第31回映画祭TAMA CINEMA FORUM
すみれには体の調子が悪い父が、秀雄には心の調子を崩した母親がいる。二人は弱っていく親を見て、それぞれ単身で子供を持つことを考える。ただ一人で子供を持つことにためらいがある二人は、単身者が子供を持つ悩みを解決するコンサルタントをしている錦織のもとまで行き相談するが……。ある契機に二人は出会うことになる。
自分のことを話すことが苦手な人たちを撮りたかった。そういった思いから撮影を始めました。少しでも多くの人にこの映画に出てくる人たちの話を聞いてもらえると嬉しいです。
1987年生まれ、東京都出身。高校卒業後就職する。その後無職になる。暇を持て余して、趣味で映画製作を始める。その後、無職と映画製作の合間を右往左往する生活を繰り返す。
OLのカナコは同僚のケンジに告白される。しかし、カナコはカラダの関係のある俳優のヒサトが本当は好き。そのヒサトは一方で、モデルのメイと会っていて、付き合いたいと思っている。でもメイはヒサトを見ていなくて……。交わらずとも影響しあう、4人の男女の話。
「自分が好きなあの人は、別のあの人が好き(だけど別のあの人も、さらに別の人が好き......)」という、ほぼすべての人間が経験すると言っても過言ではないあのどうしようもない人間関係の様相を形にしておきたくて作った映画です。本作は一応は恋愛映画なのかもしれませんが、実際はいわゆる“恋愛”というものにさえ到達しない人たちについての、いわば“恋愛以前の恋愛映画”とも言えます。
1992年生まれ、三重県出身。東京外国語大学在学中に映画美学校フィクションコース16期初等科修了。2019年、米ニューヨーク滞在中に製作した短編『Mutual Understanding』がきりゅうアワード2019、広島こわい映画祭2020に入選。20年『サッドライヴス』(ハンブルク日本映画祭 上映)『私が神んなる前の話』の2本の中編を製作。
高校卒業を控えた春。主人公の結衣は、町に残る最後の林が伐採されることをきっかけに、その林で年子の妹・佳世が11年前に天狗による神隠しにあっていることを知る。すると次第に結衣のなかで当時の記憶がよみがえる。
「あの日、佳世の隣には私もいたのに、自分は選んでもらえなかった」
“選ばれる”ということの意味について、天狗の神隠しから11年後の町に住む姉妹と彼女たちを見守る少年の物語。
「人は自らの主観の世界で生きている」、それがこの作品のテーマのひとつです。現実世界でも作品の外の私たちは〈結衣、佳世、進〉の3人をカメラを通して外側から見ることしかできませんが、観終わった後、彼らの心のなかを想像することが決して無駄ではなかったと思っていただけたらうれしいです。彼らがそれぞれの世界の中でどう「浮か」ぼうとするのか、どうか見守ってください。
1996年生まれ、千葉県出身。東京女子大学卒業。大学在学中に脚本・監督した映画『ひとひら』がThe 5th Asia University Film Festival 審査員特別賞受賞、第22回京都国際学生映画祭 審査員特別賞(鈴木卓爾賞)受賞、そのほか複数の映画祭に入選。本作は初めての長編作品として、大学4年時にクラウドファンディングを通して制作。