になりうることを知らしめた。

最優秀新進女優賞

-本年度最も飛躍した男優、もしくは顕著な活躍をした新人女優を表彰-

前田敦子
『苦役列車』

単なるミューズではなく、生活の実感や煩悶、不安を抱え、バブル期を前にした時代の空気感を身にまとった演技に、今後息の長い女優としての活躍する大きな可能性を感じさせた。

橋本愛
『桐島、部活やめるってよ』『Another』『HOME 愛しの座敷わらし』『貞子3D』など

10代中盤ならではの透明感、苛立ち、戸惑い、不敵さを、時にひらりとした軽さで、時に物語の核となる重さで、青春映画からホラー映画まで見事に演じ分けた。

第3回(2011年)


最優秀作品賞

-本年度最も活力溢れる作品の監督、及びスタッフ・キャストに対し表彰-

『一枚のハガキ』
新藤兼人監督、及びスタッフ・キャスト一同

「今日はお祭りですがあなたがいらっしゃらないので何の風情もありません。」実際に妻から兵士に送られた一枚のハガキから、戦争への憎しみと共に生きることの大切さをユーモアを交えて瑞々しく描きだし、次世代に受け継ぐ豊かな実りを結実させた。

『奇跡』
是枝裕和監督、及びスタッフ・キャスト一同

子どもたちが抱く切実な願いとそれをかなえるための試行錯誤、そして訪れる現実との対峙を、希望をもって描き、<夢を見失ったかつての子どもたち>の背中を後押ししてくれる宝物のような作品を誕生させた。

特別賞

-映画ファンを魅了した事象に対し表彰-

日本映画界の至宝・故・原田芳雄さんと、最期にその情熱を注ぎ映画魂の宿った『大鹿村騒動記』に対して
故・原田芳雄さん、阪本順治監督及びスタッフ・キャスト一同

死してより一層、その存在の大きさを映画ファンの心に刻み込んだ原田芳雄さんと、最期に情熱を注いだ『大鹿村騒動記』の農村歌舞伎に魅せられた人々の喜怒哀楽を大きな心で包んだ人間ドラマの映画的な広がりに敬意を表して。

作品に寄り添い、重層的に盛り上げる岸田繁(くるり)の映画音楽に対して
岸田繁(くるり)

『まほろ駅前多田便利軒』『奇跡』において、登場人物に寄り添い、時に感情の趣を牽引し、あるいは作品に化学反応を起こして、作品をより重層的に盛り上げる映画音楽を創りあげた。

最優秀男優賞

-本年度最も心に残った男優を表彰-

光石研
『あぜ道のダンディ』『毎日かあさん』『太平洋の奇跡』など

33年ぶり主演の『あぜ道のダンディ』で、憎めないオヤジの心情を、歌って踊って走って怒って、そして泣く・・・多彩な顔で見事に表現し、世代を問わず強い共感を呼んだ。

最優秀女優賞

-本年度最も心に残った女優を表彰-

永作博美
『八日目の蝉』『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』

(『八日目の蝉』において、)連れ去った愛人の子どもに対して、罪の意識を背負いながら理性よりも母性としての本能が勝って愛情が高まっていく様を全身全霊を傾けて演じ、その思いを残像として観客の脳裏に深く刻み付けた。

小西真奈美
『東京公園』『行きずりの街』

清楚な魅力も湛えつつ、時折見せる憂いのある表情や秘めた情熱を感じさせる佇まいは、はっとするほど観るものを惹きつけ、忘れられない存在感を残した。

最優秀新進監督賞

-本年度最も飛躍した監督、もしくは顕著な活躍をした新人監督を表彰-

深田晃司監督
『歓待』

閉塞感漂う現代日本社会の中で、映画と演劇の垣根を軽やかに越えてそれらを愉快に、シニカルに破壊して、刷新した日本社会像を創ろうと意気込む、野心的な大傑作を生み出した。

前田弘二監督
『婚前特急』

主演吉高由里子をはじめとする個性的なキャストを存分に活かし、単純ではない男女の心理をコメディ満載に描いて、笑えて楽しいエンターテインメント作品として仕上げた。

最優秀新進男優賞

-本年度最も飛躍した男優、もしくは顕著な活躍をした新人男優を表彰-

古舘寛治
『歓待』『マイ・バック・ページ』

映画のなかで類い稀なる飄々とした存在感で観客の意識を惹き付け、他の誰でもなく「古舘寛治」でしかできない独特の演技で役柄を演じ切った。

染谷将太
『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』『東京公園』『あぜ道のダンディ』

作品によって骨太にも軽やかにも演じ分け、そこはかとない色気も漂わせつつも、どの作品においてもその場にふさわしい存在感を持ち得る演技力に対して。

最優秀新進女優賞

-本年度最も飛躍した男優、もしくは顕著な活躍をした新人女優を表彰-

井上真央
『八日目の蝉』『太平洋の奇跡』

(『八日目の蝉』において、)自らの生い立ちにぶつけようのない憤り、癒やされない傷を抱えながらも誰にも頼らず生きていこうとする芯の強さをしなやかにかつ清冽に演じた。

二階堂ふみ
『劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ』

才能がある故の苦悩、怒りをダイナミックに表現し、全編流れる歌同様にパワフル且つ個性に溢れて、次世代を担う輝きを放っている。

第2回(2010年)


最優秀作品賞

-本年度最も活力溢れる作品の監督、及びスタッフ・キャストに対し表彰-

『告白』
中島哲也監督、及びスタッフ・キャスト一同

現代社会のドロドロした不条理な一面をえぐった刺激的な原作をはるかにスケールアップさせた衝撃的な映像が万人の胸に鋭利に突き刺さった。

『さんかく』
吉田恵輔監督、及びスタッフ・キャスト一同

若いカップルにおきた三角関係を軸に、恋愛のなかで生じる「すれ違い」「思い込み」「独りよがり」等の身近なテーマを軽妙なタッチながら実に繊細に心理描写を描きこみ、強い共感を呼んだ。

