第31回映画祭TAMA CINEMA FORUM
愛ちゃん(16歳)は、仕事人間であり毒親の父、鉄男に過度に束縛され、自由を知らずに成長した。父とは一緒に食事もせず、メールだけの仲。友達もおらず、オシャレも知らない愛ちゃんは、ある日偶然、聖子さんと出会う。文化も生活も異なる2人は一緒に過ごすなかで、家族のようで友達のような関係になっていく。しかし、聖子さんにはある秘密があって……。
『愛ちゃん物語♡』は2019年から構想し、約2年の歳月が過ぎました。少女の成長ストーリーを絡めながら、現代の家族の形態について考えていました。みなさんが思う「家族」とは何ですか?私はある時、「普通の家族」なんてないなって思ったんです。だって、人それぞれ、価値観、考え、向かう方向、絶対に違うから。確かなのはそこに「♡」があるかどうかなのかな? 映画には、沢山のLove storyを密かに詰めました。この作品を多くの人に観ていただいて、心に何か残ればいいなと思います。
1998年生まれ、千葉県出身。東京藝術大学在学中。2018年に処女作、映画『歴史から消えた小野小町』が映画祭に受賞し話題になる。現在では、映画監督としてSHINPAへの出演、活動をしながら、ミュージックビデオ(アニメーション)、絵画制作活動、幼稚園でのワークショップなども開催している。
腐れ縁の医者から余命宣告を受けた前科者の元プロレスラー山田鋼太郎は、黙々とそれを飲み込んで翌日には何事もなかったかのように工場勤務の生活を送っている。鋼太郎には同僚の近藤と仕事終わりに喫茶店でだらだらと過ごすという日課がある。いつもの如く近藤の夢の話を延々と聞いた後、ぶらぶら夜道を独り歩く鋼太郎は閑散としたプロレスジムへと誘われ、そこで隣人の中野亮平と遭遇する。次第に鋼太郎は近藤と亮平の二人と過ごす時間が日常へと変わってゆく。しかし……。
不器用な人々の生き様を観ていただきたいです。風変わりなエンターテインメントを目指しました。楽しんでいただけると幸いです。
1994年生まれ、大阪府出身。大阪芸術大学の卒業制作『ドブ川番外地』がレインダンス映画祭コンペ部門に入選し、ロンドンにて上映される。学部卒業後、東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻に進学し、黒沢清氏や諏訪敦彦氏に師事する。現在は東京を拠点にし、映像フリーランスとして活動中。
夢を追いかけて田舎から上京した、大越真琴。しかし、夢は叶わないと挫折し、気を紛らわすために友人たちと昼からダラダラ酒を飲み遊んでいる。お金が無くなれば、母に病気と嘘をついてお金を貰っては、また遊ぶ真琴。ある日、母が交通事故にあったと父から連絡が入り、田舎へ帰る真琴。日常が少しずつ変わり始める。
自作である『されど青春の端くれ』のその後を描いた作品です。自分自身20代前半は完全に夢を諦め、頑張る人たちを批判して、成功する・しそうな人にムカつき、失敗したらいいのにと考えて自堕落に酒や娯楽に金を散財していました。そして、お金が足りなくなると親の脛をかじって過ごしていた期間があります。人として最低で、あの時のダサい自分を思い返し制作しました。不器用でダサい男の青春映画です。
1988年生まれ、鳥取県出身。2015年にNCWに通い、実習制作した『春を殺して』が全国多数の映画祭に入選、受賞する。18年制作『されど青春の端くれ』が、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2019にてグランプリ&シネガーアワード二冠を受賞。19年製作した『ファンファーレが鳴り響く』が20年に劇場公開し、DVD販売レンタル中。現在も新作自主長編映画を制作中。