第29回映画祭TAMA CINEMA FORUM
昨年は遊戯シリーズ40周年として遊戯シリーズ第1作目『最も危険な遊戯』と第2作目『殺人遊戯』の上映および村川透監督のトークを行いましたが、今年は松田優作生誕70周年と題して遊戯シリーズ第3作目の『処刑遊戯』と『野獣死すべし』の上映、また、脚本を手掛けた丸山昇一さんのトークを行いました。
上映前に丸山さんにご登壇頂き、両作の執筆時のお話や主演の松田優作さんのお話を伺いました。『処刑遊戯』は前2作と比べてコミカルなシーンが無いガチガチのハードボイルド、また、『野獣死すべし』は原作と全く異なり同じ大藪春彦原作の『蘇える金狼』のようなアクション映画ではなく、両作とも以前からのファンの間で物議を醸しましたが、同じことをやっても生産性が無いただの再生になってしまうため、松田優作さんと一緒に、常に観客より半歩先を行き、新しいことにチャレンジしていたことを語って頂きました。また、松田優作さんとおよそ10年間、普通ではありえない濃密な時間を共有しながら脚本を作り上げていく過程を聞かせて頂きました。
丸山さんのお話に引き込まれ、気がついたら次の上映時間となってしまい、慌ただしくトークの時間は終了となってしまったのですが、トーク後は上映が始まっているにもかかわらず、ファンからの要望に応えてサイン会を行い、ファン一人一人とコミュニケーションされていました。奇しくも、数多くの松田優作主演作品を世に送り出した黒澤満プロデューサーのちょうど一周忌にあたる日となり、黒澤プロデューサーのお話も伺うことができ、松田優作ファン、丸山昇一ファンにとって、忘れることができない上映会になったと思います。