特別賞

-映画ファンを魅了した事象に対し表彰-

若松孝二監督のまっすぐなインディペンデント魂に対して(『キャタピラー』)
若松孝二監督

戦後意識が薄れつつある日本において、戦争の悲惨さを力強くストレートに訴える『キャタピラー』の人間ドラマの崇高さ・映像の力に敬意を表して。

最優秀男優賞

-本年度最も心に残った男優を表彰-

堤真一
『孤高のメス』『ヴィヨンの妻』

『孤高のメス』で、出世や名誉には一切無頓着で患者の命を救うことだけに執念を燃やす医師の姿を誠実かつチャーミングに演じきり、その生き様が観客の心に強く残った。

最優秀女優賞

-本年度最も心に残った女優を表彰-

寺島しのぶ
『キャタピラー』

手足を奪われた夫の欲求に嫌悪感を持ちながらも、世間に対する見栄を張りつつ母性愛で包み込む女性の包容力とたくましさを体現した圧倒的な演技に対して。

最優秀新進監督賞

-本年度最も飛躍した監督、もしくは顕著な活躍をした新人監督を表彰-

川口浩史監督
『トロッコ』

陽のこぼれる森林の緑の美しさを背景に芥川龍之介の原作で描かれる「子供たちの時間」を台湾を舞台にすることで現代に鮮やかに甦らせた。

山本寛監督
『私の優しくない先輩』

奇想天外な発想を鮮やかにフィルムに焼き付け、「こんな映像を観たかったんだ」と観客に想起させるたぐいまれなる青春映画を世に送り出した。

最優秀新進男優賞

-本年度最も飛躍した男優、もしくは顕著な活躍をした新人男優を表彰-

大西信満
『キャタピラー』

戦争によって奪われた手足と甦る悪夢、それでも本能のままに「生きていかねばならない」帰還兵の苦しみと痛みを全身全霊で表現した。

金田哲
『私の優しくない先輩』

うざい、むさ苦しい兄貴分になるところを、高い身体能力とキレのある演技で爽やかに演じきり、珠玉の青春ドラマに昇華させた。

最優秀新進女優賞

-本年度最も飛躍した男優、もしくは顕著な活躍をした新人女優を表彰-

安藤サクラ
『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』『SRサイタマノラッパー2』『TORSO』など

どの役柄を演じても、画面からその息遣いからワキガまで伝わってくるほどの存在感は若手俳優のなかで群を抜いている。

忽那汐里
『半分の月がのぼる空』『BECK』

『半分の月がのぼる空』では透明感のある活発な少女でありながら自分の運命の儚さを悟っている影の部分をナチュラルに演じきった。

第1回(2009年)


最優秀作品賞

-本年度最も活力溢れる作品の監督、及びスタッフ・キャストに対し表彰-

『ディア・ドクター』
西川美和監督、及びスタッフ・キャスト一同

人間に対する奥深い洞察力に加え、社会問題、ユーモア、地方社会のありようを包み込んで普遍的な人間ドラマに昇華させた。

『ウルトラミラクルラブストーリー』
横浜聡子監督、及びスタッフ・キャスト一同

この作品全編を貫くまっすぐな想いの力強さは、現代社会の閉塞感を超越した永遠の力がある。

特別賞

-映画ファンを魅了した事象に対し表彰-

八千草薫さんの演技に対して(『ディア・ドクター』、『ガマの油』)
八千草薫

品のあるチャーミングな魅力がこれまで以上にスクリーンで輝いていたことに敬意を表して。

『劔岳 点の記』の撮影に対して(『劔岳 点の記』)
木村大作監督

CGによる映像実現が大勢を占めるなか、大自然に真正面から挑んだ撮影で真実であることによる映像の迫力・ドラマの重みを十二分に体感させた。

最優秀新進監督賞

-本年度最も飛躍した監督、もしくは顕著な活躍をした新人監督を表彰-

深川栄洋監督
『60歳のラブレター』

監督自身が30代前半ながら、団塊世代の恋愛ドラマを描き上げた演出力は本物である。

北川悦吏子監督
『ハルフウェイ』

役者の息遣いが伝わってくるようなナチュラルで身近な高校時代の恋愛模様を透明感溢れる映像でヴィヴィッドに表現した。

最優秀新進男優賞

-本年度最も飛躍した男優、もしくは顕著な活躍をした新人男優を表彰-

高良健吾
『フィッシュストーリー』『ハゲタカ』『蟹工船』『南極料理人』

出演作相次ぐ中、どの作品も確実に強い印象を残し、同年代の俳優のなかでひときわ抜きん出た存在感と演技力を見せた。

渡辺大知
『色即ぜねれいしょん』

初出演、初主演にも関わらず、良い意味で力の抜けた自然な演技とフレッシュな存在感で作品を最後まで引っ張っていった。

最優秀新進女優賞

-本年度最も飛躍した男優、もしくは顕著な活躍をした新人女優を表彰-

満島ひかり
『愛のむきだし』『プライド』

ヒロインを堂々と演じられる実力を持っており、大胆な演技のなかに、凛とした清らかさを放つ希少な存在感が素晴らしい。

金澤美穂
『容疑者Xの献身』『はじめての家出』『60歳のラブレター』

年頃の女の子にありがちな言葉にできないもどかしい感情のもつれを体現し、スクリーン上での存在感を発揮した。