第30回映画祭TAMA CINEMA FORUM
楽器を触ったこともなかった不良学生、研二、太田、朝倉の3人が、思いつきでバンド「古武術」を結成。ある日、彼らは「古美術」のメンバー森田から「坂本町ロックフェスティバル」への出演を勧められるが……。
製作期間7年超、作画枚数40,000枚超。豪華な声優陣。前売り1,000枚以上販売。この作品のことは、しばらく音信不通だった友人が「やっと、やっと、明日から全国順次公開!」と教えてくれました。「試写で観ていて「ここは誰が描いた」とか記憶の存在が強く、お話が分からなくなるくらい」関わったとのこと。
6歳の娘を連れ渋谷の映画館へ。「学校の楽器は先生にちゃんと「貸して」って言わないとだめだよ」などこまめな説明も十分に必要でしたが、終わった後「どんどんという音楽がすごくおもしろかった」と目を輝かせていました。娘にはStevie Wonderの動画を見せたことがあり、幼稚園の発表会の練習よりも、ぴゅるるるると吹いてふざけまくるほどはまっていたので、こちらでは(たいこパートに入れた?)私のThe Velvet Underground のスタジオ経験を思いながら観るよりサイコーだっただろう。また、後ろの席の清楚な女性が「素晴らしい音楽だったね」と失笑する友2人に一生懸命話しかけているのを目撃、私がその「素晴らしい」の理論を伺いたかった。トークを交えたくさんの人と観るとさらに楽しめる作品と感じました。TAMAにこの作品をお迎えすることを大変嬉しく思います。特別賞受賞おめでとうございます。(芹)
町の片隅にあるトンネル路地に居つく男の前にある女が現れるとその女は……。
実写を撮影した後、それを元に絵を描くロトスコープで制作した岩井澤初作品。5年以上の歳月をかけて完成させた。
夏の終わりの儚さをアイスキャンディーの目線でコミカルに描いた昭和ノスタルジー。
『福来町~』とは打って変わってセリフを多用して色彩豊かに表現した2作目。
哲郎の2つ年上の同級生の山口は山ごもりをするからと哲郎を誘い下界での最後の儀式を始める。
制作期間は2ヶ月半で一気に仕上げた作品。『山』を制作したことで『音楽』へと繋がっていく。
太郎とヤスシは親友でありライバルだ。今日も二人は脳内でバトルする。
『山』を制作した勢いで2011年頃に作り始めたのだが、途中で『音楽』の制作を始めたため8年間放置。『音楽』が完成したタイミングで制作を再開して19年に完成させた。
吉郎は一人静かに大晦日をこたつで過ごす筈だったが、毎年現れる謎の男、後藤に翻弄される。
アニメーションで勝負するかどうか模索していた頃に挑戦した岩井澤初の実写作品。
1981年生まれ、東京都出身。高校卒業後、石井輝男監督に師事、実写映画の現場から映像制作を始め、その傍らアニメーション制作を始める。2008年に初のアニメーション作品『福来町、トンネル路地の男』を発表。以後、アニメーションを中心とした短編映画の制作や、実写映画『サイモン&タダタカシ』(17年)の劇中アニメーションを担当。初の長編となった『音楽』(20年)では、監督・脚本・絵コンテ・キャラクターデザインを手がけた。
1971年生まれ、和歌山県出身。映画評論家、ライター。著書に「シネマ・ガレージ~廃墟のなかの子供たち~」(フィルムアート社)、編著に「21世紀/シネマX」「日本発 映画ゼロ世代」(フィルムアート社)「ゼロ年代+の映画」(河出書房新社)ほか。「週刊文春」「朝日新聞」「キネマ旬報」「映画秘宝」「メンズノンノ」「シネマトゥデイ」などで定期的に執筆中。YouTubeチャンネル「活弁シネマ倶楽部」ではMC担当。