第31回映画祭TAMA CINEMA FORUM

プログラム紹介

【C-7】TAMA NEW WAVE ある視点 ―Vol.1―

11/15[月] ベルブホール

チケット料金

一般
1,000円 /

PassMarket(パスマーケット)でチケット購入

明けない夜とリバーサイド

  • 2021年/46分
  • 監督=夏衣麻彩子
  • 脚本=須貝英
  • 撮影=伊藤弘典
  • 音楽=原夕輝
  • 出演=近藤笑菜、大窪人衛、松岡未紗、大塚菜々穂、上久保慶子、森崎健康、神山ひか
予告編

作品紹介

夏見富士子は一念発起し愛知から上京、幼い頃からの夢だったウエディングプランナーの道へ進むため、東京で働く弟の一鷹のマンションに居候する。念願の仕事に就いた彼女は多忙ながらも充実した毎日を送り始めていたが、新型コロナウイルスが世界中を席巻し、ウエディング業界にも大きな影響が現れ始める……。

東京、川沿い、長い夜。どこにでもいる姉弟の、誰よりも特別な一年半の物語。

監督からのメッセージ

「強い人だけが生きていける社会なんて嫌だ」、企画を練っているときに出てきた言葉です。コロナ禍の日本はますます格差が広がり、生きていくだけで大変な世の中です。主人公の富士子も、そんな社会の中で家に閉じこもっていきます。逃げたくなる時もたくさんあるけど、逃げた自分も自分だって受け入れて、そこからまた始めればいい。そんな風に思える社会になって欲しいです。

夏衣 麻彩子(なつい あさこ)監督

1993年生まれ、神奈川県出身。監督作品『マイ・シェアメイト』(2017年)では変化し成長していく若者たちをクィアな視点で描く。『ペールブルーがかさなる』(19年)では「働くこと」をテーマに社会のなかで不器用に生きる人々を誠実に見つめている。近年は映画だけでなくMV、広告映像など幅を広げて精力的に活動している。

四人姉妹

  • 2021年/32分
  • 監督・脚本=菊池真琴
  • 撮影=深谷祐次
  • 音楽=戸田望
  • 出演=三枝奈都紀、小野ゆり子、菊池真琴、鈴木つく詩、東出薫、紺谷凪乃、堰沢結愛、太田結乃、大石菊華
予告編

作品紹介

高級住宅街にそびえ立つ派手な一軒家は亡くなった父の富の象徴だったのかもしれない。経済的に成功した一家が、母親の死によって苦しくなり家を失うことになった。久しぶりに入る実家には、あったはずの風景がなくなっていた……。失われた空間のなかでそれぞれの記憶が少しずつ蘇る。一枚のエコー写真をきっかけに、この一家の根底にある大きな問題が浮き彫りになっていく。

監督からのメッセージ

消費社会で消費されてしまった没落一家の懐かしくも切ない体験記です。四人姉妹それぞれのキャラクターと生々しい会話劇をお楽しみ下さい。今の日本社会にとって大事な問題である、現代社会に生きる女性たちが直面している“男女格差”や、日本社会で生きて行くなかでのジレンマをテーマにしています。一家のアルバムを覗き見していただけたら幸いです。

菊池 真琴(きくち まこと)監督

1991年生まれ、東京都出身。早稲田大学国際教養学部に入学後、大学内でスカウトされ映画『元気屋の戯言』(ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2012年出品作品)で俳優デビュー。カタール留学を経て、イトーカンパニーに所属し俳優として活動を開始。大学では映画ゼミを専攻し、短編映画『ハルーシネイト』で卒業。21年に映画『四人姉妹』を脚本・監督・出演。

もうひとつのことば

  • 2021年/49分
  • 監督・脚本=堤真矢
  • 撮影=湯越慶太
  • 音楽=川尻大輔
  • 出演=菊池真琴、藤田晃輔、中山利一、連下浩隆、新井敬太
予告編

