第29回映画祭TAMA CINEMA FORUM

プログラム紹介

【C-2】笑って泣けて考える ~進化するインド映画~

11/23[祝・土] ベルブホール

チケット料金

一般
前売:1,200円 / 当日:1,400円
子ども(4歳~小学生)
前売:800円 / 当日:900円

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ヒンディー・ミディアム

  • 2017年/インド/フィルムランド、カラーバード配給/132分
  • 監督・脚本=サケート・チョードリー
  • 脚本=ジーナト・ラカーニー、ダイアローグ、アミトーシュ・ナーグパール
  • 撮影=ラクシュマン・ウテーカル
  • 美術=ムスタファ・ステーションワーラー
  • 音楽=サチン-ジガル
  • 編集=A・シュリーカール・プラサード
  • 出演=イルファーン・カーン、サバー・カマル、ディーパク・ドブリヤル、スワティ・ダース、アムリタ・シン

ストーリー

インドの下町で繁盛店を経営しているラージ・バトラ(I・カーン)は、妻ミータ(S・カマル)にリードされる形で一人娘の名門私立校受験準備を進める。なんとしても合格するため、引っ越しや親の面談講座まで受けて臨むが上手くいかず、「奥の手」を使うも……。実際にあった出来事をヒントにしたインド版お受験ドラマ。

コメント

日本でも「お受験」という言葉はすっかり定着しているが、インドでもそう変わらない……どころか熾烈を極めていることにまず驚く。

前半はそんな今の学歴社会インドを風刺するようにコミカルに描き、後半は一転ググっと考えさせられ(ここからがこの映画の本気!)、クライマックスでは熱くなる。

この映画の面白いところは「受験結果がわかる」ところでクライマックスにしなかった点。ここ最近のインド映画は、従来の「楽しいエンタテインメント」の核は守りつつ、常に何かしらの社会問題をあぶりだしている。インドと言えば「踊る映画」、そう思っている方もまだまだ多いかもしれないが、本作で歌うのは(オープニング以外)自然な範囲となっており、ミュージカル度は低い。歌うインド映画は苦手という方にもぜひ観て欲しい。(お)

シークレット・スーパースター

  • 2017年/インド/フィルムランド、カラーバード配給/150分
  • 監督・脚本=アドヴェイト・チャンダン
  • 製作=アーミル・カーン、キラン・ラオ、ジースタジオ、アカシュ・チャウラ
  • 撮影=アニル・メヘタ
  • 音楽=アミット・トリヴェディ
  • 出演=ザイラー・ワシーム、メヘル・ヴィジュ、ラージ・アルジュン、アーミル・カーン

ストーリー

14歳の少女インシア(Z・ワシーム)は歌うことが大好き。だが、父からは高圧的に禁止される。母は応援しているが、父から日常的に言葉や暴力で抑圧され、隠れてPCを買い与えるのが精一杯だった。インシアがそのPCを使いYouTubeで歌を流し始めると、またたくまに評判になり、若干落ち目の有名プロデューサー(A・カーン)の目に留まるが……。

コメント

2019年4月時点でインド映画歴代世界興収第3位となったヒット作。

感動的な母と娘の物語がメインだが、インシアは反抗期でもあり、時に味方のはずの母にもあたる辺りが、とてもリアル。自分の夢を叶えたい、その一点突破を試みるなかで、周りの愛や気持ちに気づく成長ストーリーにもなっていて、『ダンガル きっと、つよくなる』でも娘役を演じたザイラー・ワシームが等身大の魅力で演じている。

その『ダンガル きっと、つよくなる』で主役を演じたアーミル・カーンはプロデューサー役のため、ほとんど後半にしか出番がないにも関わらず、あっという間に観客を魅了するのも見所。

YouTubeとスマートフォンが生活に馴染んでいる世界と男尊女卑などまだまだ古い社会通念が根強い世界が同居するインドだからこそ、まだまだ観たことのないオリジナルの物語が紡ぎ出される。ラストはハンカチのご用意を。

インド映画はこれからが面白い!(お)

ゲスト紹介

アンジャリ(八尋 美樹) 氏

Miki Yahiro

1974年生まれ、神奈川県出身。インド旅企画&女子旅アドバイザー。「インド楽しいこと案内人アンジャリ」として主にツイッターで日々発信中。新卒で入社した旅行会社でインド専門添乗員を務めたのち5年間の海外生活。帰国し外資系証券会社で10年間の勤務を経て、現在は映画ロケ地巡りやマダム旅などテーマのあるツアーを企画し、自身で添乗するなど、新しいインド旅行の開拓をしている。Webサイトは https://www.mikiyahiro.com

プログラム一覧

成田凌氏、今泉力哉監督、木村和平氏(写真家)
前田敦子氏、黒沢清監督
河村光庸プロデューサー 松崎健夫氏(映画評論家)※ビデオメッセージあり(シム・ウンギョン氏、藤井道人監督)
山戸結希監督、志磨遼平氏(ドレスコーズ)
横尾初喜監督、井浦新氏
鈴木卓爾監督、あがた森魚氏(ミュージシャン)、井浦新氏、大森元気氏
鈴木洋平監督、柳英里紗氏、杉原永純氏(元YCAMキュレーター、映画キュレーター、プロデューサー)
アンジャリ<八尋美樹>氏(インド楽しいこと案内人)
佐藤零郎監督、渥美喜子氏(gojo/映画ライター・シネ砦集団代表)
中原仁氏(音楽プロデューサー)
石井達也監督、根矢涼香氏、松崎健夫氏(映画評論家)
寺尾紗穂氏(音楽家・文筆家、「原発労働者」著者)
丸山昇一氏(脚本家)
杉田協士監督、宮崎大祐監督
団地団
坂本浩一監督、山本千尋氏
今泉力哉監督、北條誠人氏(ユーロスペース支配人)
長久允監督、奥山大史監督
宇賀那健一監督、山口明氏(デザイナー)