第28回映画祭TAMA CINEMA FORUM
第10回TAMA映画賞最優秀女優賞を受賞された松岡茉優さん初主演作『勝手にふるえてろ』と3月23日公開の特別先行プレビューとして『美人が婚活してみたら』の2本の上映後、大九明子監督、菊地監督、白石プロデューサー、八尾プロデューサーにご登壇していただきトークを行いました。大九監督と菊地監督は大学と映画美学校の先輩後輩の関係ということで終始和やかな雰囲気の中トークが行われました。
トークの前に先付けショートムービーとして『もぎりさん』の上映を行いました。『もぎりさん』は両監督が前後半に分かれてそれぞれ監督された作品です。撮影は映画館の閉館後から開館の1晩で行われたそうで、撮影の裏話などを伺うことができました。
その後、本上映2作品の話になり、両作品を観た菊地監督は「ちょっとこじらせた女子を描くなら日本一。大九監督のすごいところは、女性を描きつつも相対する男性の描き方がとても魅力的。人を見ているところが独特で、それを単にネタにせず、映画にする為の映像的表現を入れられてるからすごい」と語りました。「独りよがりにならず、ちゃんと客観視して、おもしろいところを掴んでくる」というのに対して大九監督は「自分の中にしか定規がなく、自分の面白いと思うことだけを信じる」と語りました。また、白石プロデューサーは両監督について、「1つのテーマを1つの視点で端的にに描くのが大九監督。逆に多面的に描くのが菊地監督だ」と語りました。
客席とのQ&Aでは、両作品の音についての質問がありました。スタッフは殆ど同じメンバーだが音の作り方が異なり、『勝手にふるえてろ』では、足し算、『美人が婚活してみたら』では引き算で音を作られた。作品の求めてる状態で変わるというというお話をいただきました。また『美人が婚活してみたら』の田中圭さん、中村倫也さんが去年今年の顔に選ばれたということでキャスティングの理由はという質問に対して、監督のご縁のある俳優さんをキャスティングしたが、奇跡のタイミングだったと仰ってました。
本プログラムは朝早くから多くのお客様に足を運んでいただき、満席の大盛況でした。トークも短い限られた時間ではありましたが、貴重なお話をたくさん伺うことができました。昨年ヒットした『勝手にふるえてろ』はリピーターが多い作品とのことでしたが、『美人が婚活してみたら』も公開後また観たくなった方も多いのではないでしょうか。楽しい時間を過ごしていただけてましたら光栄です。