第32回映画祭TAMA CINEMA FORUM

プログラム紹介

【D-14】団地団、気合を入れ直す

11/23[祝・水] ベルブホール
  • 10:30-12:30
  • 12:40-13:30
    トーク
    ゲスト:団地団、久保寺健彦氏(原作者)
    (団地団:大山顕氏、佐藤大氏、稲田豊史氏、速水健朗氏、妹尾朝子氏、山内マリコ氏)
チケット情報

チケット料金

一般
前売:1,200円 / 当日:1,400円
子ども(4歳~小学生)
前売:800円 / 当日:900円

▼インターネットで購入

PassMarket

▼窓口で購入

多摩市立永山公民館(ベルブ永山)

取扱時間:9:00〜17:00
※祝日と休館日(第1・第3木曜)を除く

多摩市立関戸公民館(ヴィータコミューネ)

取扱時間:9:00〜17:00
※祝日と休館日(第1・第3月曜)を除く
会場アクセス

ベルブホール

〒206-0025 東京都多摩市永山1-5
小田急多摩線/京王相模原線「永山駅」より徒歩2分。ベルブ永山5階

『みなさん、さようなら』原作者の久保寺健彦氏と団地団による縦横無尽トーク。多摩ニュータウンのど真ん中で、それぞれの熱い想いに触れてください。会場をグリナード永山に移しての第2部もお楽しみに!

団地団

2010年12月、新宿ロフトプラスワンのトークイベントで結成。メンバーがそれぞれの立場から、映画、マンガ、アニメなどに登場する団地について深く考察して大放談を繰り広げる。話題は団地の美観や構造に対する偏愛にとどまらず、団地登場作品の演出論から大衆文化論、果ては都市論や郊外論にまで飛び火。知恵熱必死の知的エンターテインメント集団。

みなさん、さようなら

  • 2012年/「みなさん、さようなら」製作委員会製作/ハピネットファントム・スタジオ配給/120分
  • 監督・脚本=中村義洋
  • 原作=久保寺健彦
  • 脚本=林民夫
  • 撮影=小林元
  • 美術=高橋泰代
  • 音楽=安川午朗
  • 編集=松竹利郎
  • 出演=濱田岳、倉科カナ、永山絢斗、波瑠、田中圭、ベンガル、大塚寧々
12歳未満の方は保護者の同伴が適当です

ストーリー

渡会悟(濱田)は「一生、団地のなかだけで生きていく」と決め、中学校には通わずに自身の時間割に沿って過ごしていた。小学校の同級生は107人いて、夜には彼らの安否を気にかけながら団地内をパトロール。のちに悟は行きつけのケーキ店に就職し、青春を謳歌し、同級生との婚約も果たす。団地内に留まる彼の選択には、ある事件が影響していた。

コメント

当時は大学生の私が初めて永山団地に足を踏み入れた日、夕方の帰り道で迷子になった。もう20年も前、ちょうど多摩ニュータウンが「オールドタウン」なんて言われ始めた頃だ。団塊世代の定年退職も話題だった。

悟は団地で生きていくことを選べる環境にいたと捉えると、羨ましいと感じる面もある。ちゃんと青春していて、まっすぐで楽しそうだから。私は世代的に昭和を懐かしむことができない。小学生になる頃にベルリンの壁が取り除かれ、中学生から高校生の頃は急速なグローバル化のなかにいた。そして、生中継でWTCの倒壊を目にした。

本作の印象は、10年前の公開当時と現在では少し変わった。「さようなら」の後、「おかえりなさい」や「おひさしぶり」や「いらっしゃい」を想像できるような気がして。いまや、団地はコミュニティのあり方を投げかける最前線のひとつだ。それに、2022年に聞かされる大山倍達の言葉の妙な説得力よ。(渉)

ゲスト紹介

久保寺 健彦 氏(原作者)

Kubodera Takehiko

1969年生まれ、東京都出身。立教大学法学部卒業、早稲田大学大学院日本文学研究科修士課程中退。2007年、「すべての若き野郎ども」で第1回ドラマ原作大賞選考委員特別賞を、「みなさん、さようなら」で第1回パピルス新人賞を、「ブラック・ジャック・キッド」で第19回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞をそれぞれ受賞し、デビュー。最新刊は18年の「青少年のための小説入門」。現在、次の長編を形にするべく、格闘中。

団地団メンバー

大山 顕 氏

Oyama Ken

1972年生まれ。写真家/ライター。「住宅都市整理公団」(団地マニアのための団体。2000年に設立。団員は2人)の総裁。10年に佐藤大、速水健朗とともに「団地団」を結成。主な著書に「団地の見究」、「工場萌え」(石井哲との共著)、「ショッピングモ―ルから考える―ユートピア・バックヤード・未来都市」(東浩紀との共著)、「新写真論」など。

