第28回映画祭TAMA CINEMA FORUM
11/23(祝・金)に開催される第19回TAMA NEW WAVEコンペティションにおいて、当日ノミネート全5作品を観賞し、グランプリ作品に投票する一般審査員を募集いたします。一般審査員の詳細・応募方法については、こちらのページ にてご確認ください。
ミャンマー人とタイ人のハーフとして日本に生まれたチョンティチャ。自分の生い立ち、生活、居場所、名前など、あらゆることに違和感を覚えながらも、心に無駄な波風を立てぬよう、静かに日々をやり過ごしていた。ある日、ミャンマー人の母と再婚した高橋との間に子供ができたことをきっかけに改名を勧められて……。いつもより少しセミのうるさい、チョンティチャの16度目の夏。
『チョンティチャ』という在日外国人の女の子を主人公にした物語ではありますが、難しい社会的問題を扱ったものではなく、日本中のどこにでもいる少し強がりで不器用な女の子の、自分探しの小さなお話であります。当初はさらりとクールな少女を想像していたのですが、次第に私とよく似たとても格好の悪い女の子が出来上がってしまいました。そんなこともあり、小っ恥ずかしくもありますが、この作品が迷子の女の子に少しでも届きますように。
1995年生まれ、兵庫県出身。東洋大学を中退後、東放学園映画専門学校に入学し映画製作を始める。卒業制作『チョンティチャ』は第29回東京学生映画祭グランプリ、最優秀役者賞を受賞。第20回京都国際学生映画祭、第10回下北沢映画祭、第12回田辺・弁慶映画祭に入選している。
数年前に自殺した友の死を受け入れられぬまま、無為な日々を送っている引き篭り青年・増村辰巳は、ある夜、両親の自分のことで諍う声にウンザリし、ふらりと家出する。あちこち歩き回り迷い込んだ街で、浮浪者親父・土川士郎と出会い、彼の家で暮らし始めることとなる。
飄然として何事にも拘らぬ性格の土川と過ごすうち、辰巳は段々と笑顔を取り戻して行く。が……。
僕自身の実体験を誇張し、ファンタジーを織り交ぜながらエンターテイメントとして仕上げました。頭の中にある言語化不能なテーマを脚本に込めて、がむしゃらに映画と向き合いました。日々に孤独を感じている人や 、自由を夢見る人たちに、是非観ていただきたいです。当時の僕のすべてが詰まっています。
1994年生まれ、大阪府出身。大阪芸術大学映像学科に進学後、大森一樹氏のもとで映画制作を学ぶ。劇映画や実験映像含め、十数本の映画を自主制作として演出。監督・脚本・編集を務めた卒業制作『ドブ川番外地』が初長編映画となる。本作はカナザワ映画祭2018「期待の新人監督」、第4回富士 湖畔の映画祭2018の長編コンペティション部門に入選。現在は東京藝術大学大学院映画専攻にて、黒沢清氏や諏訪敦彦氏に師事する。
自分の家庭は幸せだ、と思っていた高校2年生の森田萩。しかし父親の芳郎にはもう1つの家があった。「萩に手伝ってもらわなきゃいけないことがある」芳郎の頼みで、萩は父親が不倫相手の向井瞳子と別れるのを手伝うことに。自分の家と瞳子さんの家、2つの家を行き来するようになった萩は段々と大人の事情に気づいていく……。
本作は父親の不倫に翻弄される、少年のひと夏を描いた作品です。答えがあるようでない。実は誰も悪くないのかもしれないし、誰もが悪いのかもしれない。そういう人と人の間で起こる“どうしようもないこと”に翻弄される、登場人物たちの姿をぜひ見て頂けたらと願っています。
1989年生まれ。福岡県出身。大学在学中より自主制作を始め、MVなども製作する。東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻監督領域にて黒沢清監督、諏訪敦彦監督に師事。『向こうの家』は第12回田辺・弁慶映画祭コンペティション部門にも入選した。ほかの監督作品に『ゼンラレジスタンス』『触れたつもりで』がある。
とある街、トウキョウ3区。そこにある9号プールの中から、少女が生まれた。プールの管理人であるソノダは、少女・エンと共に7ヶ月暮らすことになる。
同じ頃、大阪でゲストハウスを営む女性・園田章は、アルバイトの従業員・日和、花屋の青年・康介、近所の友人たちに囲まれ、穏やかに日々を過ごしている。しかし、夫である滋流は行方知れずとなっていて、さらには妊娠しており、つわりがひどく花を主食にしていた。
「誕生」について疑問に思い、迷い悩みながら生まれた作品です。「生まれる」ということは本当に大変なことで、カメラの前で戦ってくれた俳優、作品を支えてくれたスタッフ、たくさんの方の愛情によって映画の形を成すことができました。これから映画を育てていって下さる観客の皆様に、お渡しする機会を持つことができて嬉しいです。観終わった方の心が、新しい出会いと別れに恐れることが無くなるよう願いを込めました。
1995年生まれ、大阪府出身。京都造形芸術大学映画学科映画制作コース卒業。在学中は短編作品やCMなどを制作する。本作は大学の卒業制作として制作された。現在は助監督として活動しながら、次回作を構想中。好物は映画と鶏・豚・牛を始めとする肉類全般。
夏が永遠のように続く世界で生きるエマ。最近物忘れのひどい彼女は、ノートを手放さず、些細なことでもメモをする。そんなある日、現在行方不明の幼馴染・ヤンから象の絵が届く。エマは、その消印をもとに彼を探す旅に出た。道中、ヤンの弟・バンたちに出会っていくが、彼女の記憶の喪失は徐々に加速していく……。風が砂をさらっていくように何かを失うとしても、彼らは光を呼吸する。
記憶というものはあまりに頼りなく、無慈悲である。例えばあの人のアキレス腱の直線、肩甲骨の凹凸、指のさかむけを正確に反芻できるだろうか?頭の中でなぞろうとすればするほどそれは曖昧になっていく。だから私たちは、忘却から逃れることができない。それでも、「このことを忘れたくない」と思う瞬間が誰にでもあるはずで、それはまぶしい。この映画が、その光をもって誰かに反射することを願う。
1995年生まれ、福岡県出身。京都造形芸術大学映画学科卒業。同校卒業制作の本作は、PFFアワード2018にてグランプリ、なら国際映画祭2018にてゴールデンKOJIKA賞、及び観客賞を受賞。その他の監督作品に、『サイケデリック・ノリコ』(2015年)、『サマー・オブ・ラブを踊って』(16年)がある。
1978年生まれ、栃木県出身。2015年『ディアーディアー』で長編デビューし、国内外で高い評価を得る。17年には、第29回東京国際映画祭・日本映画スプラッシュ部門に正式出品された『ハローグッバイ』と湊かなえ原作の『望郷』を続けて公開し、第9回TAMA映画賞最優秀新進監督賞、おおさかシネマフェスティバル2018新人監督賞を受賞。18年には、キネカ大森先付けムービー『もぎりさん』を監督。11月には最新作の草刈正雄主演『体操しようよ』が全国公開される。
1963年生まれ、東京都出身。大学在学中から、銀座文化劇場(現シネスイッチ銀座)で「もぎり」のアルバイトをはじめ、94年まで劇団で活動。その後は舞台のみならずテレビ、映画などで幅広く活躍中。主な映画出演作は『かもめ食堂』(2006年)、『小野寺の弟・小野寺の姉』(14年)、『シン・ゴジラ』(16年)、『沈黙サイレンス』(17年)、『勝手にふるえてろ』(17年)、『もぎりさん』(18年)、『体操しようよ』(18年)など。