第29回映画祭TAMA CINEMA FORUM
2019年6月の特別上映会で上映したのが『バジュランギおじさんと、小さな迷子』。この上映会が盛況だったため、「今年の上映の流れを汲んだ企画ができないか」ということで決まったのが、この「笑って泣けて考える ~進化するインド映画~」の企画でした。
当日は、インド版お受験映画『ヒンディー・ミディアム』と歌手を目指す女の子と家族の物語『シークレット・スーパースター』という家族を主軸とした2作品を上映し、“インド楽しいこと案内人”のアンジャリさんを招いてのトークを開催。今回ゲストにお招きしたアンジャリさんは、旅行会社でインドツアーなどの添乗員をしている中でインドが大好きになり、現在はフリーでインド旅企画&女子旅アドバイザーとして、インド映画のロケ地ツアーなども実施しています。そんなアンジャリさんに、より映画を楽しむための実際のインドの様子などを伺いました。
まずは上映を終えた『ヒンディー・ミディアム』の話題から。インドの階級意識がよく表れている冒頭のウェディングドレスを売るシーンの解説など、聞いてから観るとまた違った印象になりそうなお話から、今の20代を中心とした欧米の価値観になじんだ「階級なんて気にしない」という新しい世代のお話まで、「なるほど」と思うお話を色々聞かせていただきました。
次にトーク後の上映になる『シークレット・スーパースター』のお話。こちらはネタバレをしない範囲でのお話でしたが、主役の少女がYouTubeを駆使してミュージシャンを目指すことから今のインドのデジタルメディアの実態のお話(携帯より固定電話を引く方が高くて大変!)や、一方でまだまだ女性が仕事や結婚を主体的に決めることが難しい現状についてのお話も伺うことができました。
その後、インド映画の流れについてお話いただき、最後は上映中だった『ガリー・ボーイ』まで熱く語ったトークは、インド映画初心者の方から、よくインド映画を観るという方まで幅広く楽しめたのではないでしょうか。インド映画のこれからも楽しみです。