第29回映画祭TAMA CINEMA FORUM

プログラムレポート

【B-8】あふれる映画愛 井浦新特集

12/1[日]パルテノン多摩小ホール
  • 14:20-16:04
    こはく
  • 16:04-16:14
    舞台挨拶
    ゲスト:横尾初喜監督、井浦新氏
  • 16:25-18:19
    嵐電
  • 18:25-19:05
    トーク&ミニライブ
    ゲスト:鈴木卓爾監督、あがた森魚氏(ミュージシャン)、井浦新氏、大森元気氏

ユジク阿佐ヶ谷で行われていた「第11回TAMA映画賞受賞記念・東京凱旋上映」での舞台挨拶から駆けつけてくださった井浦新さんと、『こはく』の横尾初喜監督による舞台挨拶がスタート。

井浦新演じる亮太は横尾監督自身がモデルだということにふれ井浦さんは「目の前に本人がいるのでやりづらかったが、横尾組は暖かくて優しい現場だった。良い経験をさせてもらった」とお話しました。それに対して横尾監督も「井浦新さんのような俳優さんにあったのは初めて。現場での一体感を出してくれた。これからも新さんとやっていきたい」とお話しして会場からは大きな拍手が起こりました。

また、映画の裏話を楽しく聞かせてもらえました。

お二人とも『こはく』がロングランしていることに感謝の言葉を述べました。司会が「新さんはできる限り舞台挨拶に駆けつけている」と補足すると、新さんは「役者じゃなくて舞台挨拶の専門家として頑張りたい」と冗談混じりに映画愛を滲ませておりました。

『嵐電』の上映後は鈴木卓爾監督、あがた森魚さん、井浦新さんによるトークが始まりました。映画について新さんは「卓爾監督も分からない。だからやってみましょう」とカットを重ねていったことを明かし「こういう映画が受賞するのは嬉しい。TAMA映画賞はヤベェな(笑)」と会場を沸かせました。

卓爾監督は「お客様目線の無償の映画祭でこの映画を作品賞にしてくれた。お客さんにとっても面白い。我々にとっては言葉にできないほどありがたい」と話しました。

また、新さんが「自分にとっては届けるまでが映画」と話していたのが印象的でした。あがたさんは「作ることで人に何かを伝えるということを俳優という切り口でこういう風に出せるのはすごい。昨今の言動も含めてアグレッシブな人」と絶賛。卓爾監督はARATA時代のエピソードを回想し、思わず本人から「時間が…」とカットが入るほど新さんの魅力を語りました。卓爾監督が「皆さん、新を愛して続けてください!日本映画にとってみなさんが彼を愛してくれないと困る」と訴えかけてトークは終了。

ここで、嵐電一座より青森から来た修学旅行生を演じた窪瀬環さん・川島千京さん・村井崇記さんが登場。そしてミュージシャンの大森元気さんも登場してライブを盛り上げます。

お客さんが配ったサイリウムについてあがたさんは「こういうの初めてです」とはにかみ、ライブがスタート。嵐電のミニサウンドトラックより主題歌「島がある星がある」を演奏。おもむろに新さんと卓爾監督がスマホで撮影を開始。あがたさんの深みのある声と大森さんの美しいコーラスの掛け合い、窪瀬さん・川島さん・村井さんとお客さんが色とりどりのサイリウムを振って会場は素敵な空間に。映画では三拍子ですが、なんと今回は四拍子バージョン。かき鳴らされるギターの音と歌も激しくなって早くもエモーショナルに。

2曲目はあがたさんが小学校時代の先生を思い出しながら作った曲で、「みなさんじゃなくて”あなた”に歌います」とはじめた「佐藤敬子先生はザンコクな人ですけど」。大森元気さんの熱いギターソロ、あがたさんの合いの手、最後には嵐電一座もお客さんもシンガロングして会場は暖かな一体感に包まれました。

最後の曲は「あなたにあいたいな」という歌詞が印象的な「十字路十秒港町」。会場からは手拍子が発生し、あがたさんが「あなたに」と歌えば会場から「あいたいな」と歌うコールアンドレスポンスによってライブは締めくくられました。その後、TAMA映画祭より花束贈呈が行われました。そして最後はやはり”嵐電わっしょい”!去り際に新さんからはフラワートスがありました!サイン会では長蛇の列ができ、お客さん一人ひとりと交流しているのが印象的でした。『嵐電』に始まり『嵐電』に終わったTAMA映画祭でした。

セットリスト
1. 島がある星がある
2. 佐藤敬子先生はザンコクな人ですけど
3. 十字路十秒港町

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