作品紹介

2020年夏。少し人通りの戻り始めた東京の「英会話カフェ」に、とある男女が参加する。仕事や経歴など嘘をついてささやかな承認欲求を満たす女性、ミキと、渡米を制限されている俳優志望の青年、健二。二人は意気投合し、共に「別人になりきって英会話カフェに参加するゲーム」に興じる。ゲームのルールはふたつ。「お互いの人生に立ち入らない」ことと、「日本語では嘘をつかない」こと。

監督からのメッセージ

2020年、コロナ禍の東京を舞台にして、確かに社会を映しながらも魅力的で可愛らしい「他愛のないラブコメ」を作ることができたら。そのこと自体がこれからの世界へのささやかな希望と楽観のメッセージになりうるのではないか。この時代を生きるクリエイターとして、少しだけ、そんな願いを込めました。撮影から1年たった今の世の中に、本作が少しでも清涼剤となってくれることを願っています。

堤 真矢(つつみ まさや)監督

1986年生まれ、滋賀県出身。フリーランスで映像制作を行う傍ら「Tick Tack Movie」名義で活動。主な作品に『現実拡張スマホ仮面』シリーズ、『パラレルワールド・シアター』など。

さつきのマドリ

  • 2021年/38分
  • 監督・脚本=葛里華
  • 撮影=林大智
  • 音楽=noto
  • 出演=平井珠生、タカハシシンノスケ、千綿勇平、北原帆夏、葉丸あすか、鈴木浩文
予告編

作品紹介

大好きだった彼氏に突然振られ、ボロボロになった主人公・桜井さつき(27歳)。失意のなか、さつきは道端にいたお地蔵さまに「どうか私を幸せにしてくれる男を、見極める目をください!」と懇願する。すると突然、世の中の男の顔が「物件の間取り」に見えるようになって……!?

結婚すれば、彼氏がいれば、理想の条件に合う人を見つければ、人は幸せになれるのか?これは、運命と思える居場所を見つけるまでの、さつきの物語。

監督からのメッセージ

20代も終わりに差し掛かり「こんなはずじゃなかった」と思うことが多くなりました。ただ、「どんなはず」になれば、この心の穴は埋まるのか。もし、私の他にもこのような気持ちを抱えている人がいるのならば、その人たちが、すがすがしい朝を迎えられますように。そう思って、この映画を作りました。観てくださった方の心のなかに、眩しい朝日が差し込んでくれたら嬉しいです。

葛 里華(かつ りか)監督

1992年生まれ。慶応義塾大学に入学後、「創像工房in front of.」に所属。映画制作を始める。大学卒業後は出版社で漫画編集者として働きながらMOOSICLAB上映作の『テラリウムロッカー』、『さつきのマドリ』を監督。初の長編監督作となる宮沢氷魚主演作『はざまに生きる、春』の公開を控えている。

プログラム一覧

前田弘二監督、森直人氏(映画評論家)
土井裕泰監督、那須千里氏(映画評論家)
城定秀夫監督、今泉力哉監督、みらん氏(ミュージシャン)、森直人氏(映画評論家)
今泉力哉監督、城定秀夫監督、LIGHTERS(ミュージシャン)、森直人氏(映画評論家)
切通理作氏(文筆家)、橋場万里子氏(多摩市文化振興財団学芸員)、鳥居俊平太氏(たまロケーションサービス副代表)
松本壮史監督、祷キララ氏
小林えみ氏(マルジナリア書店、よはく舎代表)、落合加依子氏(小鳥書房 店主/代表)
日向史有監督
大野大輔監督、早織氏、川上なな実氏、濱正悟氏、西山小雨氏
岨手由貴子監督、山内マリコ氏(作家)、西森路代氏(ライター)
山崎まどか氏(コラムニスト)、児玉美月氏(映画執筆家)、ゆっきゅん氏(歌手)
団地団(大山顕氏、佐藤大氏、稲田豊史氏、速水健朗氏、妹尾朝子氏、山内マリコ氏)