佐藤 大 氏

Sato Dai

1969年生まれ。脚本家。代表作にアニメ「カウボーイビバップ」(98年)、「交響詩篇エウレカセブン」(2005年)、「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」(02年)、「スーパー・クルックス」(21年)、ゲーム「バイオハザード リベレーションズ」シリーズなど。近作としてはアニメ映画『サイダーのように言葉が湧き上がる』(21年)、『ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』(22年)、『ぼくらのよあけ』(22年/ 監督:黒川智之)などがある。

稲田 豊史 氏

Inada Toyoshi

1974年生まれ。編集者・コラムニスト・ライター。映画配給会社社員、出版社の編集者を経て独立。著書に「セーラームーン世代の社会論」「ドラがたり のび太系男子と藤子・F・不二雄の時代」「ぼくたちの離婚」「「こち亀」社会論 超一級の文化史料を読み解く」「オトメゴコロスタディーズ フィクションから学ぶ現代女子事情」「映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形」がある。団地団との出会いは、出版社の社員だった2011年に足を運んだ団地団トークライブの第2回。ライブ終了直後、トーク内容の書籍化をメンバーに直接もちかけ、「団地団 ~ベランダから見渡す映画論~」の企画・編集を担当(12年に刊行)。13年の独立を機に正式メンバーへと昇格した。

速水 健朗 氏

Hayamizu Kenro

ライター・編集者。ラーメンからショッピングモールまであれこれ執筆。たまにテレビやラジオのコメンテイターなどもやってます。主な著書に「ラーメンと愛国」「バンド臨終図巻」など。愛車は黄色の日産マーチ・カプリオレ。

妹尾 朝子 氏

Seo Asako

企画・シナリオ・演出担当の小沢高広、作画・演出担当の妹尾朝子からなる二人組漫画家。代表作「大東京トイボックス」シリーズ。その他「ちゃぶだいケンタ」「南国トムソーヤ」 「きょくまん」「青空ファインダーロック」「STEVES」「おもたせしました。」「アイとアイザワ」など。現在は、eスポーツの世界を描くトイボシリーズ最新作「東京トイボクシーズ」、育児エッセイマンガ「ニブンノイクジ」、街歩きマンガ「ブラガール」などを連載中。2016年「団地団」へ入団。

山内 マリコ 氏

Yamauchi Mariko

1980年生まれ、富山県出身。作家。大阪芸術大学映像学科卒。2008年「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞し、12年「ここは退屈迎えに来て」でデビュー。主な著書に「アズミ・ハルコは行方不明」「選んだ孤独はよい孤独」「一心同体だった」などがある。団地団への参加は13年秋から。16年に刊行した「あのこは貴族」が岨手由貴子監督によって映画化され、昨年TAMA映画賞最優秀作品賞を受賞した。最新刊は、ユーミンの荒井由実時代を描いた長編小説「すべてのことはメッセージ 小説ユーミン」。

プログラム一覧

白鳥玉季氏 李相日監督
磯村勇斗氏 伊藤さとり氏(映画パーソナリティ)
狩山俊輔監督 鶴谷香央理氏(原作者) 中井圭氏(映画解説者)
小林啓一監督 中井圭氏(映画解説者)
早川千絵監督 金原由佳氏(映画ジャーナリスト)
森井勇佑監督 大沢一菜氏 青葉市子氏(音楽家)
山口路子氏(作家)
安川有果監督 小原治氏(ポレポレ東中野スタッフ)
杉田協士監督 東直子氏(歌人) 荒木知佳氏
川北ゆめき監督 いまおかしんじ氏(本作脚本) 青木柚氏 中村守里氏
いまおかしんじ氏(本作脚本) 小出恵介氏 日高七海氏 森直人氏(映画評論家)
斉加尚代監督 志田陽子氏(武蔵野美術大学教授)
伊藤春奈氏(花束書房) 水上文氏(文筆家)
宇田川幸洋氏(映画評論家)
山野晃プロデューサー 片山慎三監督 松崎健夫氏(映画評論家)
鈴木卓爾氏 翁華栄氏 さとうこうじ氏 鈴木秀幸氏(共同脚本)
西垣吉春監督
大山顕氏 佐藤大氏 稲田豊史氏 速水健朗氏 妹尾朝子氏 山内マリコ氏 久保寺健彦氏
平一紘監督 玉代㔟圭司氏 平隆人氏 南里美希氏