第29回映画祭TAMA CINEMA FORUM
『Seventh Code』から3作品でタッグを組んでいる黒沢清監督と前田敦子さんだけにトークも息がぴったりあって、黒沢監督の前田さんへの第一印象から話は始まりました。TVドラマの「ロボット女子高生」の前田さんを観て面白いと思ったのが興味をもった最初で、『1905』という映画を撮ることになってオファーした際、直接お会いして更に魅力を感じられたそうです。その作品の製作が中止になってしばらくして秋元康プロデューサーから前田さんのPVを撮って欲しいとの依頼があった。その条件が「時間は何分でもいい、歌を入れなくてもいい。なんでもいいけど、撮影場所は東アジアではなく、ヨーロッパでなくその中間あたりだと前田敦子の個性が輝く」と言われて、『Seventh Code』をロシアで日本に一番近いウラジオストックで撮ることになったとのこと。前田さんは「賞味5日間の撮影で、23時ぐらいにならないと陽が落ちないので夜のシーンを撮るのは日付が変わった後だったのが大変でした」と撮影の思い出を語られました。
『旅のおわり世界のはじまり』ではプロデューサーから黒沢監督にウズベキスタンで映画を撮らないとの誘いがあり、劇中でナポリ劇場を使うことが条件。主人公が歌えばいいかもと思ったときに前田さんが思い浮かんだとのこと。前田さんは歌唱曲が『愛の讃歌』と知って、なんてこったと後悔したが、3ヶ月間練習の時間をとらせていただいて、ラストの歌唱は高地で納得するまで歌ったそうです。
黒沢監督は前田さんをヨーロッパやアメリカでは無い国で撮ったことによって、映画の可能性を探ることができた。今度前田さんと組む時は未知の謎を解明するインテリ学者みたいな役をやって欲しいとオファーがあり、前田さんは黒沢監督に撮っていただけるのであればどんな役でもやりますと応えていらっしゃいました。
客席とのQ&AではAKBに入る前から女優をやりたいと言い続けていたらそれが今叶っているので、目標を持ち続けることが大切と前田さんが観客の方を励まされていたのが印象的でした。