第32回映画祭TAMA CINEMA FORUM
2017年から数えて今回で6回目になる団地団による団地映画を語る会「団地団、気合を入れ直す」は、団地映画の中でも特に団地濃度が高い中村義洋監督の『みなさん、さようなら』を上映し、おなじみの団地団と『みなさん、さようなら』の原作者の久保寺健彦氏お迎えしトークを行いました。今回は前回・前々回のオンライン開催を経てついに久しぶりのオフライン開催となり、トークは会場を変えての2部制で行いました。
トーク1部は実は久保寺さんは映画公開前の時点で団地団の一員であった話からトークがスタート。団地を舞台としたのは、「限定的な世界でどう生きるか」を題材にしたいと思っていた時に、ふと思い出したとのこと。小学生の時にクラスの9割が団地に住んでるほど多い地域で育ち、一軒家に住んでいる自分から独立した国のように見えたそうです。団地住民人数のカウントダウンによる推進力と構成、団地から出ない理由の団地団考察、原作者から映画作品に思うところ、団地はSNS?など存分に語っていただきました。
場所を移しての2部では、「団地映画論−居住空間イメージの戦後史−」(水声社、2021年)を執筆された今井瞳良氏が来場頂いていたので急遽ご登壇いただき、映画研究視点から見た「みなさんさようなら論」として、小説と映画での呼称の違いなどをご紹介いただきました。
登場人物のキャラ設定と衣装合わせ、経年変化、作家と団地と批評と引用とコンプライアンス、今の時代に合わせて書くならどこを直すかなど、いつも通り多岐多様に渡る話がどんどん展開され、トーク総時間4時間半のプログラムとなりました。
朝の上映からお付き合い頂いたみなさまありがとうございました。YouTubeにアーカイブ動画がありますので、まだの方もお代わりの方もぜひチェックしてみてください!
団地団、気合を入れ直す | 第32回映画祭TAMA CINEMA FORUM
『団地団、気合を入れ直す(第一部)』トークイベント | 映画祭TAMA CINEMA FORUM公式チャンネル